第1677例会 井原山

石川 純子

昨年7月オオキツネノカミソリを楽しんだ井原山、春の花もたくさん見られるとの情報に再びの例会を組むことになった。
4月12日(日)薄曇り
 ちょっと冷え込んだ朝、長崎道今村PAに車4台16名が集合する。4月入会で例会初参加の新人さんと萩原さんの友人が参加とあって簡単な自己紹介のあと7:30出発する。
早くも咲き始めたフジやキリの花をめでながら高速を佐賀大和ICで降り、勝手知ったる三瀬街道を北上、産直「マッちゃん」でトイレを借り新村橋へ向う。
 橋のたもとの広くなった所へ駐車し、水江体操で体をほぐし9:00出発する。車道を少し歩きチェーンのところで林道に入り、一段と古びたログハウスを左に見てまもなく、登山口の標識から山道に入る。
まだ草も茂ってなく歩きやすいが、沢沿いの杉林の道になると歩く人も少ないようで手入れもされておらず、苔むした杉の倒木を跨いだり潜ったりしながら登って行く。やがて急な斜面をひと登りで三瀬峠〜井原山縦走路の新村別れに着き(9:45)一息入れる。
 ここで土と同化しているようなツクシカンアオイ(ウマノスズクサ科)の地味な花を見て、ここからが勝負!と水無側へと下り始める。
しばらく下ると先頭の「ある、ある――ニリンソウ!」の歓声。あっちにもこっちにも小さな白い花が一輪ずつ、もしかしてイチリンソウ?だがよく見るとわきに二輪目が蕾でひかえている。なんとこの双子は時間差で咲くらしい。すでに二輪とも咲いているのもあるし、なかには一輪だけで終わるものや三輪のものもあるらしい。ニリンソウ、イチリンソウともにキンポウゲ科だ。
ネコノメソウやコチャルメルソウ(ともにユキノシタ科)の地味系にジロボウエンゴサク(ケシ科)の赤紫の花も混じる。
涸れ沢のガレ場の道は濡れて足場が悪いが、下るほどに広がっていく谷間はニリンソウで埋め尽くされているではないか!その上の斜面には夏の花を約束するようにオオキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)の葉が緑濃く茂っている。
よく見るとこれも地味系のツクバネソウ(ユリ科)の緑の花がおとなしく咲いている。ヤマエンゴサク(ケシ科)の青紫の花もなかなかきれいだ。所々に落ちたヤブツバキの赤がアクセントを添える。
さらに下るとほころび始めたイチリンソウ発見。数は少ないがニリンソウより花が大きく、葉も複雑に切れ込んで大きい。
間もなく水無鍾乳洞第二洞分岐に着き野河内からの道と合流し休憩する。このあたりを中心に夏のオオキツネノカミソリに代って今はニリンソウの天下だ。
 ここから沢ぞいにゆるやかに登って行く。

イチリンソウ

ニリンソウ
イチリンソウも増えてきて実物を観察すると、今まで曖昧だったニリンソウとの違いが一目瞭然、しっかりインプットした(つもり・・・)。
ラショウモンカズラやカキドオシ(ともにシソ科)の紫の花を見てアンの滝分岐を過ぎるとニリンソウもだんだん少なくなり、尾根道に取り付く。美人のエイザンスミレ(スミレ科)も幾株か現れ心を満たされる。
まだ芽吹く前の明るい雑木林の柔らかな雰囲気にたっぷり浸りながら最後の急登をがんばり一休み。ここから傾斜も緩くなり10分ほどで縦走路に出て、足元のかわいらしいスミレやまだかたい蕾をぎっしりつけたコバノミツバツツジ(ツツジ科)の道を西へ5分程で井原山(983m)に着いた(11:50)。
 頂上の広場でゆっくりとランチタイム。うす雲は多いが所々青空がのぞき、西に雷山、羽金山、北に糸島、玄界灘、博多方面、東に金山、脊振山など展望を楽しみ、記念撮影をして下山する(12:30)。
 新村分れまでの縦走路で見かけたマンサクに似た黄色い花はアブラチャン(クスノキ科)のようだ。下りは早く、1時間程で登山口に着いた。
新村橋で水江体操でクールダウンしやまびこの湯で汗を流して解散、それぞれ帰路に着いた。
 気をもんだ天気は薄曇りながら雨の心配もなく、登山者もそこそこで大パーティと行き交うこともなく、ニリンソウの群落をはじめたくさんの春の妖精に出合い、笑い始めたばかりの春山の魅力を存分に味わえた例会だった。
車を出し運転して下さった方々、ありがとうございました。
コースタイム
今村PA 7:30=佐賀大和IC 8:15=8:50新村橋 9:00−9:45新村別れ9:50−10:25水無鍾乳洞第二洞分岐10:35−アンの滝分岐10:45−11:30休憩11:35−11:50井原山12:30−13:45新村橋
参加者
CL石川S、SL倉嶋C、萩原、金木、松田、田尻S、田尻H、峯、碇、川口T、川口A、水江、石田、倉嶋T、中島H  計15名 会員外1名