第1801例会 大崩山

湧塚〜坊主尾根

平田 T

昨年4月の五葉岳縦走の途中で見上げた坊主尾根の雄姿は印象深く是非歩いてみたいと思っていたが、今回念願叶い大崩山(湧塚〜坊主尾根)への山行となった。
 4月22日(土)、先発隊の大塚、金木、田尻Hさんらは大塚車で長崎を午前中に発ち、大崩山登山口で下松八重さんと合流す。
先発隊は食料、調理道具一式を登山口より前泊地の大崩山荘まで40分ほどの道のりを歩荷した後、山荘の掃除、夕食の準備をして後発隊を待ってくれていた。
後発隊の田尻S、吉村、平田は午後1時に長崎を発ち5時30分登山口着、午後6時過ぎに大崩山荘に到着し準備万端整った夕飯を皆と一緒に囲む。
 4月22日(日)は4時起床、朝食を摂った後サブザックを担いで5時23分には大崩山に向けて出発する。
往路は湧塚コース、復路は坊主尾根コースの予定である。
祝子川沿いのなだらかな山道を20分ほど歩くと湧塚分岐へ到着する。昇ってきた朝日に赤く照らし出された坊主尾根の巨岩(小積ダキ)がまだ薄暗い周囲の中に浮かび上がってきれいだ。
ここから祝子川へ降り、流れの狭いところを探し石に飛び移りながら渡渉する。次第に険しくなる勾配をロープや梯子を頼りに1時間20分近く登って行くと、小積谷を挟んだ対岸に巨大な小積ダキの断崖とその左端に小さく坊主岩が立っている姿が見えてきた。
さらに20分ほど登ると、これまで急だった勾配が急に平らになった袖ダキの平らな台地に辿り着く。
ここには例年より10日以上早く開花したと思われる満開に近いアケボノツツジが崖の周囲を取り囲むように群生しており、思わぬ出迎えに皆感嘆し銘々カメラを取り出しては四方八方撮りまくる。
今年は桜の開花も早かったし、花全般の開花時期が早まっているのだろうか。
ここより15分ほど登ると下湧塚の巨石の頂上に到着した。滑らかな花崗岩でできた丸みを帯びた細長い巨石の上をおそるおそる足をすすめ、目の前の木山内岳や右手の巨大な小積ダキを眺める。
下湧塚を後にして岩場の梯子やロープをたぐり寄せて30分程登れば中湧塚へ辿り着いた。
ここの崖淵にはのぞき穴に似た首がうまい具合にはまる窪みがあり、そこから顔を出して断崖下の眺望を楽しむ。
さらに登った上湧塚の巨石の脇を通ると岩場はひとまず終了し、なだらかな稜線歩きとなって、あちこちに咲き誇るアケボノツツジを楽しむ余裕も出てくる。
大崩山荘を出て4時間15分ほど経った9:39に大崩山山頂へ到着。山頂からのながめはあまり良くなかったがここでかなり早い昼食をとる。
下山は来た道を戻り途中から右手の坊主尾根方面へ分かれる。
途中リンドウの丘へ立ち寄る予定であったが分岐部を見失い通り過ぎたあたりで、坊主尾根を果敢にも一人で登って来た田尻Hさんと合流する。
小積ダキで待ち合わせる予定であったが、われわれの到着が遅れたため痺れを切らして上がってきたそうだ。
先ほど登ってきた下湧塚、中湧塚、上湧塚の巨岩群を左手に眺めながら降りていくと、坊主尾根随一の展望台である小積ダキへたど り着いた。
小積ダキの展望台から下を眺めると、これから通る象岩やその下の象岩のトラバースと呼ばれる45度程傾いた岩肌を横切るルートが足跡で白い線になっているのが見てとれる。
小積ダキから先の下り道は梯子、ロープの連続で緊張を強いられながら一挙に高度を下げていく。
象岩のトラバースを難なく過ぎてしばらく下ると坊主岩が見えてきた。
袖ダキから見た時は小さく佇んでいた岩だが間近で見ると巨大だ。上から見ると女性の乳房にも似ているが、いわゆる乳房岩は後から調べると湧塚尾根にあるそうだ。
ここらあたりの巨岩群はマグマが地中深い所でゆっくり冷やされ悠久の時を経て地上に現れたのであろう・・などと空想を廻らしながらさらに続く梯子、ロープの岩道を先に急ぐ。
途中1か所、下の梯子につながるロープが不親切にも斜めにつけられている場所があり降りるのに苦労したが、足裏を岩に着け体を離して降りれば簡単と後から指摘され納得する。
小積ダキから岩場を一挙に標高400m近く下り降りようやく梯子とロープから開放される。
13時過ぎに大崩山荘へ着きデポしていた荷物を詰めなおし、お世話になった山荘へは一人500円ずつ寄付して14時に無事登山口へ到着した。
美人の湯で湯につかり今しがた登ってきた大崩山をゆっくり眺めながら疲れを癒して山行を終了した。

2018.4.21〜22 GPS軌跡
コースタイム:
4/21(土) 登山口17:30〜18:10大崩山荘
4/22(日) 大崩山荘5:23〜湧塚分岐5:42〜7:08袖ダキ〜7:37下湧塚〜8:13中湧塚〜8:36上湧塚〜9:39大崩山山頂〜11:02小積ダキ〜11:28象岩〜12:06坊主岩〜13:14大崩山荘〜14:00登山口
参加者: CL田尻S、SL平田T、田尻H、大塚、金木、吉村、下松八重