第1647例会 中国山地

川口 孝

 2014年GWは昨年に引き続き中国山地・広島県民の森をベースに周辺の山々を歩くことになった。
5月3日(快晴) 田尻車、西川車、川口車に乗り合わせて今村PAに8時集合、皆さん元気で楽しい山行になりそう。長距離走行を楽にするため昼間の移動で計画しており運転者はだいぶ楽になる。
最初の集合場所を王司PAと決め快調に走行していると、金立を過ぎた辺りで下り車線で事故がありこの影響で渋滞が始まっている。渋滞を横目で見ながら走り続けると大宰府IC近くまで続いていた。
皆さん大変ですねなどと話していると、福岡ICを過ぎるころから我々の上り線でも渋滞が始まった。道路情報によるとこちらも事故渋滞で金剛山トンネルを過ぎる辺りまで続き、県民の森到着が予定より約1時間以上も遅れることとなった。
入園手続き後常設テントに移動、夕食後8時ころには就寝、この夜はひどく冷え込んだ。
5月4日(快晴) 今日の予定は牛曳山から毛無山の縦走であったが、明日の天候が悪くなる予想のため、船通山を先に済ませようとの話になり7時にキャンプ場を出発する。
途中の道路は、桜や家々の庭先の花、芝桜の絨毯等目を楽しませるものが沢山有り退屈はしない。
登山口の駐車スペース(亀石コースとの分岐)に8時過ぎ着、家族連れの登山者が多く車がすごく多い。
登山口で記念写真を撮りゆっくり組4名と分かれて鳥上滝コースから登山開始。
 更に上にある駐車場までの車道をしばらく歩き登山道へ入る。柔らかく芽吹いた新緑の中の道をゆっくりと登っていく。
途中の鳥上滝には古い話もあるそうだが、滝の姿としてはいまいち。
沢筋から急坂をあがり、稜線に出るとお目当てのカタクリが見え始め頂上近くになるとまさにカタクリロード。ややピークを過ぎている感はあるがそれでも見事である。
 頂上で昼食を済ませ、後発のゆっくり組を待つ間に花や展望の撮影をしていると頭上の空高く彩雲が出ているのを発見。大きな日輪も出ておりちょっとした昼間の天体ショー。
 一時間ほど頂上で過ごし下山を始めるころ後発の4名も到着し、全員登頂を果たした。
下りは亀石コースをたどり、最後の車道歩きにいやになるころ駐車場着。先発組は途中で山菜を取ったり、直売店できのこを買い込んだりしながら先にキャンプへ帰る。
到着順に風呂を済ませ夕食の準備。夕食は散らし寿司や帰りに手に入れた山菜やきのこ等盛りだくさんで楽しい食事でした。
5月5日(小雨後曇り)  今日は朝から雨模様だが午後にはよくなる予報なので、昨年の例会で行っていない牛曳山から毛無山への縦走を計画した。
体調が悪い2名にテントキーパーをお願いし、8時35分キャンプ場出発。県民の森への車道をしばらく下り左手の牛曳山登山口への林道に入る。5分ほどで登山口となりこの先にこの辺りでは珍しい白樺の純林がある。
白樺は南限が静岡県、西限が福井県となっており、ここの白樺は展示林として植林されたものらしい。白樺林を過ぎ牛曳滝の横のジグザグを急登し源流を横切ってぶな林が続く稜線へ出る。
道の脇はミヤマヨメナロードになっているがまだ時期が早く花は見られない。伊良谷山への標識付近が牛曳山だが頂上がはっきりとしない。頂上を探して三井野原方面へ行ってみたがピークは見当たらないため、標識の近くまで戻り頂上だろうという場所でエネルギー補給の休憩。
この頃からガスが上がり始め、次第に展望が開けだす。ガスの流れと新緑の緑が美しい。
休憩後、草花を愛でながら伊良谷山へ向かって縦走開始。伊良谷山で小休止後毛無山へのんびりとした稜線歩きである。
毛無山山頂で記念撮影、小休止後出雲峠へと下る。縦走路は全般的に良く整備されており快適に歩くことができる。
出雲峠ではきれいな桜の花に出会いしばしの撮影タイム。
ここで比婆山まで廻る組とこのまま下山する組に別れそれぞれに出発する。キャンプ場までの道はけっこう長く、いやになりかける頃到着、留守番組の出迎えを受ける。
 比婆山組は2時間後に全員元気に帰着。夕食は特製カレーと山菜の炒め物など色々な献立で食当さんの苦労に感謝。
5月6日(晴れ) 昨夜遅く、県外会員の吹野さんが宮崎からの帰りに立ち寄っており、朝からそれぞれにご挨拶。久しぶりの再会に皆さん大喜び。そろって朝食を済ませ帰りの準備に掛かる。
 積み残しが無いかの確認、吹野さんへのお別れを済ませ8時30分一路長崎へ向けて出発。帰りの高速は渋滞に会うことも無く順調の走行し、王司PAで特製ラーメンの昼食。大なべで作ったラーメンを皆さん精力的に消化し大満足。次の集合地、金立SAで清算と解散式をしそれぞれの車ごと帰宅の途についた。

