オオキツネノカミソリ被害状況について

田尻 S

 8月10日「山の日」に県岳連として、大雨で被害にあったオオキツネノカミソリの球根埋め戻し作業が提案されていました。
実際の状況を知りたく、8月4日に、多良岳西野越下斜面のオオキツネノカミソリの大雨被害状況を確認に行って来ました。
 第三駐車場(黒木に近い一番大きい駐車場)のトイレが、土砂崩れにより使用禁止になっています。
黒木からの黒木林道で一部土砂崩れがありますが、歩きに支障はありません。
又登山道は金泉寺迄問題なく歩けます。
 オオキツネノカミソリの被害状況は、三つに大別出来ます。
1、球根が土から離れて転がっている。
2、球根は土についているが、茎が表土に流されて無くなり、むき出しになっている。
3、球根はむき出しになっているが花が咲き頑張っている。
登山道両サイドの群生地を見渡すと、半分以上は斜面に根を張り例年通り咲いている。
ただし急斜面と雨水が集まる条件が重なった所は2、の被害が出ている。
球根の植え替えを行う場合は、群生地だけに他の花を踏まない注意が必要です。
又、別の考え方をしてみると、この様な山中における災害と再生は人間が山に入る以前から繰り返しなされており、死滅と繁殖を繰り返しているのではないかとも思います。
 かと言え、自然から多くの恩恵を受けている我々が再生に手を貸し、より早く綺麗に咲くオオキツネノカミソリを愛でる事が出来れば、嬉しい限りです。