第1772例会 北アルプス(雲の平周辺)

田尻 S

 今年の北アルプス例会は参加個人の希望を最大限に取り入れ、大まかに言えば4コースに分かれた。本隊コースに4名、高天原温泉コース2名、薬師岳・水晶岳・笠ヶ岳コース1名、笠ヶ岳コースに1名である。

7月30日(日)
長崎からの出発は飛行機利用1名を除き7名はJRを利用する。8時28分長崎を発ち、博多〜新大阪〜金沢〜富山に17時12分着く、延べ8時間44分である。
少し前は新大阪からサンダーバードで富山迄行けたものが、北陸新幹線の開通により金沢で降ろされ23分の新幹線の旅を余儀なくされる。サンダーバードが富山迄行くなら時間とお金の節約になるものを。
しかし地域の発展とJRの都合を考えると1年に1回使うか否かの利用者のつぶやきでしかない。
タイム:長崎発8:28〜博多発10:46〜新大阪発13:46〜金沢発16:49〜富山着17:12
長崎から富山までのJR移動時間8時間44分
7月31日(月)
富山駅、朝5時発の富山地鉄バスで折立へ向け2時間のバス旅である。
折立で太郎平へ向け登りの準備をし、第一ポイントの1870mピーク(第一ベンチ)を目指す。
約2時間掛けて1870mピークに着きホッと一息、ここまで来ると視界が開け、雲湧く夏の空と太郎平小屋へと続く尾根道の展望が良い。
ここで高天原組2名が薬師沢小屋に行く為別れ先行する。
太郎平小屋では「薬師沢小屋に宿泊の方は声をかけて下さい」と張り紙がある。
太郎平小屋を過ぎ薬師沢小屋への下りは割と急であり、登山者の数も随分減る。高山植物にも目が行く余裕で、ハクサンイチゲやニッコウキスゲ等おなじみの花も見え心和む。
中俣を下り薬師沢に出会うと、これが黒部の源流かとの想いが強い。
薬師沢小屋は薬師沢と奥ノ廊下の出合にあり、ゴウゴウたる沢音がする。
薬師沢出合にしがみつく様に建つ小屋は、風情とスリル満点の建物で室内の傾きも半端でない。以前はもっと傾いていたらしい。
明日の高天原温泉までのルートについて小屋の人に情報収集する。予定では大東新道を辿り高天原峠に至るルートを考えていたが、先の台風3号の影響で河原の道が一部水没し歩行を困難にしており、渡渉や危険な飛び石もあるらしく、更にその先C沢がかなり荒れている様子との事、言外に行かぬが良いとの話である。
タイム:富山発5:00〜折立着7:00 バス移動時間 2時間
コースタイム:
折立7:25〜9:25 1870mピーク9:50〜10:50五光岩ベンチ11:15〜12:20太郎平小屋12:40〜15:15薬師沢小屋(泊)   行動時間 7時間50分

