第1644例会 屋久島縦走

中村 沢子

 ついに念願の屋久島。希望を出して例会にしてもらったため、サブリーダーを頼まれてもノーと言えずに引き受けることに。無人小屋?トッピー?民宿?なんだか初めてのものばかりになりそうだ。十分計画する時間はあったはずなのに気づけばもう当日。
4月19日(土)
 早起きは得意?だが、予定より15分早い4:30に金木車があらわれ、あわてて準備を終わらせる。まだあたりは暗闇のせいか田尻車はいつもの目印の黄色の家が見つからず?近くのコンビニで全員集合することに。
配車は田尻車と沢子車の2台、参加は田尻ご夫妻、金木さん、石川さん、朋子さんと私の6人。天気はまずまずのスタートだった。
鹿児島港では駐車場を探すのにてこずったが、無事に45分程前にトッピー待合室に到着した。会費の集金を済ませ、チケットを窓口でゲット。トッピーは種子島経由で安房港に到着し、安房港からタクシーに乗り込む。
小雨の中、ヤクスギランド入り口と紀元杉などを通り、無事に淀川登山口に到着したのが14:30。買ったばかりの55Lのザックを担ぎ、淀川小屋まで45分歩く。この日の淀川小屋の宿泊客は12名。
おしゃべりおじさん、関西からのご夫婦、最後はオーストラリアからの若いカップルも到着。オーストラリアから大阪経由で屋久島をメインに来日したらしい。やっぱり世界遺産だけあるなぁ。ちなみに二人の夕飯は豚骨ラーメン。なかなかの心得と感心する。またそれを固形燃料で調理しているのが珍しかった。
一方我々の夕飯は朋子さんと博子さんプロデュースでアルファ米のちらしずし、豚汁、魚肉+チーズのサラダ。朋子さん・博子さんについて歩けばいつもおいしいものを食べられるんだなーとあらためて実感した初日の夕飯でした。そして18:00就寝。やはり山の夜は早い。
4月20日(日)
 2日目。4:00起床。朝ごはんは博子さんプロデュースでパン、紅茶、コーンビーフとチーズ。
おしゃべりおじさんたちからの情報では今日のコースは雨のためかなり困難な感じだ。コースを続けるか、引き返して今日は宮之浦港の民宿まで行き明日あらためて縄文杉コースに臨むか。
私は軟弱コースはいつでも大歓迎だ。難しいコースを気合いで乗り越えるタフさはもともと持ち合わせてないらしい。(大きな声では言ってはいけないが。)しかし、屋久島に雨はつきものと計画を続行する。
6:15出発。前日は透き通ったような淀川も雨のせいですっかりグレーに。山の景色は瞬間で変わるのだなーと実感しながら小雨の中を歩く。
花之江河に8:05に着きすこし休憩。ここは2800年前にできたらしい高層湿原。同じ山でもコースを進むたびに色々な顔をみせてくれるのが山登りの魅力だ。屋久島ではこの後どんな景色が待っているのだろう。
今のところ雨はたいした問題ではないが、55L、10Kgのザックは思ったよりも不安定で、雨水がたまった道を右左と大股でいこうとすると左右におおきくふられバランスを崩しそうになるので油断は禁物。
途中ヤクザルの歓迎を受け、ヤクシカも近くで挨拶する。屋久島の自然と動物に魅了されながら宮之浦岳に到着すること時刻は10:50。九州一の高さだが、残念ながら雨のため景色は見えない。
早々とコースを続け、宮之浦岳から2時間半、新高塚小屋に13:25着。
無人小屋体験は2回目である。天候のため宿泊客は少ないだろうとの我々の予想はすっかりはずれ、次々と団体が到着してくる。30人ほどの宿泊客で小屋は大賑わいだ。
この日のメニューは私と博子さんプロデュースでアルファ米とフリーズドライのカレーにサラダ。カレーは思ったよりも好評でほっと胸をなでおろす。一応サブリーダー的なことができてるのかしら。
