第1660例会 国東半島の山

西川 陽

 国東半島例会は2001年以来 今回で5回目。
登山対象は過去の例会を参考に 岩尾根歩きが楽しめ、仏教文化の国東らしいと思われる「田原山(通称:鋸山)」「千灯岳」「中山仙境(夷耶馬)」とした。
例会参加者は11名。
▼9月21日(日)晴
 国体委員会出席のため出発が午後となる山上・田尻さんを除く9名(車2台)で8:00今村PA出発。
高速・宇佐別府道路の大分農業公園で降りて杵築市の鋸山(のこぎりさん)駐車場へ11時過ぎに到着。
ここで湯布院在住の西川葉子さんが加わり 車を下山場所へデポ、早めの昼食を取り10名で11:55登山開始。
杉が伐採された山道を登り、最初のピークの大観峰(542m)へは13:00着く。
ここから山頂の八方岳へよじ登り、国東の山々を望見する。晩秋であれば オオコマユミの紅が奇岩怪石の山を彩るといわれているが、岩尾根が続く景観は一味違う。
北側に太陽石や衝立岩・こけし岩などの 奇岩怪石を見ながら慎重にやせ尾根の上り下りを繰り返す。
時間的に余裕があったため休憩時間も十分にとって1.2Kmあるという岩尾根歩きを堪能した。
その後、雑木林の斜面を下り、下山口の「熊野磨崖仏」へ。
熊野磨崖仏は平安時代後期の作で日本の石仏の中でも最大級の国の重要文化財。
約8mの「不動明王」と6.8mの「大日如来像」を拝み、鬼が一晩で作ったといわれる、なんとも歩きづらい99段の石段を下り、出発地の鋸山駐車場へは16:00に帰着。
 ここで葉子さんと別れ、宿泊地の「横岳自然公園」へは17:00前に到着、山上・田尻さんは既に待っておられた。
宿泊は浴室、炊事設備・冷蔵庫付の2階建てのログハウス、食当が腕を振るった豪華な夕食を満喫。
台風16号の影響で23日は雨との天気予報から、「22日に残りの二つの山を登り、23日は観光」と翌日以降のスケジュールを決定。
夜は贅沢にも?備え付けの布団で寝た。
9月22日(月)曇りのち晴
 6:00起床。朝食後、20分程度「栗拾い」。これが翌朝の「栗ご飯」となり食当に感謝。
7:50出発。登山前に国東六郷満山の中心「両子寺」参拝。
仁王門の二体の石像仁王は必見の価値あり。2001年例会同様、ここで写真を撮り千灯岳へ。
千灯岳は不動口より9:50登山開始。丸木段から馬の背を登ると五辻不動尊を奉る先鋭の不動山であるが、この海岸側の岩場に、海を見下ろす男性の等身大の鉄像が設置されていた。
作者は大英博物館理事の英国の彫刻家A・ゴームリー氏。自分自身の体に石膏を塗りつけて型取り・制作されたもので、今年2月に設置された由。
この場所は修験僧が歩く峯入りの道であるが、「仏の里・国東にも現代芸術が・・」と時代の流れ・変化を感じた。
(ちなみに10・11月の2ヶ月間半島6箇所で「国東半島芸術祭」が開催され6プロジェクトに著名なアーチストが参加されるとのこと)
不動山横から見通しの利かない杉林の中を鹿除けネットに沿って歩き林道に出る。
ここから直登となり、喘ぎながら登り11:45山頂着(605m)。山頂は広場となっているが 展望は樹木に遮られよくない。
ここで昼食をとり12:15下山開始。下山口の赤根登山口に、待機の中島車で不動口まで車を回収に行き、赤根から次に登る「中山仙境(夷耶馬)」へ移動する。
車利用の縦走である。
 中山仙境は防中登山口・公園駐車場から13:15出発、林の中から岩稜帯になるとアップダウンの繰り返し、鎖のついた急崖も多い。
周囲の景色は一変、北側の山も奇岩を抱いており見応えがある。
約45分で有名な「無明橋」を渡る。無明橋は2枚の石を合わせているだけの構造であるが、「警告:H26年3月14日の地震により損傷発生、通行禁止」の標示がされていた。
渡った後に気がついた人もいたが全員無事通過。その後も、やせ尾根を注意深く歩き ピークの高城(317m)には15:15着。
この頃には午前中からの登山の疲れも出てきたが、最後の踏ん張りで急崖や崖に面した細道を慎重に下り、(幸いにも他の登山者?対向者?と会わず)16:20に下山口に到着。
 登山後は温泉「真玉スパランド」に直行、入浴後、宿泊地の「長崎鼻キャンプ場」へは18:00着。
ここは周防灘に面した海岸のリゾート地。横岳と違って部屋のみのバンガロー2棟に泊まる。
ハードなスケジュールで夕食が遅くなったが 冷えた3L缶入り生ビール2本は2つの山歩きで疲れていただけに、おいしい料理と共に格段にうまかった。
9月23日(火)天気は予想に反して晴れ。
 この日は観光。8:40出発。まず、豊後高田市の「昭和の町」へ。有料施設には入らずに古い商店街を散策後、「富貴寺」へ。
国宝の大堂を拝観後 境内の大イチョウの下で銀杏拾い。
昼食は寺に隣接する店でそば職人の見事な手さばきを拝見後、三たて(ひきたて・打ちたて・茹でたて)のそばを頂く。
食感極めてよし。午後からは「真木大堂」拝観。木彫不動としては日本一という不動明王像は迫力満点。
その後、全国4万以上という八幡社の総本営である「宇佐神宮」参拝。広い境内を歩き14:30現地解散、18:00過ぎに長崎帰着で例会を終えた。
 結果的に「登山2/3、観光1/3」で「好天下・初秋の国東半島の西半分」を駆け抜けた例会となったが、(車走行距離695Km)参加者11名の平均年齢は69.5歳。
(参加人員二桁の例会では最高年齢例会であろう。) ベテランの味を遺憾なく発揮され、会を盛り上げて頂いた各担当の方々をはじめ、自己のペースを守り、ケガなく元気よく行動された皆さんお疲れ様でした。

スナップ集

    

イヨフウロ

ヤマハハコ

タンナトリカブト

カワミドリ

ギボウシ

コースタイム
9/21(日)
鋸山駐車場発11:15→大観峰13:00→八方岳山頂13:15→囲観音分岐14:15→熊野磨崖仏15:10→鋸山駐車場着16:00
9/22(月)
千灯岳…不動口発9:50→林道出合10:43→千灯岳山頂11:45→山頂発12:15→
    赤根登山口着13:00
中山仙境…防中登山口発13:55→無明橋14:38→高城(山頂)15:15→下山口着    16:20
参加者: CL西川A、SL西川I、山上、中島Y、田尻S、石川S、栗崎、中島H、中村E、川口A、石田 計11名  9/21西川Y