【1月5日:4日目】
Albany - Porongurup NP - Stirling Range NP - Esperance(泊)
8:00出発、今日の午後は500kmのドライブが待ち受けている。
まずは、Porongurup NPのグラナイト・スカイウォークを目指す。キャッスルロックという奇岩の上に歩道が設置されており、そこまで片道1.5kmほどのトレイルがのびている。
ピコタン歩きの私は次々に追い越されていく。トレイルは整備されているものの、いわゆる登山道で日本だったらほとんどの人がトレッキングシューズを履いて歩くような道なのに、こちらの人はビーサンに短パン、ランニング姿の人も珍しくない。
マンウォッチングをしながら歩く。そう言えば、いろんな生き物に遭遇しているのにニョロちゃんには出くわしていないな?このまま出てこないでくれ?と願っていると、ゴソゴソという音が・・・まさかっ!、
登山道の真ん中にニョロちゃんではなく巨大トカゲが出没!え?、なんで?。こちらを向いていないので、襲ってくる気配は感じないが、ちょっと音をたててもその場から立ち去ろうとしてくれない。
オオトカケ? |
そのまま、進む勇気もないし、とりあえずカメラを出し写真を撮って、誰か来てくれないかな?と2、3分その場でウロウロしていると、下から4人家族が。先頭を歩いていた男の子は、トカゲをみて一瞬躊躇したものの、お父さんの「大丈夫だ、行け!」の言葉とともに進むと、トカゲもブッシュの中に。
バランスロック |
私も急いで彼らのあとを追い無事通過[良かった?ありがとう]。大きな岩をすり抜け、はしごを上っていくと、スカイウォークにたどり着く。
ここからは、だだっ広い荒野、北側にはスターリング山脈が連なっている姿がみえる。
やっぱ、広いわ?。しばし景色を堪能し、下ることに。続々上ってくる人たちがいる。
やはり皆軽装である。ふと、ある4人家族の最後尾を歩く女性の足下に視線を落とした。
短パンからでている脚と足の色が同じである???ビーサンを履いているの???いや、いや、いや、ナントは・は・は・裸足!足の裏どうなってんの?二度見をしてしまった。
ブフノール山 |
今日の最後の訪問地は、Stirling Range NPである。
西オーストラリアで一番標高の高い山ブフノール山(1095m)がある。
標準コースタイムが往復で3、4時間ぐらいと手頃な山である。渡豪した当初は、この山だけは登ろう!と思っていたのだが、ピコタン歩きでは登ることはできても下りが厳しい。今回は下から眺めるだけ?。
下りてきた親子に「頂上まで行ったんですか?」って聞いたら「うん。行ってきたよ?最高だったよ?」って。いいな?悔しさを押し殺して、後にする。
さて、ここから今日の宿泊地エスペランスまでは約450kmのドライブである。
どこまでも続く |
念のためにGoogle Mapに目的地を入れて経路を調べると、「そのまま道なりに175km走って、○○ストリートを左折!」の表示が・・・「はぁっ!?」路肩は赤土、まっすぐ伸びる道、見渡す限りブッシュ、ときおり牧草地!
すれ違う車はまれだが、トラックは島原鉄道の車両より長いどでかいヤツ。風圧に恐怖を抱きながら必死にハンドルを握ってやり過ごす。
時々、道ばたに姿を現しているカンガルーをみてホッとする。途中、カンガルー一頭と先ほど見たオオトカゲ一匹が道路を横断。
100km/hで走っているとよける方も身の危険を感じる。車に注意して渡りなさいよ?
Stirling Range NPを出発してから約5時間。ようやく19:00にEsperanceに到着。この日の総走行距離540km。
【1月6日:5日目】
Esperance - Cape Le Grand NP - Esperance
今晩もエスペランス泊なので気が楽。ホテルを8:00に出発。今回の旅の中で、一番楽しみにしていたCape Le Grand NPのフレンチマンピークをめざす。
フレンチマンピーク |
標高262mしかないが一枚岩の山で、平坦なこの地では相当高くみえる。
ピコタン歩きの私にとって、今はこれがやっとである。ガイドブックには往復1〜1.5時間と書いてあるが、ゆっくりゆっくり1時間半かけて登った。
ちょっと曇っていたが、頂上には360°大パノラマが私を待っていてくれた。
フレンチマンピークより |
ほんとにだだ?っぴろい乾燥した大地。所々に、丘のようなものが突き出て、彼方には青い海岸線が。
登ってきてよかった?。下りは、上りより慎重に慎重に下る。
ラッキーベイビーチ |
次なるは、ラッキービーチ。これまでもたくさんきれいなビーチを見たが、最高!!
