個人山行 立山三山

窪田

 今年の秋の連休は5連休。この所、山歩きがご無沙汰なので思い切ってアルプスに出かけることにした。
どこに行こうか思案したが、紅葉の時期でもあるし、いつでも行けるからと先延ばししていた立山三山に嫁さん同伴で行くことに決めた。
今年は天候が思わしくなく、出発直前まで台風20号の進路にハラハラさせられたが、運よく連休は天候に恵まれた。
 9/19(土)長崎始発のかもめに乗り、博多・新大阪・金沢でそれぞれ新幹線・特急・新幹線に乗り換え17:00頃に富山に到着(途中、京都付近で人身事故ありその影響で1時間遅れ)。
今年開通した真新しい北陸新幹線「かがやき」にも乗れて満足。
富山の町を散策し、日本海の海の幸に舌鼓を打つ。
 9/20(日)前夜から未明にかけて雨がパラパラ降るが明け方には止んでいる。
朝起きして富山電鉄窓口に向かうとさすがに連休とあってずらりと行列ができている。
立山黒部アルペンルートの通し券を買い05:30の始発で立山に向かう。立山も早朝から混雑しており富山で切符を買っておいて良かったと思う。
我々は06:40の二本目のケーブルカーに乗りスムーズに美女平から室堂へ向かう。高原バスが高度を上げるにつれ、空は晴れ渡り木々が色づいて秋の装いになってくる。
左手に奥大日岳が見えてくるとしばらくして室堂に到着する。室堂は朝早いにもかかわらず秋を満喫しに来た人で混雑し始めている。
登山届をポストに入れ8:20室堂出発。室堂周辺は紅葉の最盛期で、チングルマは真っ赤に色づき綿毛がそこかしこに見える。
 右手に五色ヶ原とその先の薬師岳を眺めながらガラガラと岩が転がった登山道を登り、浄土山の軍人慰霊碑を越えるとなだらかな稜線に出て、標識がないと頂上とは判りにくい浄土山の北峰・南峰に着く。 南峰の広場にリュックを置いて龍王岳を往復する。頂上からは360度の展望が開け、これから目指す雄山とその奥に剱岳がよく見える。
浄土山南峰には12年前(2003年7月)に東さん夫妻・西さんと一ノ越から薬師岳を目指した時に通ったのだが、雨が降って展望もなく単なる通過点に過ぎなかっただけなのでほとんど記憶がない。今回は晴天に恵まれて本当によかった。
 一ノ越に下ると、雄山に登る人(子どもから老人まで)でごった返している。さすがに観光地だなと感心する。
思ったより急な登りで息があがるが、上から大勢の人が降りてくるため離合時間がちょうど良い休憩になる。尻でずるずる滑りながら降りてくる幼児もいて、“よく頑張ったね”とほめてあげたくなる。
12:50雄山到着。拝観料一人500円を払って雄山神社に参拝する。
安全登山祈願のお祓いを受けた後、お神酒を頂くが、一口で少し酔う。
 13:35雄山を出発し、大汝山、富士ノ折立と進む。久々の3000m越えのためか頭痛がする(嫁さんは足が痛いだけでどうもないという)。
富士ノ折立を下ると歩きやすい道になり、雪渓の残る大きな内蔵助カールを右手に見ながら小石のざれた稜線上を黙々歩く。
真砂岳は標識がなく、どうも頂上を素通りしたらしい。
頭痛のせいもあって戻る気力がなく“明日登り直せばいいや”とそのまま内蔵助山荘に向かう。
 15:45山荘到着。稜線では大勢の人に出会ったが内蔵助山荘泊りはそれほどでもなく、6畳に8人(我々の部屋は二人キャンセルだったので結局6人)で快適だった。
2011年に新装オープンした山小屋は比較的小さな外観ながらとても綺麗で私のお気に入りの小屋の一つになった。
陽が傾き寒くなりかけた戸外でコーヒーを楽しみ、野菜と魚のフライ・ミートボール・煮物・サラダ・山菜山かけ・ナメコ汁の豪華な夕食を囲み、玄関先のストーブの前で食後のワインを軽く飲むと途端に眠くなり、8時頃には布団でうつらうつらしてそのまま寝てしまう。
21:00消灯後、皆が本格的に寝入った頃、同室のご夫婦二人共、不規則で大きな鼾をかき始め、朝まで止まらずよく眠れない朝を迎える。
 9/21(月)05:27日の出。少し雲があるが日の出にはちょうど良い。南の方に富士山が雲の切れ間に時折見え隠れする。明け方は気温が10度を切っているようで吐く息が白くメガネが曇る。
ナメコ・スクランブルエッグ・ソーセージ・サラダ・味噌汁がついた朝食を摂って07:00山荘を出発。
 昨日の軽い高山病と思われる頭痛も一晩で取れて快調。昨日通り過ごした真砂岳へ登り返して頂上を確認する。
山の朝は早い、別山からの登山者とすれ違い、08:00別山南峰に到着しリュックを置いて北峰に向かう。谷をはさんで剱岳が目前に迫り、まるで箱庭のようである。
剱沢には色とりどりのテントが並んでいて、彼らもまた剱の絶景を楽しんでいることだろう。
剱岳は何度見ても良い、また登ってみたいという気にさせてくれる。
 右手に剱岳、左手に室堂を眺めながら08:55別山乗越に着く。ここで剱岳の眺望とお別れし、雷鳥坂を下る。
下るにつれ灌木(ナナカマド等々)が増え紅葉を手に取って楽しむことができる。
10:20びっしりとテントが並んだ雷鳥沢キャンプ場で最後の休憩をとる。大勢の家族連れが思い思いに紅葉を楽しんでいるようだ。
 雷鳥沢キャンプ場からは地獄谷のキツイ硫化水素ガスで少しむせながら、登りがつらい石畳を抜け、ミクリガ池・ミドリガ池を散策して11:30に室堂ターミナルに到着し山行を終えた。
あとは一般の観光客に混じってトロリーバス・ロープウェイと乗り継ぎ、お約束の黒四ダムを観光し大町へ下った。
 立山黒部は何度行っても飽きの来ない山域である。
コースタイム:
9/20(日)室堂08:20→10:25浄土山北峰→10:35浄土山南峰→10:55龍王岳→11:38一ノ越11:45→12:50雄山13:35→14:02大汝山14:10→14:30富士ノ折立→15:30真砂岳→15:45内蔵助山荘
9/21(月)内蔵助山荘07:00→07:14真砂岳→08:00別山南峰→08:10別山北峰→08:24別山南峰→08:55別山乗越→10:20雷鳥平→11:30室堂