個人山行 由布岳登山―由布郷館

2013年1月31日〜2月1日

松田 朋子

 今回は、例会ではないけれど由布郷館に一泊する由布岳登山を経験して来た。
 1月31日7時40分 今村PA集合。お天気良くなるとの予報で、期待に胸ふくらませて皆さんと合流、ワクワクする。田尻さんのお友達の碇さんという方も参加された。
 次は、8時50分山田SAで休憩する。山田SAの下りは、アップルパイが美味しいとかねてから聞いており、朝早いこともあってまだ売り切れておらず、無事買えた。すぐに、車の中で試食タイム。
噂に違わず美味しい(以外と高価なのです)。まだ目的地に行く前から小さな幸せ感。さて、本題は由布岳登山です。

 10時26分由布岳正面登山口到着。その日は気温が高く、雪は解けている様子。泥がべちゃべちゃなので、スパッツを着ける。
ああ、本当に由布岳に登るのだなあと、下から由布岳を仰ぎ見る。今まで、由布院温泉に浸かりながら「うーん、いい眺め」と見る山だと思っていたのが、登れることになるなんて。雄大な草原の中を進み山中へ入る。

 暫らく登り、川口さんが見つけた緑色の「山繭」(ヤママユ=ウスタビガの繭)を写真撮影したりと、自然を楽しみながら行く。九十九折の坂になっている登山道を、ひたすら登る。
この日は暑いくらいの気温で汗を流しながらの登りである。途中、休憩しながら、まだまだ上の山頂を目指す。
 12時30分マタエの下で、由布院の町を眺めながらの昼食タイム。ポカポカと、日焼けしそうな太陽の日差しだ。ここでも、幸せ感満喫。山の上は、甘い物がことの他美味しく感じる。

まだ、だらだらと甘い物を食べていたいが、そろそろ出発だ、と気合を入れなおし立ち上がる。
 しばらく登ると、さすがに標高が高いせいで、雪が凍ったまま残っている。滑らないように用心しながら、進む。
 13時30分マタエに到着。ここは、風が強く寒くなってきた。もう少しで東の頂上である。13時45分東峰頂上に到着。
 ここから、お鉢周りをする人達と先に下山する人達に分かれる。私は経験したことがないので、お鉢周り部隊に参加である。
軽アイゼンをつけるべきか、否かで悩む。凍っていない所も多い中途半端な雪と氷で、つけたら歩きにくそうであったので、私はつけないまま進む。
途中の下りの岩が険しく、しかも凍っていたので手をかけるところがない。苦戦していたが、川口さんの「ここで、止めとこう。すべって骨でも折ったら大ごとたい。」との声で、断念することとなった。
また次の機会の宿題とすることとしようと思った。しかし、下山する途中マタエの所で、石川さん、田尻さんの提案で急遽西峰に登ることとなる。
西の方は、険しい崖があり結構スリリングで面白い。ここでは3点確保とつぶやきながら、基本に立ち返る。
西峰に到着すると、見晴らしが良い。きれいにお鉢周りのコースが見え、「うーん、何だかお鉢周りをした気分」となった。由布岳を制覇した気持ちである。
後は下りであるが、森や林の中を歩く夕刻に向う昼下がりの静かな気配が、何とも言えず充実感を醸し出す。しかも、この後温泉とごちそうが待っているのだ。これを、幸福と言わずして何と言おう。
かなり、下ったところで「カサカサッ」と音がして野生のシカと遭遇した。思わず、カメラのシャッターを切る。
初めは2頭だと思ったが、ファミリーで5頭もいる。つぶらな瞳で、こちらをジッと観察(警戒?)している。
私達は、「シカがいる」と思ったが、向こうは「変な人間がいる」と思っているのだろう。名残惜しかったが、シカに別れを告げて、歩き出した。
下に着いて後を仰ぎ見ると、「あんな、高い所に登ってきたのねぇ」とちょっと感動する。
下山したのは3時くらい。下山の先発隊も、駐車場で待っていてくれて、いよいよ「由布郷館だー!」と期待はマックスに。
 由布郷館は三菱電機の保養所で、由布院の町から少し離れた、高級別荘地に建っている。
OBの西川さんのお世話で泊まれることになったのだ。外観も想像以上に素敵だが、中もまたお洒落なリゾートホテルだ。お部屋も、お風呂も食事も期待以上の素晴らしさであった。
露天風呂からは、その日に登った由布岳が見える絶好のロケーションだ。夕食の時に、皆さんは「湯布院の森」という冷酒や、ワインや幾恵さんのお手製のお酒をあまりにも美味しそうに飲んでいたので、私もつい調子に乗ってガラスのお猪口で少しずつ飲んだら、フラーっと倒れそうになり、ご迷惑をかけてしまいました。楽しくても、調子に乗ってはいけませんね。反省です。
食事の後は女子部屋で、皆でヨガのポーズや指圧など、体操で盛り上がる。楽しいなー。温泉で女子会っていいな。殿方は、きっとお部屋で速攻、爆睡していらっしゃることでしょう。
 さて、気になるのは明日の天気。予定では、鶴見岳に登ることになっているのだが、ほぼ間違いなく雨の予報だ。朝、起きてからの様子しだいということで、就寝となった。
 翌日は、もうすでに朝から雨だった。湯布院の街で「そば饅頭」を買ったり、途中の日田で観光をしながら帰ることになった。
高塚地蔵でも、お参りをした。平日の雨にもかかわらず、参拝者が多い。これは、ご利益がありそうだと熱心に願い事を唱えた。
日田は、豆田の町で風情のある通りをそぞろ歩き、お雛祭りのお雛様が何百体も展示してある旧家に立ち寄り、作り酒屋の見学や、昼食に美味しい「おそば」を食べ、大満足で帰途についた。
 テントに泊る山行も楽しいけれど、こんな贅沢な山行も、たまにはいいよねと思ったことでした。
一緒に行った皆さん、由布郷館をお世話して下さった西川さん、ありがとうございました。