第1649例会 尾瀬(ミズバショウ)

川口 綾子

 

尾瀬沼と燧ケ岳
尾瀬でミズバショウを見たい、そこで「夏の思い出」を歌いたい。そして東北で一番高いといわれる燧ヶ岳を登ってみたい。これが目的。今年は雪が多いという。大丈夫かな?6月の山。
尾瀬御池ロッジに電話して、雪の状態と登山道の様子を伺うと、雪は多いけれども軽アイゼンでOK。見晴新道は去年の台風で道が壊れ、ナデッ窪は多雪で歩行禁止とのこと。
仕方なくコースの長い長英新道に決定。下りの滑落防止のために、あえて登りの長くて急な御池からの登山となった。安全に楽しく姦しく?さあ行くぞ!
6月2日(晴)
長崎をAM8:35機上の人となり、尾瀬スタート地点、村営尾瀬御池ロッジに16:40到着する。今年は雪が多い。ロッジの周りの残雪とミズバショウの歓迎を受け、明日からの山に期待し、ビールで乾杯!
6月3日(晴)
 7時出発。駐車場奥の登山口からすぐ木道に残雪。
白樺の林を30分も登ると雪渓が現れた。雪が腐っており、急だったので軽アイゼンを着ける。
この登りを終えるとアイゼンを外す予定だったが、この雪が広沢田代まで続く。こんな下から雪の上を歩くなんて予想もしていなかった。あまり人も歩いていないせいか、足跡を見つけながら急な傾斜を登る。
雪道だから直登だ。皆、元気! 
広沢田代は湿原でミズバショウ、ショウジョウバカマ、ワタスゲなど初夏の花が咲き、気分が和む。広沢田代を抜けると、又、雪の道。
人が通っていないせいか、道を見つけるのが難しい。足跡を頼りに歩いたら、熊沢田代の上に出てしまった。ハイマツの上を踏んで熊沢田代に下りた。
湿原に雪はなく、ここで燧ヶ岳を望むことが出来た。
燧ヶ岳直下の急な雪渓に長いトラバースが見える。あそこで滑ったら新聞に載るな。
熊沢田代を過ぎたらやはり雪、思ったよりも急な、長い雪の登りが終わると、大きなひろい雪渓を2つトラバース。SLの「緊張して!」の声を聴きながら、無事渡る。
頂上5分前まで雪。なんてこった。
 岩道をちょっと登り、燧ヶ岳俎ー頂上となる。頂上には3組ほどのパーティがいた。全員若い。
アベックは雪渓のトラバースを避けてハイマツをかき分けて登ってきた。よく頑張ったもんだ、私たち。
頂上からは、もう一つの頂、柴安ーが雪をまとって近くに見える。が、もう行かないことに全員決めた。もう雪はいい!
頂上から遮るものは何もない。眼下に尾瀬沼が見え、今日の宿泊地が遠く、遠くに見える。尾瀬ヶ原はかすんで見える。その向こうに至仏山がドーンと山すそを広げて構えている。(7月1日まで登山禁止)山頂の景色を楽しみ、アイゼンをはずして長英新道を下り、今日の宿尾瀬沼ヒュッテに向かう。
 ミノブチ岳まで20分、土の道。また長い雪の道になるなんて。下ること3時間、木立の中をテープとアベックを頼りに下る。
途中滑ったついでに、尻セードを何度も楽しみ、中々着かない尾瀬沼目指して、歩く、滑る、歩く。
浅湖湿原まで雪道、もう沢山だ!と思ったところで尾瀬沼が現れた。平坦な道とミズバショウと初めて見るリュウキンカ、霧の尾瀬沼、なんと美しい風景であろうか。皆、写真タイム。
ヒュッテに入り、ホッとしたら外は土砂降り。尾瀬沼ヒュッテで今日の健闘を祝し、ビールで乾杯!今日も元気だ、ビールが旨い!

