第1791例会 祖母〜傾山縦走

改題:本谷山縦走

伊達

長年、行きたいと思っても何故かクリアできずに残るルートがあるものである。
今回の「傾山の三ツ尾・三ツ坊主コース」縦走も将にそのうちの一つである。ある時は日和ってしまい、ある時は天候に災いされて行けず仕舞いなのである。今回こそはと思い参加した。

2月9日(金) 19時日田で長崎組、うきは・鳥栖組が集合。2台の車に分乗し、杖立・黒川・竹田を経て上畑登山口駐車場横の小屋に20:30到着しテントを張る。
小屋の壁に熊出没の警告。矢張りいるのか?見た人の話は聞くが果たして真相は?この連休天気は芳しく無く念願の三ツ坊主コースはあっさりと九折小屋までの直登に変更。思いは今回も見送られてしまった。軽く飲んで明日に備え寝る。

2月10日(土) 4時起床。何故かあまり眠れず眠い。
各自食事を摂り、6時出発。九折川沿いに歩きだす。久しぶりのテント泊縦走だが冬の縦走の割に軽く15s余り。夜が明けるころ三ツ尾コースと別れ九折越に向かう。
 最近の雨は激しいのか倒木も多く岩も不安定で歩き難い。沢を詰め切り愈々急斜面の尾根に取りつく。
積雪も30p程。暫く歩くと、雨もポツポツ降ってきて雨具を羽織る。喘ぎながら林道に出るとまたしても熊出没の看板。
林道を越えると斜度は更に急になり、雪も深くなってジグザグに高度を稼ぎ11:30やっと縦走路。
11:40無人で寒々とした九折小屋に着く。
 小屋にテントを張り、下松八重リーダー・峯さん・窪田君には水汲みをお願いし、残りのメンバーでテント設営。
 昼食時「飲もうか?」となり、吉村さんの隠し玉のマルスウイスキー“ツインアルプス”が飛び出し、峯さんからはワインの差し入れ。つまみもたんまりある。
ビールで乾杯し、まるで打ち上げ会の様相になる。ベビーソーセジ焼きが旨く、ウイスキーもスイスイ。
飲むほどに口も滑らかになり、自然保護談議にも花が咲く。
 2時間程ワイワイガヤガヤ。それでもまだ15時過ぎ、昼寝組とだべり組に分かれる。
うだうだと喋るうちに17時。夕食はビーフシチューにアルファー米とサラダでこれも旨かった。
今度はみんな早々に食べ終わり、19時前にはシュラフに横になる。酒も入っていたので鼾の大合唱。
2月11日(日) 3時目覚ましの音で目が覚める。朝飯を摂り、パッキングして5時出発。
真っ暗な上に積雪もあり、ルート確認を慎重にしながら進む。積雪も深くなり50pは超えている。
ラッセルしながらなのでなかなかペースが上がらない。夏道の1.5倍以上は掛っているようだ。
 笠松山を越えた付近で雪の上に熊の足跡のような痕跡を発見。矢張り居るのかも知れない。この辺りでは“穴持たず”に違いないと想像を膨らます。
風も強くなり結構寒い。風倒木を越え、1m程の積雪でラッセルも交代しながら進む。
我輩は皆の好意で免除してくれている。しかし、田尻さんは快調にラッセルしている、まさに脱帽。
11時前頃、やっとのことで本谷山に到着。皆で記念撮影。
 「この分では今日は古祖母くらいかなあ」弱気になる。祖母山までの縦走路が延々と続く。
 下りで少しはピッチが上がるものの丸山の登りでは元のペースとなり、リーダーが今日の行程を尾平越までとする。
14時前やっと尾平越に着く。この辺りは鹿の害が多いようで立派な?金網の柵が張り巡らされている。
途中、2ヶ所扉を越える。田尻さんの事前調査で尾平から16時50分に上りのバスが出ていることが判明。何とか間に合わないかと先を急ぐことにする。
下る道は宮崎側しかないようで、仕方なく下る。14時過ぎに尾平トンネル通過。所々凍ったアスファルトの林道を用心しながら下る。
吉村さんがショートカットルートを発見し、その急斜面を下る。尾平も過疎が進んでいるようで無残な倒壊廃屋が点在。17時やっとバス道路に出る。
出るとすぐにバスが来た。「ラッキー!」貸し切り状態でバスの運転手と明日の天気の話になる。どうも大雪の予報のようだ。
「この分では今日中に少しでも下って安全地帯まで出た方がいい」ということになり、上畑の健男神社前の駐車場からスタート地点の車を取り原尻の滝付近まで下ることにしたが、予報の大雪は確実とのことで更に日田まで出ることになる。
 竹田から日田までの道中で更に作戦会議「日田まで出たなら帰ろう!」となり、日田で解散。この山行を終った。
 こうして傾山・祖母山・大障子岩一周縦走は予定の約“3分の1”で終了となった。次回リベンジの計画の声も聞こえた。
結果的には大雪に合わず無事それぞれ帰り着いたことはまずは良かったといえるが、個人的には数々の反省点があった。
 第1は雪が無いものと何処かで決め付けていて、ストックを持参していなかったこと。せめてピッケルは必要だった。その為バランス保持に無駄な体力を使ってしまった。
もう歳なのだからストックは必要だよなあ!
 第2は自分の体力の衰えを自覚していなかったこと。少しの寝不足を割り引いても下松八重・三田・峯・吉村・窪田の面々に完全に“負んぶ”された状態だった。
田尻さんも率先してラッセルしていたのに・・・。翌日軽い腰痛と筋肉痛で済んだので頑張りが足りなかったともいえるが山では歩けて何ボだ。
 第3は計画の段階での事前調査が「以前に歩いた道だから何とかなる」との甘えもあった。
 今回は計画段階での何の役割もせず、ただ参加しただけの面は否めない。個人的に綿密なコースシミュレーションや体力トレーニングも含めて準備すべきであった。反省!!
 皆さん本当にお世話になりました。
コースタイム:
2/10上畑登山口6:00〜芥神の滝8:30〜林道9:45〜九折越11:30〜九折小屋11:40
2/11九折小屋5:00〜笠松山7:45〜本谷山10:40〜丸山13:00〜尾平越13:50〜尾平トンネル14:00〜尾平鉱山バス停16:50

参加者:
CL:下松八重、SL:三田T、田尻S、伊達、吉村、峯、平田T、窪田  計8名