個人山行 五竜岳・八峰キレット・鹿島槍ヶ岳

本田

8月11日(土・山の日)
長崎空港~羽田~東京~長野~白馬八方~八方池山荘
 あしあと9月号、10月号はおろか11月号にも本田の山行報告が載らなかった・・・どうやら本田は大阪の天保山(元 日本一低い山 標高4.53m)で滑落し、豆腐のかどに頭をぶつけて遭難したらしい・・・との噂が流れたとか。(ウソです) 
山行報告を書かずにしらばっくれようと企んでいたところ、冬山山行の届を三田会長と田尻さんに送った際に田尻さんから山行報告をサボっていたのを見事にツッコまれてしまい、山行報告サボリの悪事が露呈してしまったのであった。
 ┏○)) モウシワケゴザイマセン。
 今年も長崎空港から羽田、東京から北陸新幹線で長野へ。
帰省ラッシュ真っ只中の東京駅は激しい混雑で、ホームから降りる階段では逆に続々と登ってゆく人々の中をヤブこぎするがごとく進み、通路では上野東京ラインのホームから押し寄せる黒い濁流の中を押し流されつつ徒渉して、ようやく北陸新幹線乗り場までたどり着いた。
ここが今回の山行で一番の難所だったにちがいない。ヾ(ーー )ォィ 

写真は沢屋のHPより
長野駅到着後、駅ビルMIDORIでお土産を購入してそのまま宅配便で自宅に送る。(カゾクニオミヤゲヲカワナイト、ヤマニイカセテモレエナイノデス…( 。-_-。) ) 
イチゴの粒が潰れずにそのまま残っているのが特徴である軽井沢の沢屋のイチゴジャムをたくさん買ったのだがすべて家族に食べ尽くされ、イチゴはワタクシの口には一口も入らなかった・・・。(´・ω・`)ショボーン
長野駅からはバスで白馬八方へ。
みみずくの湯で入浴後、ゴンドラ、リフトを乗り継ぎ午後4時前に八方池山荘へ入る。
すでに雲に隠れて白馬 岳方面の展望はなく、尾根の陰から五竜岳や鹿島槍ヶ岳がチラリと見えるだけorz。
8月12日(日)
八方池山荘~八方尾根~唐松岳頂上山荘~五竜山荘
 朝5時半に八方池山荘発、八方尾根を唐松岳へ向かって登る。
5分ほどで石神井ケルンに到着(←ちなみにワタクシは練馬区下石神井の元住人 ((・∀・`)ドウデモイイ) )、尾根筋を見上げると稜線や山頂は白いガスの中。 丸山ケルンはガスの中。
 さらに唐松岳頂上山荘付近もガスの中。
唐松岳登頂は割愛し、そのまま五竜山荘方面へ白いガスの中をただひたすら歩く(´ヘ`;)ツマラン・・・。
脇目もふらず、というより脇目をふってもなーんにも見えず(x_x;)、10時30分には五竜山荘に到着した。(←手抜きして書いたな・・・(-_-メ)ミジカスギルヂャナイカ)
 山小屋に入りしばらくすると、ワタクシが割り当てられたカイコ棚にはオヤジばかり10名ほどが集結した。
ほとんどが鹿島槍ヶ岳から八峰キレットを越えてきた方ばかりで、逆方向はワタクシと五竜岳登頂後に引き返すお一人のみ。
明日の天候は下り坂のためか登ってくる方は少なくそれほど混雑していない。
夕食後、カイコ棚にもどるとオヤジ座談会開始、明日の天候、下るルート(八方尾根?遠見尾根?)、キレッ○小屋の批評(←悪評多し・・・)などなど。
明日の天候はやはり下り坂、下山組はリフトの運行状況が心配のよう。
ワタクシは逆に雷が心配、もともと朝食をとらずに5時頃早発する予定だったがさらに早めて4時出発にすることにした。
カイコ棚の前の荷物置き場にはこの世のザックすべてが集結したのかと思えるほど所狭しとザックが並び、なんともいえないカオスな状態を醸し出している。( (?ω? )
ちょっとした撮影スポットになったようで、ほかのカイコ棚から写真を取りに来る方々がちらほら。(-p□)q☆パシャッパシャ☆
それにしてもこの荷物置き場の看板、「お荷物置き場」と丁寧に「お」がついている。
登山者が下界から担ぎ上げてきた、悩み事などのなにがしかの心のお荷物を置く場所なのだろうか。
(´・_・`)ツラタン あるいは心にお荷物を背負いこんでいる山小屋従業員の方が、そのお荷物をどこかにおろしたくてこのような看板を作ったのであろうか・・・(;??ω・) ヤバタン
 もう少しで午後7時になるころ、すでに周囲は薄暗い。
どうやらこんな遅い時間に山小屋に到着した登山者がいるらしく、受付から言い合いにも聞こえる従業員と登山者のなにやら大きな声が聞こえた。