栗崎 千栄子

6月4日(晴)
 昨日夕方降った雨も上がり、窓の外は霧。全員5時には自然に目が覚める。
 6時尾瀬沼ヒュッテ(国民宿舎)の朝食。ボリュームもあり美味しい。 燧ヶ岳を背景に7時宿の前で記念写真を撮り出発。
 まず孝さんが見つけていた釜ツ堀湿原に行くと、沼とたくさんのミズバショウ!!!皆で歓声をあげて早速撮影タイム。霧に浮かぶ風景も素晴らしく、木立の間から朝日が斜めに射し込んでいて、これを写真に映せるかしら?と言いつつ撮る。
ヒュッテの方に戻り沼の北側へ。これから延々と木道が続くことになる。濡れていて、滑り易い。
まだ両側に雪が残っている。昨夕やっと見つけて安心した長英新道と沼尻の分岐を通り、1時間程で沼尻休憩所へ。パンや飲物、軽食があり、トイレは100円入れて利用するが、綺麗だし納得の金額。
ここから沼を離れて見晴に向かう。次々とミズバショウが現れて、本当に今季一番の見頃。白はあくまでも白く、緑の葉に守られて、大きさも様々、リュウキンカの黄色の花も、今を盛りと咲いてる。
 沼尻を出てしばらく行くと、雪の残る白砂峠(白砂乗越)ツアーの団体さんとすれ違う。「私達、雪には慣れてるもんね!」等言いつつ、団体さんに歩き方のアドバイス等もする。ここが尾瀬沼と尾瀬ヶ原との境界になる。まだ雪の残る滑りやすい急坂をひたすら下って行く。
 雪がなくなった頃見晴に到着。ここには尾瀬小屋始め100人以上収容の山小屋が6軒もあり、大休止しておやつタイム。可愛い外人女性がベンチに居たので「ハーイ!」と挨拶。
ここからはもう雪もなく、湿原にはミズバショウ・リュウキンカの他にショウジョウバカマ・ワタスゲ・タテヤマリンドウ・ミツガシワ等など。
 ここから北へ。東電小屋分岐を右に行けば、赤田代〜三条の滝があるそうだが、私達は左に折れ東電小屋へ。ここで昼食とする。ツバメが飛び交い、山桜が満開。荷揚げには今もボッカの人が頼り。60〜80`担ぐらしく、10`足らずでブツブツ言うなんて〜と我が身を反省。
東電小屋を出てすぐの木道で、見晴で会った外国人女性と幾恵さんが会話していた。すごいな〜と思ったら日本語だった。皮の剥がれる木(ダケカンバ)を初めて見たそうで、フランスにはないとの事。
又途中2箇所に鐘が吊るしてあり、熊よけの為に、鳴らして下さいと。本当にクマが居るんだ!!と皆で盛大に鳴らす。 この辺りは7月になると、ニッコウキスゲの群落になるらしい。ヨッピ吊橋を渡り中田代に入る。竜宮十字路に着いて小休止。
 山の鼻迄4.4`。泰子さんがテレビで見たからー捜そうとー(あった!)本道から脇道を少し行った所に、渦巻いて吸い込まれる龍宮の入口。又本道に戻り少し行った反対側に湧き出る泉の龍宮の出口。
澄んだ水の中に大小のイワナがたくさん。(ここのイワナは誰にも獲られないから、食べられずに魚生を全うできるんだ・・。)
 至仏山がどんどん近くなり、対角線上の燧ヶ岳はどんどん遠くなる。至仏山を真正面に見ながら牛首分岐を通過。もう写真も撮り飽き、木道しかない道を2万7千歩程歩いた。午後2時半山の鼻到着。 
今夜の宿は尾瀬ロッジ(国民宿舎)。4時から風呂なので、ビール、アイスで休憩。
女将さん手作りのグレープフルーツの砂糖煮が美味しかった。 石鹸は使えないがたっぷりのお湯で汗を流し、今日も生ビール付きの夕食後、早々に就寝したのでした。
尾瀬の山小屋は値段の割に(9000円)清潔で食事も美味しく、快適でした。

至仏山がどんどん近くなり
燧ヶ岳はどんどん遠くなる

川口 綾子

▼6月5日(小雨)
 朝食の前に山ノ鼻田代を散歩する。これでもかと言わんばかりに咲き誇っているミズバショウ。朝食を頂き、小雨の中を鳩待峠ヘ6時50分出発。ゆるい傾斜の木道を歩き8時10分到着。最後までミズバショウが私たちを送ってくれた。

 コースタイム
6/3 尾瀬御池7:00〜8:30広沢田代8:45〜10:10熊沢田代10:20〜12:30燧ヶ岳俎ー12:50〜ミノブチ岳13:10〜15:40分岐〜16:10尾瀬ヒュッテ(9H)
6/4 尾瀬沼7:10〜8:10沼尻休憩所8:20〜9:25大清水分岐9:35〜10:00見晴10:20〜11:10東電小屋11:35〜12:20竜宮十字路12:35〜14:30山ノ鼻尾瀬ロッジ(7H20M)
6/5山ノ鼻6:50〜鳩待峠8:10(1H20M)
参加者
CL川口A、SL川口T 、中島H、栗崎、西川I 計5名