山のワンポイント講座D(山岳遭難)

研修担当 窪田記

都合で休載していましたが講座5回目になります。
今年の夏は例年と違って梅雨明け直後から各地で豪雨が続く異常な年になりました。ニュースを振り返り他山の石としたいと思います。

「夏の山岳遭難 全国で699人 過去最多に」
 ことしの夏に登山やハイキング中に遭難した人は全国で699人に上り、これまでで最も多かったことが分かりました。
遭難者は40歳以上の中高年が増加していて、警察庁は余裕のある安全な登山計画を立てるよう注意を呼びかけています。
 警察庁によりますと、ことし7月と8月に全国で登山やハイキング中に道に迷ったり転んだりして起きた遭難事故は583件と、去年より14件増え、遭難した人も699人と去年より74人増えました。
 遭難した人の数は、統計が残っている昭和43年以降で最も多くなったことが分かりました。
また、遭難した人のうち48人が死亡し、4人が行方不明となり、全体の77%が40歳以上の中高年でした。
 都道府県別の遭難事故の件数は、長野県が103件と最も多く、次いで富山県が67件、静岡県が65件、岐阜県が31件などとなっています。
 警察庁は、中高年の登山ブームが続くなか、天候が悪い日の無理な登山や不十分な装備が原因の遭難が多いことから、十分な装備をして余裕のある安全な登山計画を立てるよう注意を呼びかけています。(後略)
(出典:NHK NEWSWEB 9月13日)

 今年の山岳遭難で特徴的なことは、雨にまつわる遭難でした。
・8/18北ア・槍ケ岳登山道
男女3人大雨で増水した沢に流され3人全員死亡
・8/18北ア・黒部五郎岳:沢登り男性2名救助
・9/5北ア・薬師岳:沢登り京大山岳部2人死亡
といった、沢での事故が記憶に新しい。
これらを教訓として、
・雨天中は沢に入らない。通常涸れ沢でも上部の雨が漏斗のように沢筋に集まり急に増水する可能性がある。
・登山道が沢についている場合は注意。(顕著な例:神戸・都賀川水難事故2008年7月28日)
・雨天と風でスリップ、岩場は滑落の危険が増す。足元注意。
・ガスにまかれて道迷いする。登山道をしっかり確認。
・雨・風で夏でも体温が低下して低体温症になって遭難する恐れがある。速乾性の衣類を着用。防水性能のよいカッパを常に携帯。
といったリスク回避をしたい。
 例会山行や遠出の山行を計画した場合、「せっかく計画したのに」「行ってみなけりゃ判らない」的な判断が頭をよぎりがちですが、天気予報をじっくり眺めて英断をお願いします。(特にリーダー・サブリーダー)。
 もし、山に入っている場合に豪雨に遭った場合は、沢から速やかに離れて安全な山小屋などに避難する等の対応をお願いします。