8月1日(火)
天気は雲も多く少し下り坂である。今日のルートは天気も悪いので大東新道を諦め、雲ノ平経由、高天原峠に下るチョイト廻り道である。
しかしこの43年ほど雲ノ平にはご無沙汰しており、新しい山小屋を見るのに良い機会と思う。
薬師沢小屋を後にし、すぐに奥ノ廊下に架かる吊橋を渡る。渡ると直ぐ鉄梯子を下り河原に降り立つ、ここからが急登の本番である。
登り始めて5〜6分の時、注文していた弁当を貰い忘れていた事を思い出し慌てて引き返す。20分程損こいた。
ここからの登りは、登った皆さんが可愛く無いと言う登りである。出発時から雨雲だったのが、ポツリポツリと泣きだし雨具を出す。
雨に急登、足元の不安定さ、黙って登るのみ、2時間ひたすら登る。
木道の端に着き、これからが雲ノ平の始まりで緩やかな起伏を繰り返す。
アラスカ庭園、奥日本庭園と過ぎるあたりで雨も止みガスが穏やかに流れる。雨具を脱ぎ、傘をさして歩けるのが良い。
新しくなった雲ノ平山荘に立ち寄る。木の香をまだ感じさせる山荘に入るのに、汚れた山靴では気が引ける。軒先で荷物の整理をし、高天原峠へと下る。
雨量観測所の横を通り、しばらく下ると奥スイス庭園に出る。庭園と言うにはこじんまりとしている。その昔はこれほどハイマツの進出も無かったのではないだろうか。
これを過ぎると本格的なジグザグの長い下りで峠に着く。ここで親子2人連れに会う。
話を聞くと雲ノ平にテントを張っており、昨日高天原温泉に入ったが、忘れ物に気付き、今日また雲ノ平と高天原を往復しているとの事。
上高地〜槍ヶ岳〜雲ノ平と歩き、最初はお父さん30Kg、息子は15Kgの荷物だったと。小学6年生の子供もよく頑張る。
ガスと霧雨の中、やっと高天原に到着。 高天原山荘に落ち着くと、さっそく今回のメインである高天原温泉にタオル一つで出かける。
この時間になると雨も止み、青空も出てくる。温泉迄下り20分、登り30分とあるが、実際はそれほどでもない。
温泉は野趣タップリの露天風呂で都合3ヶ所あるが、さすが女性用は簾囲いをしている。
混浴(女性は居ない)露天風呂は温泉沢の中ほどにあり、石囲いのみで脱衣場も無い、オール露天である。夜中ここで満天の星を仰ぎ見ればどんな想いがよぎるのだろう。
この山荘はランプの宿と称し、発電機は無く最低電源はバッテリーで補っているらしい。
勿論照明はランプが主力である、依って消灯は8時と少し早めである。
ここはメインの夏の縦走コースから少し外れているので、布団は1人に1枚の贅沢である。
コースタイム:
薬師沢小屋6:00〜8:15木道末端〜8:40アラスカ庭園8:50〜9:50雲ノ平山荘10:00〜12:20高天原峠12:35〜13:35高天原山荘(泊)    行動時間 7時間35分
8月2日(水)
山荘の横(南)に位置する高天原湿原をカメラに収めるべく高台に登る。こじんまりした湿原であるが、池塘と湿地から立ち上る薄いガスがたなびき一幅の絵である。
岩苔乗越へ向けて登るが、途中水晶池なる標識を見、予定になかったが池迄寄り道をする。
知識のない分期待もしていなかったが、予想に反し静かな水面に湖畔の木々を黒々と映し神秘の佇まいである。何より2人占めの空間が心地よい。
岩苔乗越までは岩苔小谷沿いの斜面をヘツリ登って行く。
乗越付近の鞍部には雪渓が残り、これから流れ出す沢水は正しく黒部源流の一角をなしている。
岩苔乗越にて雲ノ平組と合流する予定であるが、今日は天気、視界共に良く、合流には問題ないものと、祖父岳方面に視線を凝らしていると、オーイ、オーイと声が聞こえる。
紛れもなくなく東さんの声である。流石、人間拡声器その威力は黒部源流に鳴り響く。
結局ワリモ北分岐で合流する。無事に合流出来てホッとする。
稜線からは北部の赤牛岳、水晶岳や槍ヶ岳、黒部五郎岳のカールも綺麗に見えて満足。
鷲羽岳のピークで、水晶岳に行って来た峯さんにも出会う。
足場の悪い鷲羽岳の下り、鷲羽池を見て、足元と眼下の三俣山荘を交互に見ながら下る。
山荘着は13時前と早めだが、平均年齢71歳の我々にはこの時間の余裕が必要だ。
この時期の登山者の集中は致し方ないにしても、小屋の中ではいろんな不都合がある。その最たるものが布団一枚に2名の雑魚寝であり、思わぬ襲撃がトイレの臭いであった。
幸い布団に2名事態は避けられたが、トイレの臭いについては、人間が少なく利用がそれほどでない内は臭いも無かったが、トイレの利用者が集中すると、消臭能力を遥かに超え、嗅覚の我慢範囲を超えてしまった。
寝られるかと怯えていると、寝室エリアとトイレエリアを引き戸で遮断してくれた人が居り、どうにか寝る事が出来た。その機転を利かせたのは我がメンバーである。感謝。
コースタイム:
高天原山荘5:45〜5:50岩苔乗越分岐5:55〜9:15岩苔乗越9:20〜9:30ワリモ北分岐9:35〜11:00鷲羽岳11:35〜12:45三俣山荘(泊)   行動時間 7時間

