会長就任に際して

三田 徹

 このたび、昭和15年(1940年)創立の歴史ある長崎山岳会の第9代会長に就任いたしました。
 平成13年から会長を務められた田尻前会長には、この間、会の運営に力を尽くされてきたことにお礼申し上げます。
 23年前の平成7年(1995年)に入会し、当初は技術はもちろんのこと体力も全くありませんでしたが、諸先輩のご指導や良き仲間に恵まれて、岩をはじめ、厳冬期や残雪の北アルプスなど、普段の生活だけでは決してできない素晴らしい体験をさせていただいております。
 しかしながら、山の経験はまだまだ浅く、会長という職責を果たせるのだろうかと思うことはありますが、気負わず、安全登山を第一に、近郊の山から中央の山、そして沢登りや岩登り、雪山など、四季を通じてオールラウンドの山行ができるよう、会の活動を充実させて行きたいと思っています。
 昭和23年から始まった七高山巡り、私が生まれた年である昭和34年から続いているお楽しみハイキングなど、歴史ある例会を続けていくことはもとより、会員の平均年齢も上がってきているので、より多くの会員が参加できる例会や楽しめる例会を皆さんと一緒に企画していきたいと思っております。
 そして新入会員の募集にも力を入れていく必要があります。
趣味が多様化するなかで登山は3Kということで敬遠する方もいる一方、健康志向のなかで登山に興味ある方、レベルを向上させたい方は決して少なくはないはずです。
 個人同士で気軽に山へ行くという形態が主流になってきているのかもしれませんが、山岳会だからこそできる知識・経験の習得の場の提供や、交差縦走を始めとした様々な山行形態を積極的に情報発信し、新しい仲間とともに素晴らしい体験を共有できればと願っております。
 2年後には創立80周年という節目を迎えることとなります。歴代会長、諸先輩方の山の経験、知識にははるかに及びもしませんが、長崎山岳会には様々な分野の人財が豊富におられます。
委員会をはじめ会員の皆さんの力を借りながら、充実した会の活動と、そして80周年を迎えることができるよう努めていきたいと思っております。