太古の伝説を秘めた比婆山連峰〜後半編〜

福田 理香

 私たち“silent group”は出雲峠で、キャンプ場直帰組と別れ[13:05]、烏帽子岳に向かうブナ純林の上りを粛々と歩き始めた。牛曳山、伊良谷山、毛無山のコースよりさらに新緑の芽吹きが遅いようである。
空気も冷たい。そのまま、粛々と歩みを続けると、白いものが…残雪である。日の当たらない谷間のため、雪解けが遅かったのであろう。春の訪れが遅いのも頷ける。
そうこうするうちに、烏帽子岳に到着[13:50]。もうすっかり視界が開け、どの方角も見渡すことができる。
 比婆山連峰は、古事記にも出てくる山であり(もっともらしいことを言っているが、日本史が大嫌いであった私はとんと知らなかった)、これにまつわる巨石、奇岩がたくさんあるそうである。
烏帽子岳山頂にも烏帽子岩と条溝岩があり、うんちくが書かれてある案内板を「ふむふむ」と一読し、比婆山御陵へと向かう。
20分ほどで比婆山御陵に到着[14:25]。伊邪那美命の御陵と伝えられる苔むした巨石が横たわっている。
伊邪那美命は、日本神話に “国生み、神生みの女神”として登場する方である(あ〜これも知らなかった…)。その方のお墓であればもう少し大事に祀られてもいいのではないかと思われるぐらい、粗末というか雑然というか…薄暗く湿っぽい中に苔むして横たわっているのが、きっと神秘的な空気を醸し出すのであろう。
しばらく日本神話の気を感じた後、キャンプ場に向けて下山開始[14:32]。
途中、また残雪発見!雪山気分?で悦子さんが写真に納まる。
 “silent group”は粛々と下山を続けるが、そろそろお腹が減ってくる。「今回のように行動食を食べつくしたのは初めてだ。なんも残っとらん。お腹減った!」とは、綾子さんと悦子さんの弁。
 下山は“食料の調達”という重要な任務も課されている!?ターゲットは“ワラビ”。山菜も日本史同様よく分からないのであるが(比較の対象でない気もするが…)、ワラビだけは子どものころ父に連れられてよく採りに行っていたので、これだけは幾恵さんに勝つ自信はある。
途中、下山コースが二手に分かれていたが、迷わずスキー場経由のコースをとる。ワラビの匂いを感じたためである。
しかし、シダの葉っぱの1本さえも見つけることができない。昨日の船通山でもそうであったが、ワラビが育つ環境ではないらしい。つまんない。収穫もなく、お腹が減ってますます口数が少なくなってきたところで、最後の休憩。
博子さんからイチジクのワイン煮(ちょっと大人の味でした)の配給があり、元気を取り戻し下山再開。もう食料収穫をあきらめかけていた時、崖の上に2本のワラビを目ざとく発見。
石川さんと二人で10mほど戻り、崖の上にあがって収穫。スキー滑走コースの間に残されている雑木林なのでたくさんあることを期待したが、結局ここの収穫も5本であった。
 藪こぎをして崖から脱出し、無事に下山コースに戻る。この間のルートを切り開いていく石川大先輩の背中は“広く大きく”、そしてなんとも頼もしかった。
その後、食料調達係の使命感からか(いつから“係”になったのか)、石川さんがイタドリを発見・収穫し、キャンプ場に無事帰還した[15:40]。
 古事記の勉強をし、残雪をみて、最後はサバイバルで閉め、充実した2時間半であった。
コースタイム
5/3:今村PA8:00=16:20キャンプ場
5/4:キャンプ場7:00=8:15登山口8:30〜9:30鳥上滝9:37〜10:25船通山11:30〜13:00登山口13:10=14:20キャンプ場
5/5:キャンプ場8:35〜9:35白樺林9:40〜10:50牛曳山11:10〜11:30伊良谷山11:35〜12:18毛無山12:40〜13:00出雲峠13:05〜13:45キャンプ場
5/6:キャンプ場8:30=16:30長崎

参加者
CL田尻H、SL川口T、中島Y、中島H、西川A、西川I、川口A、石川S、栗崎、中村E、
福田、内山
計12名