個人山行 2023年北ア 表銀座縦走
燕岳~大天井岳~槍ヶ岳
本田
7月26日に日本の南海上で台風6号が発生した。
当初は中国大陸へ向かうと予想されたが、31日になって台風は西日本へ向かう予想へと変化、まさか山行の出発日に台風が長崎に接近するんジャナイカ!?とやきもきしていたが結局台風は8月9日から10日にかけて長崎の西方を通過、11日には無事に出発できる模様となった。ε-(´∀`*)ホッ
(以下、進路予想図はtenki.jpより引用)ところが・・・。
今度は8日に台風7号が南鳥島付近で発生、13日には本州の南海上まで北上する見通しでお盆期間中に本州付近へ影響する可能性がある、だと・・・!? (??II
今回は12日に中房温泉~燕岳~大天井岳、13日に大天井岳~槍ヶ岳、14日に槍ヶ岳~南岳~天狗池~槍沢を経て上高地の明神館に宿泊し、15日に焼岳へ登った後に信州まつもと空港から福岡空港へ飛んで帰る予定。
しかし、この進路予想では14日から15日にかけての山の天気はかなり怪しい。さて、どうなることやら・・・。(><)
8月11日(金・祝)
長崎空港~中部国際空港~名古屋駅~松本駅~穂高駅(あずみ野パークホテル泊)
長崎空港から名古屋経由で飛行機、名鉄、JRと乗り継ぎ穂高駅へ。
穂高駅すぐ近くのあずみ野パークホテルに荷物を置いた後、穂高神社へお参りする。
神社では「鈴の音さわやか風鈴祭り」が開催中で涼しげな音が境内に鳴り響いている。
100円のお賽銭で安全登山をお祈りした後おみくじを引くと「大吉」「旅行:さわりなし」、
さらに「吹く風に 高嶺の雲も晴れゆきて・・・」と、景色抜群な山行を予感させるような短歌が書かれていた。 (-人-) アリガタヤ
今日の台風の進路予想図では以前より台風の速度は遅くなり、本州への接近も1日ほど遅くなった模様。どうやら14日午前中の天気はなんとかなりそうな気配にも思える。
8月12日(土)
穂高駅―中房温泉登山口~合戦小屋~燕山荘~燕岳~燕山荘~大天井岳~大天荘(泊)
午前4時起床、4時40分穂高駅発の乗合バスに乗り登山口のある中房温泉へ向かう。
穂高駅周辺は早朝でも暑い。
標高1462mにある中房温泉の登山口なら涼しいだろう思っていたが、涼しさのかけらもなし。
登山口から第一、第二・・・富士見ベンチと登って行くが、高度を上げても涼しくなることはなく、むしろカンカン照りで暑い。
スイカの旗が立つ合戦小屋に到着するころにはだらだら流れる汗がズボンにたっぷりとしみこんで、さながらトイレに間に合わずションベン漏らしたジジイみたいな姿になる。これを世の人は「水もしたたるイイ男」というのだそうだ。ウソツケ(-_-;)
合戦小屋ではお約束である有名なスイカを食べる。ちなみにワタクシはスイカの種まで食べてしまう人である。スイカの種には抗酸化作用で免疫力アップに役立つビタミンCや善玉コレステロールを増やすリノール酸などが含まれ体によいといわれている(諸説あり)。
ここまで御託を並べるとワタクシは健康のためにスイカの種まで食べているように聞こえるがそんなことはない。ただただ種をより分けて出すのが面倒くさいだけなのである。ヾ(--
)ォィ
合戦小屋より先は日差しを遮ってくれる樹林帯はなくなり直接日光が降りそそぐ。
燕山荘から稜線へ出るがそのまま燕岳へ向かう。
燕岳はユニークな「奇岩」で有名。イルカ岩、ゴリラ岩、めがね岩があるらしい。
そういえば子供のころ動物園大好きで札幌の円山動物園によく行っていたが(小学生以下無料)ゴリラ舎に行くとエサのリンゴやミカン、はたまたウンコを、ワタクシはゴリラからよく投げつけられていた。(これまでリンゴ2回、ウンコ1回がワタクシに命中。)
おそらくワタクシはゴリラから嫌われる運命なのだろう、燕山荘から燕岳の往復のさなかゴリラ岩をみつけることができなかった。orz
ちなみにNHKラジオ『夏休み子ども科学電話相談』2017年8月3日の放送によると「動物園のゴリラやチンパンジーは狭い檻の中に入れられて、やることがなくて退屈なんだよな。それでね、たまたまウンチを投げてみたら、お客さんがワーッと逃げていく。“なんて楽しいんだろう”って思ったんだろうな。」だそうである。
(引用:https://rocketnews24.com/2017/08/03/937089/)
残念ながらゴリラ岩を見つけることができなかったが、燕岳山頂からは槍ヶ岳や裏銀座がよく見える。
燕岳から燕山荘へ降りて休憩の後、表銀座の稜線へ。
稜線を一歩一歩進むにつれて槍ヶ岳が近づいて行くのが表銀座の醍醐味、なのだが槍ヶ岳に見とれながら歩いて滑落する御仁もおられるようなのでご用心。
燕山荘から40-50分ほどでたどり着く大下りノ頭から見る槍ヶ岳も見事。しかしここから雲が出てきて大天井岳に着くころには残念ながら霧の中。
