第1622例会 阿蘇山系

田尻 忍

 リーダーの記憶としては久しぶりの阿蘇山であった。今回の山行スタイルは、根子岳縦走と、阿蘇の盟主である高岳を中心の一般登山組に別れてのものであったが、事前に根子岳の様子を調べると、昨年7月の集中豪雨の被害が著しく、天狗岩へのアプローチだけでも大変である。
予定を変更し、全員で阿蘇5岳の内、根子岳を除く4岳(烏帽子岳、杵島岳、中岳、高岳)を登る事とした。
9月21日(土)
 朝7時30分前に何時もの長崎道今村PAに全員(11名)揃い、3台の車で出発する。快晴である。
高速道を熊本まで行き、国道57号を大分方面に走る。阿蘇パノラマラインを通り草千里駐車場に10時40分着く。さすがに連休の観光客がワンサカいる。
身支度をサッサと済ませ烏帽子岳へ。草原の向こうに美しい姿が見える。
 草千里に何百人いようと山に登る人は我々のみの様だ。
草原の縁に沿って歩き、いつの間にか尾根に取りついていた。
途中、登山道整備の草刈しているおじさん達に挨拶しながら登る。山頂まで50分。
他に5~6人の登山者、草原の山頂は遮るものなし、陽当たりも景色も抜群。ここで昼食とする。
 下りは別尾根をドンドンと下り、草千里の駐車場へと戻る。次は2山目の杵島岳へ。一般ルートでは面白くないので、噴火口跡ルートを行くが、噴火口跡ルートの分岐が今一判然とせず、安全ルートで杵島岳直登とする。直登20分で山頂へ14時20分着。
下りは最短コースの立派な階段を1、2、3と数えながら下る。
 3度目の草千里駐車場に戻り、今日の汗を落とすべく月廻り温泉へ。露天風呂から雄大な根子岳が眺められ、なかなか良い温泉だ。その後今日のキャンプ場の鍋の平へ。昔とは比ぶべくもないが、近くには洒落た喫茶店などが出来ている。
お一人さま500円の入村料と2張1000円のテント代を払う。鍋の平は根子岳の裾野に位置し、見上げれば根子岳の雄姿を見飽きる事がない。
 テントを張り終え、夕食にかかるが、今日の汗と温泉の後ではビールが呼んでいるとばかり、宴会の予行が始まる。
現地調達の豆腐とチクワのキュウリ詰めが美味しい。夕食のメインは五目チラシ寿司と具沢山のキノコ汁、アルコールは控えめにビール、ワイン、お酒、焼酎である。
月はと思ったが生憎の雲で月見の願いは叶わず。
 立ち待ち月(十七夜)は見えずとも、酔うて、食って、寝るだけのリーダーは今夜もテントの中にお隠れになった。
他の皆さんも明日に備え、テントの中へ。リーダーは知る由も無くスースー。

9月22日(日)
 朝5時起き、日の出前の暗がりの中、朝食の支度。夕食のキノコ汁にうどんを入れ、これまた残りの五目寿司で手早く済ませる。高岳に映える朝陽が眩しい、今日も快晴。
 予定より早く6時40分にキャンプ地を後にする。倶利伽羅(クリカラ)不動の第一駐車場に車を置き、林道を赤牛に眺められながら高度を稼ぐ。
牧草地の中の林道では遮るものも無く今日一日の陽差しと暑さが思いやられる。
 強い日差しの中50分位歩くと林道も終わり、倶利伽羅不動への登りとなるが、10分程で展望の良い所でしばし休憩。これより行儀松コースの分岐まで登りとなるが、ススキと低い潅木の山道で、少しの日陰にホットする。
 行儀松コースと出会い、涸沢を渉り、ススキが覆いかぶさり、足元も良く見えない道をようやく砂千里のケルンに着く。
ここまでは登山者に会うことも無かったが、ここからは火口からの観光客や、中岳、高岳に登るのであろう登山者に出会う。
 砂千里を左下に見ながら高台コースを行き、中岳稜線へ急坂登りとなる。
ケルンから1時間で稜線に登りつめ、後はここからしか眺める事の出来ない、雄大な火口と周辺風景と稜線歩きを堪能する。
 中岳からの展望も無論素晴らしく、観光のイメージが強い阿蘇山だが、ここまで来ると、汗を流し、暑さにめげず登って来た者だけに許される特権である、火口全体と、烏帽子岳、杵島岳、高岳が見渡せる。
 中岳では全員揃ったが、高岳は元気組、窪田、中村(悦)、大塚、田尻(忍)の4人で阿蘇4岳目を目指す。元気組はその名通り、地図上コータイムは往復50分を30分で往復して、帳面消しをする。
 先行して下山している皆を追いかけ急ぎ下る。帰りは気になっていた砂千里に足を踏み入れる。
皆が月面の様だと言う砂千里であるが、規模が小さいせいか、余り感じ入る程ではない。
 帰りは、基本登って来た道を帰るので目新しい風景も無く、下りに強い山岳会宜しく、ドンドン下り、中岳まで登り4時間、中岳から下り3時間である。
 倶利伽羅第一駐車場には計画書の予定通り15時30分着。
後の汗流しの温泉へは皆の意見を入れて、白水温泉の「瑠璃」へ。日曜日で人も多いが、温泉も広く気持ち良く入れる。何より一人300円は安い。
 ここより後は長崎へ帰るのみであったが、連休は思うほど甘くなく 、高速道に乗るまで渋滞の連続であった。金立SAで例会費用7000円の清算をし、解散とする。
 長崎に帰り着いたのは9時ごろである。
1日目は4時間、2日目は8時間30分と観光地阿蘇にしては、ハードな歩きでした。

烏帽子岳

杵島岳

中岳

高岳
コースタイム
9月21日 今村PA7:30〜10:40草千里駐車場11:00〜烏帽子岳11:50〜草千里駐車場13:00〜杵島岳14:20〜草千里駐車場15:00〜月廻り温泉〜鍋の平キャンプ場16:30
9月22日 鍋の平6:30〜7:00倶利伽羅第一駐車場7:20〜8:20倶利伽羅不動〜
行儀松ルート分岐9:20〜砂千里ケルン10:00〜中岳11:40〜高岳12:20〜 砂千里ケルン13:30〜倶利伽羅第一駐車場15:30〜温泉「瑠璃」〜長崎21:00

参加者
CL田尻S、山上、石川S、栗崎、西川I、西川A、窪田、大塚、中村E、中村S)、田尻H、 計11名