8月3日(木)
昨晩のトイレ臭攻撃を無事やり過ごし、高山植物のお花畑はかくも有りなんと、心躍らせる三俣蓮華岳から双六岳の斜面と稜線歩きである。
快晴の下、三俣蓮華岳へ向け登りだす。登山道は幅広で石がゴロゴロと歩きにくい。三俣峠も近くになると、ハイマツ帯に入りメンバーの頭しか見えない。
三俣峠から上部の斜面にはシナノキンバイとハクサンイチゲの大群生がお花畑を成し、それに青空と雪渓が舞台となり足を止めさせる。写真には表現できない爽やかな風がお花畑を渡っていく。
三俣蓮華岳の山頂には ○年前に吉村君が担ぎあげた標識が、風雪に耐え満身創痍の姿で建っている。
三俣蓮華岳より双六岳の稜線歩きは展望に優れ、特に槍ヶ岳・穂高岳の展望が良い。
双六岳の頂上から双六山荘下りでは頂上台地が気持ち良く開け、一筋の道が通っている。
この道が槍ヶ岳へと伸びる写真となるが、今日は槍がガスに隠れ雄大な姿を見せてくれず、残念。暫く待つが、痺れを切らし双六小屋へと下る。
双六小屋には11時頃着き、行動食を摂る。この付近はクロユリの群生地であるが、通行する登山者は関心を向ける人も無く、意外な感じである。
我々は充分クロユリを堪能し写真を撮る。
福田さんと峯さんが辿ったであろう笠ヶ岳への道を、弓折岳ピーク手前の弓折分岐で別れ、今日の宿である鏡平山荘へと下る。14時前に着く。
鏡平山荘では三俣山荘からの団体と同じ行程で、少し混雑を危惧していたが、幸いな事に新しく増築された4人部屋にパーテイ全員が割り当てられ、6人には少し狭いが他に気兼ねなく使えるのでラッキーだった。
鏡平山荘の先に鏡池があり、槍から穂高までの山並みを映す。しかしこの日は生憎のガス日和で、池は正しく鏡面であるが主役の槍、穂がガスの彼方で見えない。
諦め切れずに待つこと1時間30分、厚く槍穂を覆っていたガスが動き、わずかに槍が見えるかとカメラを構えるもスーッと隠れ、日も暮れて時間切れとなる。
コースタイム:
三俣山荘6:10〜7:10三俣峠〜7:30三俣蓮華岳7:45〜8:55中道稜線分岐8:55〜9:25双六岳9:45〜10:50双六小屋11:35〜12:50弓折分岐13:10〜13:50鏡平山荘(泊)   行動時間 7時間40分

8月4日(金)
今日は山行の最終日。朝食を弁当にしてもらい、鏡平山荘より小池新道を下り左俣林道に出る。
わさび平小屋では新鮮なキュウリ、トマト、リンゴ、スイカ等が流水に冷やされており、思わず身体が欲しいと反応する。メンバーにトマト、リンゴを接待してもらい、野菜、果物の新鮮さが身体にしみる。
林道を暫く行き、笠新道の登山口(下山口)で、笠ヶ岳よりここを下って来るであろう福田さんを東さんが呼びかけるが返事はなかった。
新穂高温泉では温泉施設(中崎山荘・奥飛騨の湯)で汗を流す。いや〜気持ちが良い。
乗り合いバス1時間半あまりで高山に着く、その後現地解散。
5名は高山からJR を乗り継ぎその日のうちに長崎へと帰る。
コースタイム:
鏡平山荘5:00〜(途中朝食15分)7:50登山口(小池新道)〜8:05わさび平8:20〜9:30新穂高温泉(中崎山荘)    行動時間4時間30分
タイム:高山発13:31〜名古屋発16:13〜博多発19:55〜長崎着21:59
高山から長崎までのJR 移動時間 8時間28分

