1864例会 石鎚山

田尻 S

 6年ぶりの石鎚山例会は、会員の高齢化もありマイクロバス利用とする。
自分たちで運転しなくて良いのは気が楽だ。マイクロバスの定員、フェリーの予約などもあり7月には例会予報を掲載し最終的には14名の参加者になる。
10月16日(水)
18:30長崎駅を出発。何時ものように北部経由で高速道に乗る。
別府からの宇和島フェリーは新造船で船内はとても綺麗だが、毛布を借りたとはいえ床が固くて寝るのは大変だった。
10月17日(木)
船内で持参の早い朝食を取り、登山口の土小屋へ出発。
土小屋に着いて、今日の昼食用のお湯を2台のコンロで沸かす。
計画では瓶ヶ森にも行く予定だったが、瓶ヶ森林道を乗用車より大きいマイクロバスで通行するのは、時間が掛かるという事と、今日の少し雲がかかる天気では、瓶ヶ森からの秀麗な石鎚山が望めないという事で、断念する。
土小屋を9時前に石鎚山頂へ向け出発する。空は僅かに青空がのぞくものの雲が多く、石鎚山や瓶ヶ森から伊予富士、笹ヶ峰への連山はガスがその姿を隠している。
土小屋からの登山道は道幅も広く2人がすれ違える程であり、笹藪のなかを行く木道は気持よく整備されいる。高度を上げていくに従い色付いた紅葉も濃さを増していく。
二の鎖下の小屋迄は緩やかな登り下りが続き、色づく紅葉を堪能しながら歩く。
元気組はどこまで行ったやら、三の鎖まで取り付いているかも知れない。
我々も二の鎖に取り付き頑張って登り切る。
12時20分に弥山に着き、一息入れていると、ひょっこりと天狗岳を往復してきた元気組が岩陰から姿を現す。4時間前に別れた2組だが再会を喜ぶ。
ユックリ組と元気組で合同写真を撮り、更にユックリ組は平山さんを加えて写真を撮る。
弥山より天狗岳までの稜線を紅葉が鮮やかに彩り、面河側から吹き上げるガスが石鎚山の趣を深くする。
弥山に戻ると白装束に頭巾や結袈裟それに数珠などで身を固めた山伏の姿がある。法螺貝を吹く姿は石鎚山が山岳信仰の山である事を実感する。
弥山で昼食後鎖場を下る元気組と別れ巻道を行く。
昼を過ぎても未だ登る人も多く、台湾当たりの観光客を見かける。
二の鎖小屋まで下るとスニーカーにスカートの女性も居り世俗を感じる。
帰りは来た道の復路であり、余裕で2のベンチ、3のベンチと展望を楽しみながら下る。
土小屋から二の鎖小屋までの時間は、往路3時間30分、復路2時間10分と下りに強い山岳会を証明する。
鎖場下りの元気組が土小屋手前でトレランスタイルで追いついてくる、景色は見えたかな。
15時45分田尻Hツアーコンダクターが待つ土小屋に着く。 
土小屋を16時過ぎに出発。途中の砥部で、「あこう」というレストランで夕食を取る。
此処は6年前にも夕食を食べたレストランだったと気が付いたのは、店内に入ってからだった。1,650円(税込)で豪華な夕食に満足する。予約していたので、大人数でもスムーズに食事が出来た。
その後、松山観光港のターミナルでお土産を購入し、フェリー乗船。
松山小倉フェリーは我々14名に大部屋を割り当ててくれていてありがたい。
入浴する人、今後の県体に向けて読図の勉強をするメンバーも。
このフェリーは掛け敷布団があり快適に寝る事ができた。
10月18日(金)
小倉港でフェリーを下船後、広い駐車場がある24時間営業の「ジョイフル」で朝食を取り、10時頃には長崎着。
乗用車と違いマイクロバス利用では、道路の所要時間、道路幅、駐車場の広さなど、計画の段階での注意が必要だと痛感した。
コースタイム:
土小屋発8:55~11:00二の鎖小屋11:05~12:20石鎚山(弥山)12:35~12:50天狗岳13:00~弥山(昼食)13:35~15:45土小屋  
行動時間6時間50分
(行程)
10/16別府港23:50
10/17 =2:35八幡浜5:35=8:00土小屋16:20=(夕食)=20:30松山観光港21:55
10/18 =5:00小倉港=(朝食)=10:00長崎  
参加者:
CL:田尻H、SL:田尻S、山上、東、栗崎、平山、金木、西川A、西川I、大塚、峯、井上、江口、木場          計14名


石鎚山 ゆっくり組

平山

天を射抜くような山容と修験者の鎖場が連なる石鎚山。以前から魅力的な山だと頭の片隅に残っていた。
快適な貸し切りバスとフェリーで四国に入る。
登山口の土小屋を元気組は先発し、ゆっくり組の6人は田尻Sさんをリーダーとし秋深まる山模様を味わいながら登る。朝の静寂の中、冷たい空気が美味しい。
西日本一の標高を誇り、百名山でもある人気の山は登山道も整備され歩きやすい。

足元の悪い所は随所に木道があり、第一ベンチ、第二第三と進むに連れ、木々は紅葉に染まり始める。 道端には葉陰に隠れるように淡い白桃色のハガクレツリフネが一輪。林を抜けイシヅチザサの斜面を縫うように登ると濃い青紫色のイシヅチリンドウがあちこちに鮮やかだ。
何だかリーダーが花を見つけるのが上手になっている。
徐々に視界が開けてくると表参道コースの成就社も見え、石鎚山の全容も姿を現す。
裾を巻き徐々に高度が上がると、遂に天狗岳が聳え立つ。
シコクシラベの緑と白骨木を裾に岩峰が黄や赤の彩色を纏いガスの中に屹立する。美しい!
成就社からの出合に到着。鳥居をくぐり、いよいよ二の鎖に向かう。
鎖場と言っても想像していた鎖と違い、太い鉄杭を数珠繋ぎにしたような重たいもので振られる事もない。「何人ぶら下がっても大丈夫!」みたいな頑丈さだ。
山開きの写真で見る信者さん達が鈴なりの行列で鎖に取り付いているのも頷ける。
鎖に頼って腕力だけで登ると必要以上に負荷が掛かっている私は重く、忘れていた三点支持が役に立ち少しはマシになる。
二の鎖三の鎖と高度を稼ぐ人、延々と続く階段の迂回路を行く人様々に弥山へ到着。
山頂は平日なのに各地から来た老若男女で賑わい、白装束の信者さんもちらほらいる。
先着の元気組とも会い、ガスの切れ間に尾根が見え隠れする天狗岳へピストン後に昼食。
弥山頂上には立派な山頂社や頂上小屋があり、「ビールあります」の張り紙がチラリと見えた。
金木さんのリクエストで信者さんが法螺貝を吹いてくれた。
霊山色濃く良い音色だった。後は斜面に設置された鉄製の階段が続く迂回路を下り、ウメバチソウに白髭が生えたようなシラヒゲソウや花弁に脈が目立つシコクフウロなど秋の残花を見つつ土小屋に戻る。
帰りのフェリーでお風呂に入り、さっぱりとして帰途に着いた。
船中二泊三日は、天気も何とか持ち紅葉もきれいで、良きリーダーとメンバーに恵まれ楽しい山行だった。