思わずサンダルを脱いではだしでビーチをピコタン歩く。真っ白な砂浜にブルーの海、そして青空。
う?ん最高!!まだ12時。このあと長い移動がないので、どこか歩きたいなぁ?と思っていたところに、トレイルの案内板を発見。
ヘリテージトレイル海 |
ラッキービーチからとなりのビーチまで伸びているHeritage Trailを歩くことに。一方に青い海、一方に朝登ったフレンチマンピークがみえる。
ヘリテージトレイル花 |
途中、青い海を見ながら非常食として持ち歩いていたカップ麺を食べる。いや?格別の味だった!隣のビーチがみえるところまで行って、引き返した。
気持ちよかったぁ?。
ホテルに戻ったが、まだ3時。一息ついたあと、もったいないので、海岸線のビュースポットをめぐるEsperance - Great Ocean Drive
- 40kms loopをドライブし再びホテルに戻る。
今日も、オーシャンビューでおなかいっぱい。この日の総走行距離は200km。
【1月7日:6日目】
Esperance - Hyden
今日からいよいよ、北上。
8:00出発、昨夕ドライブした際にチェックしていた、Wind Farm、Great Ocean Trailの一部を歩き、一旦Esperanceの市街地まで戻って、今日の宿泊地Hydenに向かおうとしていたら、○○Lookoutの看板発見。ウィンカーを出して右折。
数人の観光客が展望台から景色を眺めている。車を降りると、3kmほどのトレイルがあるとのこと。歩かないで帰るわけにはいかない。これが大正解だった。
昨日の夕方、今朝ドライブした海岸線を一望できるコースだったのである。40分かけてEsperanceの景色の見納めとした。
さて、次なるはウェーブロックがあるHydenまで390km。単調な道が続く。途中からFlooded Roadの看板がでてくる。
辺りを見回すと涸れた湖の底を走っているようである。雨季、あるいは激しいシャワーのときは浸水するらしい。通行する際、ご注意!4時間かけて到着。ウェーブロックは有名な観光地である。
ウェーブロック |
ハイデンロックと呼ばれる花崗岩の北側の一部の面が風、砂、雨、熱によって侵食され、高さ15mもの巨大な波のオブジェを作り出している。
端にある階段からその上に上り、広大なすばらしい眺めを見ながらトレイルを歩く。その後、カバがあくびをしたような形の巨岩ヒッポーズヤーンを見に行く。今晩の宿は、すぐ近く。この日の総走行距離は450km。
【1月8日:7日目】
Hyden - Perth
今回の一人旅も最終日である。
8:00出発 Wave Rockから15kmほどのところにある、アボリジニの壁画が残るマルカ洞窟をめざす。
またまた途中から赤土の未舗装道路。もう慣れたものである。20分ほどで到着。
早朝のためか、壁画以外一般人にとって興味をそそられるものがないためか、駐車場には1台の車もない。洞窟を覗く。3分で終了。
ここにも簡単なトレイルがある。車上荒らしに遭ったらどうしよう一抹の不安を抱えながらも、歩き出す。
広大な農地を見ながら、誰?もいないトレイルを小1時間楽しんだ。
あとはパースに戻る途中のヨークという街に立ち寄るだけである。
西オーストラリア内陸で最も古い町で、ナショナルトラストに指定された英国風の古い建物が多く残っており、歴史的価値のある古い建物を見て回るのがこの町での観光の仕方である。
しかし、街に入ったとたん明らかにこれまで私が目にしてきたものとは異なる光景が。一気に息苦しくなり、興味は消失。ガソリンだけ補充し、まったく観光をすることなく後にする。
ここから100kmほどでパースに到着。無事にレンタカーを返し、一人旅は終了した。
この日の総走行距離は400km。
1月2日のカバシャムワイルドパークから始まった一人旅は無事に終わった。
総走行距離、2430km。鹿児島最南端「佐多岬」から北海道最北端「宗谷岬」まで直線距離で1888kmということで、よく走ったと我ながら感心する。
当初は2500km近く一人で運転できるのかな?、ツアーで行った方が良いかな?、けどピコタン歩きでは皆に迷惑をかけそうだし、予定されているコースを歩けなかったり、お留守番をするハメになると楽しくないしな?とあれこれ思い、一人旅を決断。
ドキドキはしながらも、自分のペースで自分の好きなところを訪れて歩くことができ結果的には良い旅ができたと思う。
オーストラリアの国土は日本の27倍あると言われているが、パースからWA南部を廻っただけでも、十分にその大きさを実感することができた。
オーストラリアの最高峰はキャンベラから200kmほどのところにあるコジオスコ山で、標高は2228mと、山岳会の皆さんにとってあまり魅力のあるところではないかもしれない。
しかし、パース周辺はいたる所にトレイルがあり、雨季の7月?11月にはWildflowerが咲き乱れる。
高い山を登り尽くしたという方は、この時期を狙って、花に囲まれたトレイルをのんびりと歩くのも良いかもしれない。