第1989例会 大崩山

湧塚〜坊主尾根

田尻 S

4月21日(木)雨のち曇り
去年の6月に計画した大崩山は天候も優れず、再度夏に順延したが大雨の被害が著しく今年へと再々順延となる。
大崩山系は祖母・傾と同じく九州の岳人、特に長崎岳人の憧れであり、地理を考えると気軽に行ける山域ではない。
今年は満を持して計画するが、週間天気予報に一喜一憂する。
大崩山に登る日が晴の御神託を信じ実行する。
今日は大崩山荘迄なので、長崎(JR道の尾駅)を9時30分発とする。参加者7名、往路は長崎バイパス、長崎道、大分道、東九州道北川ICまで行き無料の高速道を利用させて貰う。
北川ICを降りたところで工事中の道の駅「はゆま」に寄り、一部完成しているトイレ横のスペースを使う。
途中で降り出した雨を避け雨具を付ける算段を思案していたが、これで問題解決である。
延岡市経由で祝子集落に向け車を走らせ大崩山登山口に着く。
アケボノツツジのシーズンには駐車するのも大変だが、平日でアケボノツツジの開花も2,3分咲きの情報もあり、渓流釣りのバンがいるのみである。
登山口のポストに登山計画書を投函し登り始める。
大崩山荘まで予定40分、常緑広葉樹も初夏に備えて古い葉を落としている。それらの落葉が灌木帯を埋めつくし足元が気持良い。
雨は降りやんでいるが、夕方5時を過ぎると林の中は薄暗く、見覚えのある山道の先に山荘が少し高台の上に見え今日はここまで。無人の小屋に断りの挨拶をして中に入る。
食当でありSLである大塚さんが、山では初めてのミルフィーユ鍋を作ってくれる。
山では大抵カレーや豚汁と相場が決まっているが、今晩の料理は発音に舌を噛みそうな洋物である。
豚肉と白菜を交互に挟んだ食材もシェフの魔法の調味料で美味しく食べられる。明日が本番なので、酔いもホドホドに8時半には就寝する。
4月22日(金)晴
今日のルートは長丁場が予想されるので、3時起床、5時出発とする。いわゆる3〜5である。
昨晩のミルフィーユ鍋の残りでオジヤを作り、素早くかき込み日帰り装備を整える。
山荘を5時10分に出発する、足元はライトを必要としないくらい明るさがある。
湧塚分岐より祝子川河原に出る。ここで川を渡り対岸に移動するのだが、若干であるが流れが増水しており飛び石をトントンと渡れない。それでも濡れない渡渉点を探し全員濡れずに渡るはずが、1名余興で足を滑らし少し濡れる。その内乾くだろうと歩き出す。
かすかな踏み跡があるが、ほゞピンクや赤のテープが頼りのルートである。
2時間程で袖ダキに着く。
登り上がった岩のテラスからの眺めは初めてここに立つ人を圧倒し、大崩の花崗岩が作り出した大岩壁の景観は、他の山では見られないものであり迫力がある。
これから下湧塚、中湧塚、上湧塚と寄りながら登ると、愛しいアケボノツツジが現れ出す。夜明けの曙を思わす薄ピンクの花びらはいつ見ても心が和む。
花は5分咲きか、4年前満開に行き合わせた事があったが、それは見事なものであった。
石塚迄5時間45分掛かったが、地図タイムに休憩を加味するとその差は10分位か、ここで中休憩を取り大崩山を往復する。
予定時間より少し遅れ気味なので坊主尾根を急ぎ下りたいが、この尾根、最初は少し緩やかであったが、
小積ダキの大展望を過ぎた辺りから傾斜が増して来る。
象岩では岩場のトラバースに、簡易ハーネスとカラビナを使う練習を予定通り行なうが、これが後の時間を狂わせ山荘への到着が遅れる原因の一つとなる。(リーダーの判断ミスでした)
尾根の下り急勾配は更に続き、梯子、ロープの連続である。ロープがあれば難なく下れる斜面も前日の雨で滑りを連想させ、先人の滑った後もナマナマしく残っている。
尾根特有の末端に行くほど急となり、予定では全行程10時間とみていたが、実働では1時間35分余分に掛かってしまった。
山荘前の祝子川河原の渡渉に少しモタツキやっと山荘に着く。
小屋の中に残して居た装備を手早く纏め、これも無人の小屋にお世話になった礼を述べ、登山口へと気持は駆け下る。
登山口から美人の湯に移動しここで解散する。
*大崩山例会を終えて
大崩山荘を拠点として湧塚コースを経て大崩山から坊主尾根を下るコースをとるこのコースは、昭文社の「山と高原地図」で大崩山荘を出て山荘に戻る休憩なしのトータルを加算した時間は、登り(湧塚ルート)290分休憩を2割り増しで348分、実働は370分。
地図での下り坊主尾根時間は、205分休憩を同じく2割増しで246分、実働は285分。
計画では10時間を予定していたが実働では約11時間30分かかってしまった。
70歳を越えると体力低下、特に下りに於いて10時間を越す行動は脚力の低下が著しく、リーダーとしてはもっと考慮すべきであった。さらに象岩での岩場トラバースの研修に固守すべきでなかった。
以上の様な状況を考慮すれば、このコースは一般の高齢者にはハードルは高いと思われ、地道なトレーニングと最少の岩トレが必要でしょう。
コースタイム:
4月22日
大崩山荘5:10〜5:40湧塚分岐点6:00〜8:05袖ダキ8:25〜11:15石塚11:55〜12:00大崩山12:10〜12:15石塚12:20〜12:35坊主尾根分岐12:40〜13:20小積ダキ13:30〜16:55大崩山荘17:30〜18:10登山口
参加者:
CL:田尻S、SL:大塚、東、小笹T、福田K、井上、木場 計7名