そして遅くに到着した、見たところ60才代の登山者は座談会中のカイコ棚へやってきた。
やはり受付で遅い到着を咎められていたらしい。 ( ̄ω ̄;) ソリャソーダ
 前泊していた冷池山荘は混んでいて、朝食が7時だったため計画が狂い遅くなったのは仕方ないとザックの中をごそごそしながら話していた。
7時間ぐらいで着くと思っていた(冷池山荘から五竜山荘まで登山地図上は約8時間・・・7時半に出発したとしても実際は10時間以上もかかってるジャナイカ!) (;・∀・)ハイ!?)、
キレット小屋を午後2時前後に通過したけどなんとか到着したよ、と不遜にも聞こえるお話ぶりにオヤジ座談会メンバーは一同唖然、ε-(ーдー)ハァ、メンバーの一人が「キレット小屋に泊ろうとしなかったんですか?」とキレ気味にツッコミを入れるも「この小屋に予約入れてたからねー、そのまま来たよ( ̄ー ̄)。」と悪びれず・・・。ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ ソウナンシナクテヨカッタデスネ・・・(・∀・) 
 回想しながら山行報告を書いていると最近の有名なNHKのテレビ番組がふと頭の中に思い浮かんだ。そのテレビ番組のキャラクターであるチコちゃん曰く、オヤジがオヤジギャグを言うのは、脳のブレーキがきかなくなっているから、だそうである。
つまりオヤジ(中高年の男性)は年を取ると共に蓄積されたボキャブラリーが豊富で、言葉についての情報が記憶されている脳の側頭連合野の活動が活発であるため一つの言葉から他の言葉を連想する「連想記憶」の能力が上がり、くだらないオヤジギャグを若い人よりたくさん思いつく。
しかも若い人に比べ、オヤジは恥をかかないよう言動にブレーキをかける働きのある脳の前頭葉の機能が低下している。このためオヤジギャグを言うのは恥だ!というブレーキが効かないため、くだらないオヤジギャグを連発するそうである。(NHK 総合 チコちゃんに叱られる! 月2回放送)・・・オヤジが山で遭難するのも前頭葉の機能低下により、登頂したい、計画通りに進みたいという欲望にブレーキがかからず判断を誤り遭難回避の行動をとらなくなるからではないだろうか(。 ・ω・))フムフム、などと思う今日この頃である。
 えっ!ワタクシの山行報告もくだらない脱線ばかりしているって!? ・・・ボーッと生きてんじゃねーよ!!!ヾ(炎`Д´炎)ノ=3=3=3=3、あーあ、チコちゃんに叱られた・・・。
はい、ワタクシもいい年こいたオヤジでございます(-ω-;)・・・前頭葉の機能なんか小学生以下(-∀-`;)・・・お酒を飲み始めるとやめられないとまらない・・・カッパエビセンカ!!(;´▽`ノ)ノ。
五竜山荘のカレーは、辛れ~!・・・((゚∀゚) オヤジギャグ!? ) (注:実際はそんなに辛くありません)
中高年の男性会員の皆様、例会でオヤジギャグをぶっこいて若い会員さんに逃げられないよう十分気をつけましょう。( ´∀`)オマエモナー
8月13日(月)
 五竜山荘~五竜岳~八峰キレット(キレット小屋)~鹿島槍ヶ岳(北峰-南峰)~冷池山荘
 午前3時、トイレに行こうとした同じカイコ棚の人に金的蹴りをかまされて起床した(☆_☆)キーン!。
プロレスなら反則になる蹴り技に悶絶しつつ朝食のパンを食べ、午前4時に五竜山荘を出発。
山荘の外は既に雨・・・(´_`。)グスン。 暗闇の中をもじもじと内股になりつつ1時間弱ひたすら登り、夜明けを迎えた頃に五竜岳山頂に到着した。もちろん山頂はガスだらけでなにもみえず(T_T)。
 五竜岳から急坂を下り八峰キレットの難所にかかる。昨年の不帰キレットに比べて鎖場やハシゴが多く、岩峰のアップダウンもきつい。
G4からG5の間にはイワヒバリがウロウロ。このイワヒバリなかなか塩対応でワタクシが写真を数枚撮ったところで、登山道に○ンコを残してどこかに飛び去っていった。
 午前9時半頃キレット小屋に到着、幸いにしてこのとき雨は止んでおり小屋の前のベンチで休憩したが、ここもガスだらけで展望なし・・・orz 。
 キレット小屋の真横からいきなりハシゴ付きの岩場が出てくる。
しばらく岩場を進むと、背後からゴロゴロゴロ・・・? カミナリだー!(|||||゚Д゚)ヒィィィィ ?。まだ午前10時にもなっていない、せっかく早起きしたのに雷出てくるのが早すぎる_○/ ̄|_ ナンテコッタ。