2017北アルプス例会感想

中島 泰子

46年間山岳会に在籍するも、北アルプス山行は数えてみるとわずか5・6回。
もっぱら写真とテレビで山を眺めていた。参加するに当たり、日々私なりのトレーニングを行い、幸い9kgの荷を背に歩き通すことが出来た。
祖父岳では360°北アルプスの山々を目にする。あれが槍ヶ岳だ、黒部五郎だ、等々。このころからようやく写真を写し始める。
花と、雪渓と、山々と青空を。充分楽しんだ73才の夏でした。
面白い出来事
1. 薬師沢への木道の手前でつまずき倒れ、笹の上をサーと滑り木の根にコツンして止まる。ザックが重くて起き上がれずバタバタしていると、東さん登場、ポパイよろしく私をザックごとサッと持ち上げ立たせてくれる。
2. 雲ノ平山荘で金木さんが腰を痛め、明日はどうなることやらと心配した。自分の治療のため金木整体師は腹這になり、「そこを2本の親指を重ねてグーッと押し上げ10秒!」等と指導、私が実行し、その他、湿布を貼り、コルセット、鎮痛剤など諸々の手当てで翌日彼は復活を果たす。
3. 今回東さんと私、黄色のウエア。休憩の度蜂や虫が二人に集中する。汗が甘いのだと云っていたら、居合わせた他グループの人が、虫は黄色に寄ると教えてくれた。皆さん知っていました?
山ではウエアは黄色以外がいいですよ。


初めての山域の縦走路を楽しむ

 今回の例会参加の想いは、三年前の夏山で西鎌尾根から槍ヶ岳を目指した際、次第に遠ざかる鷲羽岳・・・・懐のふかい雄大な雄姿は脳裏に深く残っている。
また、昨年北穂高から前穂高岳の縦走の時に西側にドーンと構えていた笠ヶ岳のかっこいい頂に立ちたい気持ちと、初めての山域に鎮座している山々に魅力を感じ、「時間、体力」等を考慮しコース設定のシミュレーションを繰り返すなか、「薬師岳、雲の平、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳、笠ヶ岳」の縦走コースを歩く計画をたてることにした。
 7月31日 7時20分、折立の登山口から初めての山域にはいる嬉しさ・期待と不安をよぎりながら一人歩きはじめたところ、横浜からこられた二人組に声をかけられ・・・、一緒に薬師岳をめざした。
テンポのいい歩きで薬師岳山荘まで楽しく歩くことができ13時20分到着する。
天気もいいので山荘のテラスで軽く食事・休憩中、室堂からテント等を担いで縦走してきた岳人(四人組)としばし情報交換後、薬師岳へと足をすすめる約1時間、絶景を楽しみながらゆっくり歩きます。
山頂で絶景を楽しんでいる方々と一期一会を楽しむ。また、薬師岳山荘ではいろんな方と情報交換することができ楽しい時間を過ごすことができた。
 8月1日 5時30分、雲の平山荘を目指して薬師岳山荘を出発です。
アルプスの山々の絶景を楽しみながら本隊パーティーが宿泊していた太郎平小屋を目指します。
薬師岳でお会いし三重県からきていた方が雲の平へ行くとのことでしたので一緒に歩くこととなる。
太郎平小屋に6時50分着、しばし休憩(朝食)と水分補給等をして・・・7時20分出発、昨日登った薬師岳の雄姿、アルプス特有の樹木、沢、お花等自然を満喫しながら薬師沢小屋を目指します。
薬師沢小屋に9時15分着、秋田からきた団体が休憩中です。沢のさわやかな音も消されるくらい元気な団体さんとしばし意見交換、出発しおわるまで結果として30分の休憩をとることとなる。
ようやく9時45分雲の平へ向けて出発です。急登を登りはじめたころから直ぐに団体さんに追いつき結果として前にださせてもらう。
約二時間岩の急登をあがっていきます。連れの方もよくついてきてくれてなんとか木道にでたところから景色が一変、今までのアルプスでは経験したことがない雰囲気の景色を写真におさめながら木道をゆっくりと散策しながら楽しむことができた。
