第1631例会 次郎丸嶽・太郎丸嶽(天草の山)

松田 朋子

 山の雑誌で以前、天草の次郎丸嶽・太郎丸嶽に登っている人の記事を見た。
大きな一枚岩をロープを伝って、ニコニコ笑顔で楽しそうに登ってポーズを決めている写真が載っていた。背景には、きれいな海の景色が眼下に広がっている。
私も、登ってみたいと思った。その次郎丸嶽・太郎丸嶽に、例会として登ることができた。
12月22日 冬の早朝6時30分、まだ暗い中車3台が今村PAに集合して、高速道路で一路天草へ。
松橋ICで降りて、国道266号線沿いにひたすら進む。道中は海沿いののどかな田舎道である。道脇に熊本・天草特産のかんきつ類があっちこっちにたくさん売ってある。この季節なのに、菜の花が一面に咲いている畑がある。天草って、温暖な気候なのだろうな。
小1時間くらい車を走らせ、しばらくすると登山口の今泉駐車場に着く。お天気の良い、冬の暖かな日とあって、もうすでに何組かの登山客がいた。私達も身支度を整えて、さあ!いざ次郎丸嶽・太郎丸嶽へ!!
 昔物語で、次郎丸嶽・太郎丸嶽は、兄弟の山であるそうな。太郎丸嶽が、「なぁ次郎丸、海がきれいだなあ。」と言うと次郎丸は、「兄ちゃん、僕は兄ちゃんの高さで見えないんだよ。」と言うと、太郎丸が「何で、もっと早く言わんか。」と、自分の山の頂上をけずった。そこで、次郎丸嶽が太郎丸嶽よりも高くなったとさ。
というわけで、太郎丸嶽が281m、次郎丸嶽の方が379mと高いのである。面白いお話だ。
 そんな逸話をほのぼのと、思いながら登山道を上がって行く。登り口は、民家の脇を行く。畑もあり、のどかな田舎の風景だ。柿の実がまだたくさんなっている柿の木もある。
「お正月の餅の飾りにちょうどよか大きさばい。長崎ではですね…」と、金木さんが、長崎のお正月の飾り餅の解説をして下さる。金木さんの前後を歩くと、いろんな解説をずっとして下さるので、とても勉強になるのだ。山も歩けて、その他の知識も増えるのである。
 登山道は、歩きやすくて案内板も随所にはっきりしており、迷うことはない。次郎丸・太郎丸分かれの道までは同じ登山道である。
分かれ道から、次郎丸嶽の方に向かって行き、やがてあった、あった。頂上手前の一枚岩の大岩だ。
大きな岩だが、表面が、ガザガザしているので、すべることはない。ロープもついているし、比較的登り易い。その岩を登り、振り返ると、まあ素敵。絶景かなー!大岩から、不知火海の雄大な景色を堪能する。
登山口から往復3時間程度で、登れる比較的楽な山なのだが、九州百名山に選ばれた理由が良く分かる。頂上に着いたのが11時50分である。
 そこで、昼食タイムとなる。頂上にある岩の上で海や島の絶景を眺めながらの昼食も、また良かった。お天気も申し分ないし、のどかな時間が流れる。
 山頂は断崖絶壁もあり、そこから下を覗き込むとクラっときそうになるが、皆さん次々と絶壁に立ってみている。落ちたら、間違いなくあの世行きである。
 公には言えないが、会長さんのブラックな冗談に大笑いしながら、次は太郎丸嶽を目指す。
来た道をいったん、分岐点の太郎分かれまで降りてから太郎丸嶽へと向かい、13時15分に到着。太郎丸山頂はまた景色が良い。
 しばらく、堪能してから下山する。下の登山口の駐車場に着いたのが14時20分であった。
すぐ近く車で5分くらいの松島温泉「岬亭」というホテルのお風呂に入りに行く。ホテルのお風呂は、時間帯が良かったのか私達の貸切り状態でゆっくりと入ることができた。
お風呂から上がると、まだ夕方までは時間が十分ある。「どこかの直売所で天草の車えびなど、海産物を買って帰りたい。」との声もあがり、産直市場へ行った。
かんきつ類や車えびなど買う事ができ、天草に来たかいがあったというものだ。そうこうしているうちに4時近くなった。
ここまで来たからには〆は天草の海の幸の「海鮮丼」を食べたいと思うのは、人として自然の欲求であろう。夜ご飯には、ちょっと早い時間だがそれでも「美味しい海の幸ならぜひ。」と皆さんの意見はまとまった。
さっそく、観光案内所で聞き込み調査の結果、「天慎」というお店が良さそうだということで、いざ「天慎へ!」車3台で乗りつける。
13名という大人数で、「車えび天丼」だの「海鮮盛り」などを注文したものだから、オーダーしてからの待ち時間が長かった・・・が、出てきたお料理の何と豪華なこと。「バナメイエビ」などの偽装表示ではない、正真正銘の「車えび」のてんぷらの大きさと言ったら!どんぶりから、大きくはみ出しているのだ。
何だか、山登りにきたのか、車えびを食べに来たのかわからなくなってくるほど(きっと、両方ですね。)夢中で食べた。身も心も大満足して、長崎に帰ったのであった。
ご馳走を食べた後の運転をしてくださった運転手の方々は、きつかったでしょうが、ありがとうございました
。最終的に我が家に到着したのは、10時近い時間であった。また、記憶に刻まれる山行がひとつ増えた。
コースタイム
長崎今村PA6:30=高速松橋IC=9:50今泉登山口10:20〜11:50次郎丸嶽山頂12:30〜13:15太郎丸嶽山頂〜14:20今泉登山口=入浴・夕食=高速松橋IC=22:00長崎着

参加者
CL田尻H、SL松田、田尻S、金木、萩原、西川A、西川I、石川S、栗崎、川口T、川口A、内山、中村S
計13名