引き返そうにも雷雲は15~20km後にいるのだろうか、先に進むしかない。先には足元不安定な難所、後ろにはカミナリ、どっちもコワイ。
カミナリから離れようと先を急ぐが足元不安定な鎖場やガレ場やキレ落ちたヤセ尾根だらけ、おまけに岩場は雨で濡れて滑りやすく思うように進めない。
カミナリ様のスピードが速いのかゴロゴロ音がだんだん大きくなってくる。
ワタクシは晴天の神様に見放され悪天の神様に取り憑かれているのは確かだが、さらにカミナリ様にまで好かれてしまったのだろうか(@Σ@;)。
歩きながら、「○○山荘のトイレでおしっこを便器の外に飛ばしたのはワタクシデス(≧ω≦)」、「大部屋が一つしかない○○小屋で酒をしこたま飲んで大イビキをかき、小屋にいた皆さんを寝不足にしたことをおゆるしください・・・m(*T▽T*)m オユルシクダサイ・・・」などと過去の山での悪行三昧を懺悔しながら歩くがカミナリ様はついてくる・・・って、ゆりやんレトリィバァかい!( ̄д ̄)。
 なかなかしつこいカミナリ様である。鹿島槍ヶ岳北峰の手前で振り返ると真横に走る雷光、チュドーン!という雷鳴、直後に漂う焦げ臭いにおい、そして背後からギャーッ!という悲鳴、振り返れば人が倒れている・・・すわ、カミナリ直撃か・・・倒れていた人にあわてて近寄るが、カミナリの音にびっくりして転倒されただけだった・・・ε-(´∀`*)ホッ。
鹿島槍ヶ岳北峰に近づく頃、ヤセ尾根でハーネスをつけてクライミングギアを携行し、そろいの赤い上着を着た長野県遭対協の方々に出くわした。
こんな雷の中まさか訓練をされているとは思えない、誰か滑落したのだろう( ̄Д ̄ll)・・・と思っていたら、下山後に読んだ新聞に遭難記事が載っていた。
ワタクシが通過する前日の12 日午前に鹿島槍ヶ岳から五竜岳に向かっていた25歳の女性が滑落し安否不明とのこと。(※18日に救助されたが死亡が確認された)
 カミナリ様の追撃をかわしつつ11時過ぎに鹿島槍ヶ岳北峰に到着。このあたりまでゴロゴロと雷鳴がなっていたが、ワタクシに取り憑くのをあきらめたのか、それともワタクシの懺悔の内容があまりにもしょーもないと思われたのか北峰から南峰の吊り尾根を歩く頃には雷鳴は小さくなり、南峰をすぎた頃からまったく聞こえなくなった。
ようやくカミナリ様はどこかへ去られたようだ( ; ´ ? `)フウ。
 雷鳴はなくなり雨もあがった。ガスの中の稜線をひたすら歩く。
布引山をすぎてしばらく行くと一つの遭難碑に出会った。
 「遭難之碑 會員 園田一敏君 山をこよなく愛した君は平成7年吹雪く元日にこの地で逝く・・・長崎県諫早山岳會」
 何かのご縁と思って黙祷を捧げると、背中に冷や汗がだらり。カミナリを恐れながら通過してきた後にこの遭難碑に出会ったことはシュールであったが、この雷の中の稜線をよくぞ無事に通過できたものだ、ともつくづく思ったりもするのであった。
 午後1時半には冷池山荘に到着、一気に疲れが出たのか安心したのか、受付後しばらく動けず。
>┼○ バタッ 
布団に寝転がりウトウトしているとゴロゴロゴロ・・・、またカミナリか!とびっくりして飛び起きたが部屋の引き戸を開け閉めする音だった・・・。幽霊の正体見たり枯れ尾花、ならぬドアの音 Ω\ζ゚)チーン。
 8月14日(火)
 冷池山荘~爺ヶ岳~種池山荘~柏原新道~扇沢-大町温泉-信州まつもと空港-福岡空港-博多駅-長崎駅
最終日の14日、初めてご来光が拝めた。(T人T)アリガタヤー 
5時半に小屋を出発し爺ヶ岳へ向かう。今日もガスが多い。
爺ヶ岳中峰につくと、ガスがやや薄くなってきたのでしばらく待ってみたがなかなかすっきりしてくれない。
鹿島槍ヶ岳方面は相変わらずガスの中だったが、立山や剱岳はほんのちょっとだけ見える。
爺ヶ岳南峰に移動したがこちらは残念ながらガスの中、
晴れそうにもなくこのまま種池山荘まで降りていった。
 種池山荘まで降りても結局展望には恵まれず、振り返ると爺ヶ岳山頂にもガスがかかっている・・・ツイてないや。 ( 。-_-。) 
「夜明けのスキャット」を歌いながら(古っ!)柏原新道をトボトボと扇沢へむけて下山するのであった・・・ルー、ルールルルー・・・。