日本の最後の秘境地といわれるくらいのなんとも言えない景色に雲の平に憧れる方が多いのも納得です。アラスカ庭園近くに団体さんが・・・・・、と近づくと、なんと長崎山岳会の本隊チームとバッタリです。
さっそく集合写真に合流させてもらった。私はここで休憩をとることにして雲の平山荘で落ち合うことに。
ここからは雲の平のお花畑に癒されながらゆっくりと山荘にむかう。13時10分 雲の平山荘に到着です。
薬師岳小屋からここまで一緒に歩いてくれた方がいて本当に楽しい一日が過ごせたことに感謝です。
 8月2日 朝4時山荘の外へでてみると雲一つない満天の星空で最高の天気の予感・・・?今日の予定は「祖父岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳」の縦走で休憩いれて9時間以上の予定なので単独での歩きを選択し、さっそくザックを部屋からおろして4時30分出発です。
まだ、薄暗いなか、途中朝食をとりながら祖父岳を目指す。
6時に祖父岳着、360度の絶景に最高の感激、特に、槍ヶ岳、穂高の山々、明日縦走予定の笠が岳、これから縦走する水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳を一望することができ、最高の絶景で約20分もここで過ごすこととなった。
ワリモ北分岐から水晶岳へと進み、水晶小屋前の休憩場所から「黒部湖、立山の雄山その左に剱岳、遠くには白馬岳、その手前には五竜岳、鹿島槍ヶ岳、針ノ木岳」等の山々が飛び込んできた。
水晶岳の頂へと足が進む。本格的な岩稜の登りと頂からの格別の絶景でしばし楽しませてもらったあと、絶景の余韻に浸りつつワリモ岳、鷲羽岳へと向かいます。
つぎは、正面には鷲羽岳、三俣蓮華岳、その奥に双六岳、笠ヶ岳等の山々が「待っているよ・・! 来るがいい・・ !」といわんばかりに・・・最高のステージのなかで縦走を楽しんでいる最中でした、鷲羽岳の頂上にアタックしているメンバーの後姿が目に入ってきました。よくみると「長崎山岳会のパーティー」です。
頂でお会いすることができ集合写真に仲間入りすることができ嬉しかった。行動食を軽くとり、次の山をめざすため先を急ぐこととした。
三俣山荘で水分補給と休憩後三俣蓮華岳をめざす。双六巻道分岐において、70歳越?の雰囲気の男性に三俣蓮華岳、双六岳へいきますかと声かけられ、案内するはめになる。双六小屋からアタックザックで巻道からきたとのことでした・・・・。
三俣蓮華岳の頂に立ち、歩いてきた薬師岳、水晶岳、鷲羽岳等の山々をしばし見つめる。本日最後の双六岳へ向けて途中黒部五郎岳分岐を確認しながら約1時間20分の縦走を楽しむ。
双六岳は2014年に頂に立っているので懐かしい気持ちを抱きながら最後の岩稜を登っていきます。
写真撮影後早々に双六小屋へと向かう、16時無事到着です。
 8月3日 4時30分 双六小屋出発です。
今日は例会参加者の福田理香さんと一緒に歩くこととした。
弓折岳、大ノマ岳、秩父平、抜戸岳を縦走しながら笠ヶ岳を目指します。
東側には槍ヶ岳、穂高の山々、雲海、日の出、雲海の滝等を楽しみながらの歩きと、沢山のお花畑がい つまでも続く尾根歩きには疲れも癒されるほど快適でした。
10時45分笠ヶ岳山荘着です。しばし山荘でゆっくりした後笠ヶ岳に登る。
残念ながら台風の影響からか暖かい風でガスのなかですが頂に立った感激を素直に喜ぶことができた。
8月4日 3時30分満天の星空でさっそく笠ヶ岳の頂を目指します。
が、風が暖かい? 4時には星空があっというまに見えなくなりガスの中です。
頂に暫くいましたが下山することとする。
標高差約1500mをいっきに下っていきます。
笠新道分岐、杓子平を経由して笠新道登山口に10時20分着、今回の長い縦走が無事完結したことの喜びと、例会参加にあたり単独行動を許していただいたことに、田尻会長はじめ参加者の皆さんには感謝したい。

