個人山行 越後駒ケ岳〜中ノ岳縦走記

川口 T

10月の紅葉時期に山の色付きを求めて、越後三山の二つ、越後駒ケ岳と中ノ岳を目指した。
 10/9 東京駅で今回の山行の提案者、県外会員の吹野さんと合流し、上越新幹線で浦佐駅を目指す。
浦佐駅は大きな駅にしては駅前はえらく静かでレストランとコンビニが一軒ずつあるだけである。
今日の宿・銀山平伝之助小屋へのバス便(午後1本だけ)を待つ間にコンビニ弁当で昼食をすます。
だいぶくたびれたバスの乗客は我々だけ。13時40分やっと浦佐駅を出発し銀山平へ向かう。
1時間強の乗車の後、秘境感いっぱいの銀山平で下車し送迎車で宿に到着。
夕刻から雨が降り出しいやな気分で就寝。
 10/10 朝からすっきりとしない雨模様の天気だが、とにかく駒ケ岳までは行くことにして宿の車で登山口の枝折峠まで送ってもらう。
峠では標高が上がったせいで雨は小降りになる。雨具の用意を整え3日間の縦走を目指して出発する。
枝折峠から緩やかな登りを登り切ると枝折大明神の明神堂に到着。
ここのお堂をお借りして朝の食事を済ます。
すぐ上の明神峠を通過し、小さな上り下りを繰り返し明神尾根を道行山へ向かう。稜線の両側は見事に紅葉しており、ガスが出たり晴れたりでそこそこの展望は楽しめる。
 ガスの切れ間から駒ケ岳、遥か彼方に中ノ岳が時々顔を出す。
 道行山から小倉山まではいったん下って登り返しとなり小倉山直下には小倉尾根コースの分岐がある。
分岐からは百草ノ池を通過後急な登りとなり、前駒のピークを過ぎ岩場のルートを登りきるとようやく駒の小屋(避難小屋)に着く。
雨具を脱ぐ前に駒ケ岳に登っておこうと小屋に荷物を置いて山頂へ向かう。
山頂には猿田彦の古い銅像が祭ってあり修験の山であることがわかる。
今日で山を下りるという小屋の管理人さんを見送り夕食の準備に掛かる。準備中に今夜の同宿となる父子二人が雨の中を到着し、今夜の宿泊は五名となった。
食後、明日の行程を検討し雨が続きそうならば小倉山まで戻り小倉尾根を下ることにして就寝。
 10/11 薄明りの中で窓の外を見ると、昨夜の予想に反して空は晴れ渡っている。慌てて起きだし外に出ると昨日は見えなかった駒ケ岳も朝日を浴びて秋色の姿を見せている。
 下界は雲海に埋まっているが今日一日は天気も持ちそうと判断し、予定通りの行動をすることにする。
次の宿泊地中ノ岳避難小屋は水場も天水も無い為水の持参が必要で、持てるだけの水を持つ。
昨日の道を駒ケ岳まで登り返して頂上手前から中ノ岳への縦走路に入る。
 グシガハナ、諏訪平、を経て天狗平まで約300メートルを下る。天気は上々だが遠望は利かない。
天狗平からは左右が切れ落ちた岩尾根を慎重に進み檜廊下と呼ばれる場所に着く。
ここで危険個所はほぼ終わり、後は中ノ岳への長い登りとなる。
いくつかのピークを越えて高度を上げていき最後の急登を登り切って中ノ岳避難小屋に到着。すぐ近くの山頂を踏みに行く。
 長い一日だった。泊りは我々だけと思っていたら小屋には先着の青年が一人いた。
山岳ツアーガイドをしており今回はプライベートで少し難しいコースを一人で歩いているとの事。ツアー事情など面白い話を聞くことが出来た。
日没前には夕焼けや昨日通過した駒ケ岳が見られ、その上ブロッケンまで発生し皆でしばしの興奮タイムとなった。
 10/12 下山の日は朝から雨模様。中ノ岳からは標高差1600メートルの長い下りが続く。
池の段から日向山を経て登山口の十字峡まで、ザレ場、クサリ場、急坂が随所にあり降雨の影響もあって楽な下りではなかった。
十字峡についてタクシーを呼ぼうとすると困った事に携帯が繋がらない。思案の末、電波が拾えるところまで行こうと歩き始める。
しばらく歩いていると近くの発電所関係の車がやってきた。手を上げると止まってくれたので事情を話し携帯の通じる所まで一人乗せてもらい、タクシーを手配できた。
最終日はきつい一日になったが、無事に越後湯沢駅前のホテルやなぎに到着し今回の行程を終了した。
コースタイム:
10/10 枝折峠5:20→6:05明神堂6:20→8:00道行山8:10→8:50小倉山9:00→9:50百草ノ池9:52→11:25駒の小屋11:35→11:55駒ケ岳12:03→12:20駒の小屋
10/11 駒の小屋6:45→7:10駒の分岐7:15→8:25天狗平8:30→9:47檜廊下9:55→12:46中ノ岳避難小屋12:55→13:05中ノ岳13:20→13:30中ノ岳避難小屋
10/12 中ノ岳避難小屋5:40→8:05日向山8:15→9:25二合目9:35→12:25十字峡
参加者:
川口T、川口A、吹野  計3名