第1831例会 大山

伊達

 椎茸栽培を始めてから最盛期の冬の山は諦めていた。しかし、この数年の異常気象で今シーズンの最盛期は昨年の11月で終わってしまった。その後はぼちぼちの収穫が続いている。
大山合宿は1月の菜の花マラソンの時に話を聞き参加を決めた。
 何せ老体、準備として宇美の昭和の森から頭巾、三郡、砥石山の周回コースを歩荷してみた。まあ何とか歩けた。装備では悩んだ。アウターが雨具では寒そうだし、ヤッケを持って行くほどでもないし、結局は雨具に決めた。
 2月8日(金) 田尻さんから長崎出発の連絡を受け、長崎道神辺バス停で私、更に基山SAで下さんと合流し全員集合。交代で運転しながら米子へ向かう。
深夜の高速、「寝られるかな?」と心配したがしっかり寝れた。
 2月9日(土) 南光河原駐車場でも仮眠。カップラーメンの朝食後、共同装備を分配し8時30分出発。
大神山神社に参拝、賽銭無しの安着祈願。雪は少なく参道も薄っすら、川沿いの道も20cm程。
アイゼンを装着し、川沿いから林道に出て2時間ほどで元谷。
小屋で一服。小屋は相変わらずトイレの匂いが凄い。
 テント設営開始。整地から風除けのブロック作りまでは順調だったが、テントを張るのに四苦八苦。
形状が複雑で、風には弱そうで積雪期には不向きかと思った。やっと張り終え中で寛ぐ。
外は風強く、稜線辺りは吹雪いているようだ。雪も間断なく降っている。
飲むには早く、偵察を兼ねて行者ルートを登る。道は急で息が上がる。様子も分かったので1時間ほどで下る。テント内はさすがに7~8人用は広い。
 先ずはビールで乾杯。何といっても食事を作りながらの酒は飲兵衛には山の楽しみの一つだ。
今回も田尻食当の豪華な夕食でやや少なめの酒類にも満足。
 2月10日(日) 6時起床。べた雪でテント内は酸欠気味でライターが点かないハプニング。
 ゆっくり朝食後、埋まったテントの除雪。リーダーの指示でワカンとアイゼンとを一緒に装着。
これは久しぶりの体験だった。除雪やワカン・アイゼンの装着で時間が掛かり9時30分頃の出発となる。
昨夜の積雪約20cm、行者コースと夏道は遅いほどラッセルの必要がなく楽だと踏む。
案の定、踏み後がはっきりしており楽ちんだった。それでも急斜面、老体には結構堪える。
峯さんは体調不良で、平田先生の診断で下山となった。
途中早出の登山者に会うが、稜線で吹雪かれ8合目で引き返したとのこと。やっぱり遅出で正解だったと思う。
夏道出会いでワカンを外し、アイゼンでの登山となる。風も弱まったが視界は20mほど。
しばらく歩くと6合目の小屋。中は満員なので外で休憩。
さすが夏道は人が多い。列をなしての上り下りだ。視界も徐々に開けこれなら絶対登頂できると思う。
徐々に高度を上げ8合目は木道が見えている。今泉、東両名は絶対山頂を踏もうと思っているようだ。
下松八重リーダー4名と田尻、平田組に分かれて登る。積雪は普段の3分の1程か?
8合目以降は風も止み気温も上がってきて、いささか拍子抜け。
12時50分、山頂到着。バンザーイ!
 急速に視界も開け南西方向の景色が見えだした。剣が峰も顔を見せてくれた。我々を歓迎しているようだ。
13時20分田尻・平田組も登ってきた。6名の集合写真も撮り登頂を祝う。
腹ごしらえをして下山開始。小屋を見たが1階から入れるので楽だ。
下る途中、早く出たはずの福大OBパーティーと出会う。7合尾根のラッセルが大変だったらしい。かなり疲れているように見えた。
 6合目小屋からは元谷小屋へ直接下山。積雪は腰程、下りなので一歩1?ほども進む。
尻セードは雪が深過ぎてほとんど進まない。小屋はブッシュで隠れて見えないが元谷入り口の砂防堤ははっきり見えており直線的に小屋を目指すことにした。
スノーボードやスキーのシュプール跡を見ながら時々方向修正。谷底に出てしばらく谷沿いに進み、メンバーと離れ深雪のトラバース、やっと小屋が見えた。
一人ラッセルを重ね15時30分頃テントに到着。下り始めて約1時間だった。面々の日頃の行いの結果か?風もなくラッセルの必要もなく、視界があまりきかなかった以外は最高のコンデションであった。
帰ると峯さんの体調不良も回復して元気になっていた。
 ザックを下ろしながら、平田さんのワカンが急斜面の登りでつま先部分が上がらず歩き難かったとの話。実際に装着して歩いてみるとトップにベントがなく、なるほど先がつかえて歩き難い。
上から押さえつけるように蹴り込む必要がある。どちらかと云うと平面に近い地形の方が歩き易そうだった。
全員のワカンを見てみると、素材も籐あり、木あり、アルミあり、先にベントが有るもの無いもの、形状も違う。今や籐や木の素材は姿を消しアルミしかないが用途によって形状が異なっている。
最近ワカンを使う機会もめっきり減ったが良い勉強になった。
 テント内に入り食事の準備をしながらビールで安着祝いの乾杯。
田尻さん、下さんの焼酎に私の越百ウイスキーで良い気持ちになり、久しぶりに歌も出て楽しい夕餉となった。
 2月11日(月) 6時起床。テント撤収し7時30分出発。
大神山神社経由で9時頃、駐車場に戻って2泊3日の登山終了。
 車の除雪をして、共同装備を戻して温泉探し。10時オープンの淀江町の温泉があった。
時間待ちの間に精算作業。なかなか良い泉質の温泉で、露天風呂も楽しめた。
 帰りの高速も順調で基山で下さんと別れ、神辺バス停は17時45分だった。
 今回は、久しぶりの大山で出来れば雪上訓練の実態も見たかったが土曜日の天候が悪く実現しなかった。
南光河原駐車場から元谷まで2時間ほどの歩荷も難なく歩けたし楽しい3日半であった。
若者2人は雪中歩行もテント生活も不安を感じさせなかった。来シーズンはバリエーションルートに挑戦して欲しいと思った。
 天候にもメンバーにも恵まれ楽しい山行だった。
食当の田尻さん、リーダーの下さん、車を出して戴いた平田さん、ありがとうございました。

参加者:
CL:下松八重、SL:田尻S、伊達、平田T、峯、今泉、東R  以上7名