本日宿泊する大天荘は新型コロナ対策として完全予約制、そして相部屋でも仕切りでほぼ個室化されており快適。
そして燕山荘グループの山小屋は食事がおいしいことで有名。さらに夕食後の食堂は「ランプの喫茶室」と様変わりする。
喫茶室と銘打っていてもメニューには「ワイン」の文字、ハラをすかせた夏のカブトムシの如くランプの明かりに引き寄せられたワタクシは喫茶室に吸い込まれ、ついに赤ワインと生ハムの虜にされるのであった。(*´?`*)ウマウマ
寝床に戻り、ほろ酔い(酩酊に近い?ヾ(--)ォィ)気分で明日の天気を確認。
台風7号はやや西にそれたようだが15日の山の天気は大荒れになると予想され、信州まつもと空港からの飛行機も欠航になる可能性が大きい。
このため14日の明神館の宿泊と15日の焼岳登山は割愛し、14日は南岳には寄らずに槍ヶ岳から槍沢を経て上高地まで大急ぎで下山するように計画を変更することにした。(>_<)
お盆シーズンだから満席で変更できるかどうか心配だったがスマホで見ると空席が数席あり、14日のうちに信州まつもと空港から福岡空港へ飛行機に乗って帰れるよう飛行機の予約を変更することができた。
8月13日(日)
大天荘~西岳~水俣乗越~東鎌尾根~槍ヶ岳~ヒュッテ大槍(泊)
大天荘から大天井岳 |
大天荘から大天井岳 |
13日朝の天気も晴れ、二日酔いもなくワタクシにもスッキリとした朝がきた。ヾ(--)ォィ
大天荘から大天井岳山頂がきれいに見える。大天井ヒュッテ付近からは赤く染まった槍ヶ岳も。稜線を進むにつれて槍穂高連峰も見えてくる。
表銀座は天気の良いときに行くに限る。(*-ω-)んだんだ
西岳から水俣乗越を過ぎて東鎌尾根に入るとこれまでの稜線散歩のような歩きやすい登山道とは打って変わり、ハシゴや岩場が続く登山道となる。
さらに暑いのは昨日とかわらず。
暑さと歩きにくさでなかなか前に進まず、
東鎌尾根 |
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そのうち槍ヶ岳周辺にガスがちらほら出はじめる。
槍ヶ岳山頂に着いた時にはガスだらけで何も見えず。orz
槍ヶ岳登頂後は東鎌尾根を戻りヒュッテ大槍へ。
昨日の大天荘と同じく燕山荘グループの山小屋であるヒュッテ大槍も手の込んだ夕食が出される。また全員にグラスワインもついている。
こんなおいしい夕食なら酒を飲まなくては失礼に当たる。
( ̄ー ̄)ニヤリ(←これを酒好きがさらに飲みたいときに使う言い分けと世の人はいうらしい。)
山中でのアルコールは高山病になりやすくなるからご注意を、などと数年前長○市松山町の総合体育館で行った長○県山岳連盟の講演会で偉そうに喋ったワタクシであるが、喋った張本人は白ワインのフルボトル(720ml)を一人であけて飲んでいる。
これを「なんとかの不養生」というらしい、知らんけど(^ω^)。ヾ(--)ォィ
大天荘と同じく相部屋には仕切りがあり快適、そして気の済むまで飲んだおかげでこの日の夜も思いっきり大爆睡することができた。でもワタクシのイ○゛キ、きっとうるさいかったんだろうなあ。(o_ _)o.。oOOグォォォォォォ `皿’)/ウ、ウルサイ
寝る前に食堂で明日の天候を確認。台風7号はさらに西へ進路を変え、14日午前の山の天気や信州まつもと空港からの飛行機ははなんとかなりそう、と少し安心。
そしてふと食堂の隅を見ると新型コロナ対策の残骸?とおぼしきものを発見した。
コロナの飛沫感染対策としてテーブルの上に立てておく「ついたて」だったのだろう。今後この「ついたて」がもう二度と使われることがないよう願うばかりである。が、同時に混雑期の2、3人に1枚の布団というのもイヤなので相部屋の仕切りはそのままにしてほしいなあ(イ○゛キで周囲へ迷惑かけることも減るし・・・)と、戻った寝床で酔っ払ったまま、訳のわからないことを夢の中で願うワタクシであった。
8月14日(月)
ヒュッテ大槍~槍沢ロッジ~横尾~徳沢~上高地―新島々―松本駅―信州まつもと空港―福岡空港―博多駅―武雄温泉駅―長崎駅
朝5時にヒュッテ大槍を出発。
ヒュッテ大槍から槍ヶ岳は霧で見えず、天狗原分岐まで降りても霧が晴れることはなく最終日に槍ヶ岳を見ることはできなかった。
が、幸いにして霧雨が降ったり止んだりの天候で雨具は使うことなく上高地に到着。
信州まつもと空港から福岡空港への飛行機も台風7号の影響はなく定刻通り運行し無事14日のうちに家にたどり着くことができた。
なお山行前からワタクシを大変悩ませた台風7号は15日早朝に和歌山県潮岬に上陸した。
そして台風7号の影響で信州まつもと空港発ほか多くの飛行機が欠航、東海道山陽新幹線も運休となり、家に帰ることができないお盆の帰省客が駅や空港にあふれている、というニュースが15日にたくさんたくさん流されておりました・・・とさ。くわばらくわばら… ((((;゜Д゜)))))))