今回は久々の山登りと一回り大きいザックを担いでいるため、体力不足を明白に感じる。やっぱり40歳過ぎてからの体力づくりは大変なのですよ。明日は気合いに頼ってなんとか歩き切ります。
4月21日(月)
 3日目。5:00起床。
早くから団体グループが騒がしく出て行ったあと、我々は朝食を済ませ7:00発。雨も何とかおさまり、今日こそカメラで撮影ができそうだ。
1時間もするとリニューアルされた高塚小屋を発見。なにやら新しい素材で立てられた背の高い小屋はとてもかっこいい。しかし昨夜は宿泊者はゼロだったらしい。水場がもう少し近ければ宿泊者も増えるのだろうか。近くではヤクシカが石川さんのカメラポーズにこたえてくれてないらしく、あきらめる。
そして今回の私の第一目的の縄文杉には8:25に到着。ガイドブックによるとこの縄文杉は2170歳らしい。しかしそれも謎だとか。
感動のご対面の後、コースは主に下りに!!夫婦杉、大王杉、ウィルソン株、翁杉・・。縄文杉を過ぎると次第にすれ違う登山客が増えて、ウィルソン株あたりではすっかり観光名所さがうかがえる。
ゴールデンウィーク前にもかかわらずやはり屋久島は人気スポットなのだなーと感じる。
そしてお待ちかねのトロッコ道。平坦な道はありがたくもあり、この大自然の中に人工の軌道が何キロも走っている不思議さに魅され、疲れ切った中、自分がどこで何をしているのか一瞬忘れそうになる。
この辺でわたしの疲れのピークが来たらしい。三代杉でランチ休憩を取り、楠川分かれを11:45頃通る。
さてさて辻峠まで最後の登りだ。そしてそれもけっこう急だ。と頭の中で弱音をはきながら、でもこの後のもののけ姫の森は絶対にエンジョイしなければ!
辻峠では家族連れや年配者などがランチ休憩を取っており、なごやかな雰囲気の中を通り過ぎる。この日はたくさんのグループがガイドに連れられているのを見かけたが、ガイド付きの日帰りもなんだか楽しそうだなーと思ってみていた。
さてさて、最後のハイライト、もののけ姫の森ではマイナスイオンをたくさん吸って、苔の歩道・苔むす森では緑一色の景色を堪能できた。
くぐり杉でちょうど携帯の電池が切れたため残念ながら写真には残せなかったが、2泊3日の屋久島はとても思い出深い経験になったと思う。
予定どおり白谷雲水峡のバスに間に合うようにコースを歩くことができたのは一緒に歩いてくださったメンバーのおかげです。ありがとうございました!
その日の晩は宮之浦港ちかくの民宿八重岳で、屋久島特産のトビウオのから揚げと焼酎三岳を頂き、全員大満足。
4月22日(火)
 次の日は再びトッピーで鹿児島港に戻り、黒豚のとんかつランチを食べ、夕方無事に長崎に到着。
屋久島は想像以上の素晴らしい景色と、初めての無人小屋での宿泊や思い出深いトイレなど、山岳会入会2年目で念願の屋久島に行けて感動です。
唯一想定外だったのは私の体重が減るどころか増えていたことでしょうか。
コースタイム
4/19 淀川登山口14:30〜15:15淀川小屋(45M)
4/20 淀川小屋6:15〜8:05花之江河8:10〜10:50宮之浦岳11:00〜11:50平石〜13:25新高塚小屋(7H10M)
4/21 新高塚小屋7:00〜8:00高塚小屋8:15〜8:25縄文杉8:35〜9:45ウイルソン株9:55〜10:20大株歩道入口10:30〜11:25三代杉11:35〜楠川分れ11:45〜12:35辻峠12:45〜14:00白谷雲水峡(7H)
参加者:CL田尻H、SL中村S、金木、田尻S、石川、松田 計6名