参加者:
CL:田尻S、SL:金木、田尻H、峯、東、福田、川口A、中島H 計8名

折立〜雲ノ平〜ワリモ北分岐

金木

雲ノ平、北アルプスの秘境と言われたこの地は二十歳の頃より名は知っていた。
一度は登ってみたいあこがれの地、なかなか時間とお金が合わない。それがやっと古希にして実現するまでに五十年かかった。私の山行とはこういうものだ。まだまだ登りたい山がいっぱいある。
7月30日(日)長崎発、富山泊。 
7月31日(月)バスで折立へ。平日なのに登山者が多く、ほとんどが年配者。
ここで薬師岳へ登る峯さんが先発する。すぐに急登が始まる。
三角点ベンチという所に2時間かかって到着。初めて見る薬師岳、有峰湖。好天に恵まれ、湿気がないので気持ちがいい。多くの登山者が登ってくる。

ここで田尻夫妻が高天原に行く為、薬師沢小屋泊なので先行して別れる。
周りはお花畑、黄色のニッコウキスゲなどの鮮やかな高山植物が美しい。他のはなかなか覚えきれない。
五光岩ベンチという所に着くと田尻夫妻がいた。まだ居たのかと皆から言われ追い立てられる。

太郎平小屋にやっと着いた。ここは薬師岳、黒部五郎岳、雲ノ平への分岐点。
薬師岳は愛知大学山岳部員13人遭難という事故が冬山であったのを憶えている。50年以上前の話。
宿泊者は140人、食事は2班に分ける。就寝は6時早すぎる。

 8月1日(火) 起床4時、朝食5時、出発は6時。
尾根伝いに登れば黒部五郎岳、左に草原を下れば薬師沢へ。木道を滑らぬように左に進む。
第一、第ニ、第三渡渉点を通過、雨の時は水量に注意との事。谷間だから景色は良くない。
カベッケガ原の木道を過ぎた所が薬師沢小屋。田尻夫妻が前日泊まった小屋。
小雨が降り出したので長椅子でスパッツを着け立ち上がろうとした瞬間、右腰をギクッとやってしまった。
ウッと唸った途端、ザックを持つ手が止まる。このような痛みは初めてだ。大丈夫か。
目の前の鉄の吊橋を渡り、垂直の鉄の階段をやっと下る。これから雲ノ平までの急登が始まる。

ただの急登ではない。雨に濡れた丸い石。ここで滑って転んでは、おおごとだ。
時間がかかっても登りきらなくては皆に迷惑がかかる。2時間30分かかって木道に出た。よかった。
溶岩台地の雲ノ平末端、アラスカ庭園だ。ベンチで休憩していると峯さんが追い付いてきた。速い。
緩やかな平坦な木道を歩くと雲ノ平山荘に着いた。スパッツを脱いでいる時に又、腰にきた。
ザックを2階まで持って上がるのが精いっぱい。中島(泰)さんにマッサージ、シップ、痛み止め、コルセットとかいろんなものをしてもらうが、体を動かすのが大変だ。
明日はヘリコプターかと頭を掠める。しかし、朝になるとなんと痛みがとれていた。よかった、これで何とか歩ける。復活だ。
天気は最高、朝日が水晶岳から登っている。笠ヶ岳はここからは三角形に見えて槍ヶ岳と間違える人も。
 8月2日(水) 早朝福田さん、峯さんは笠ヶ岳へと向かう。残りのメンバーは5時45分山荘発。

木道を辿ると左にスイス庭園の池塘が点在する。右下には雲ノ平キャンプ場にテントが見える。
祖父岳への登りで休んでいるとパトロールの腕章を着けた2人が登って来た。すると石の間からビニール袋のごみを取り出した。なんと、登山者が捨てた物だ。ゴミは持って帰れ。

そして祖父岳頂上へ。良く晴れた展望、立山、五色ヶ原、薬師岳、黒部五郎岳、目前にワリモ岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、三俣山荘、遠くに双六小屋が望まれる。
休憩の後、高天原から登って来る田尻夫妻と会えるであろう岩苔乗越へ向かう。目の下の岩苔小谷を登って来るはずだが、そうはうまくいくはずがない。1パーティは見えるが他は見えない。

取あえず試しに東さんに特技の大声で叫んでもらう。
「おーーい」「おーーい」「おっ、東さん返って来たバイ。ほら、博子さんが手を振っとるたい」「どこね?」「ほら、雪渓の角の所で二人手を振っとるたい」「わからん」本当にここで会えるとは思っていなかった。
「ここで待とうか?」「時間通り歩こうで」女性は冷たい。結局ワリモ北分岐で待つ事に。ここは裏銀座縦走コースである。
コースタイム:
7月31日(月) 折立発7:35〜9:20三角点ベンチ〜13:00太郎平小屋(泊)
8月1日(火) 太郎平小屋発6:00〜8:30薬師沢小屋〜11:30雲ノ平アラスカ庭園木道〜13:30雲ノ平山荘(泊)
8月2日(水) 雲ノ平山荘発5:45〜7:50祖父岳〜9:15ワリモ北分岐(田尻夫妻と合流)

参加者:
CL:田尻S、SL:金木、田尻H、峯、東、福田、川口A、中島H  計8名