第1608例会 比婆山・船通山

田尻 博子

 GWは10年振りの中国山地、比婆山・船通山に行く事になった。
道中が長いので、安全を考えて昼間に運転し、移動に2日、山行2日の4連休を目一杯使う計画だ。(参加者はGWでなくとも連休の人達ばかりだったが・・・)
▼5/3(金)9時に今村PAを出発。さすがGW後半の初日とあって、長崎道も車が多い。
そして、心配していた渋滞。福岡辺りからノロノロになり、九州を出るのに時間がかかる。昼食も運転手以外は車中で取る。
しかし中国道に入るとスムーズに動き、18時、広島県民の森キャンプ場に到着。今回は常設テントを申し込んでいたので、その後は泰子シェフの下、手早くハヤシライスの夕食を作る。
GWなのにキャンパーは少なく、キャンプ場は広々としており、炊事棟も清潔で、ゴミも分別すれば捨てられる。トイレはウォシュレット付きで快適。
▼5/4(土)7時キャンプ場出発。天気は曇り。
今日は出雲峠から烏帽子山〜比婆山(御陵)〜池の段〜立烏帽子山と反時計回りに歩く予定。新緑を期待してきたが、今年はまだあまり芽吹いていない。
出雲峠辺りにはミヤマカタバミ、エンレイソウ、シロバナニシキゴロモ、など花が現われる。
9時烏帽子山(1,225m)着。広い山頂の隅には名前の由来になった烏帽子岩がある。ダイセンキスミレやショウジョウバカマが咲く道を、比婆山(1,256m)に向かう。
 山頂には、樹齢千年を越える7本のイチイの木に囲まれ、伊邪那美命(いざなみのみこと)の陵墓とされる巨石があり、立ち入り禁止のロープが張ってある。
そこからはブナの純林が美しい場所だが、今年はまだ冬木立のまま。それでも緩やかな気持ちの良い道。GWなのに他の登山者にも会わず、我々だけの山を楽しむ。
11時池の段(1,279m)に着くと、他の登山道から登ってきたグループが何組かいて、その中には常設テントのお隣さんも。ここで昼食。
空は怪しげな雲が近づいて来ているが、歩いてきた山、これから歩く山など比婆連山が見え、遠望も利く。立烏帽子山(1,299m)まではほんの一登り。狭い山頂で記念撮影。
 ここからの下りは道も広く快適で、ピンク色のミヤマカタバミや、スミレの可愛い花を見ながらの歩きだが、とうとう雨が降ってくる。
下るに従い谷を隔てた山の斜面は、雨に煙る新緑とヤマザクラで日本画のような美しさ。
13時半にはキャンプ場に到着。その後はキャンプ場の宿泊施設の大浴場に入り、この日も「サムゲタン」の美味しい夕食で大満足。
 夜遅くなってから、吹野さんが宮崎県比叡山の岩登りからの帰路、こちらの例会に参加のためキャンプ場に到着。吹野さんの行動力は凄い。夜は素晴らしい星空で明日が楽しみになる。

キクザキイチゲ

サンインシロカネソウ

ミヤマカタバミ
▼5/5(日)今日は本当に良い天気。車で1時間近く走り、船通山の登山口まで移動する。
 今日は、登山口から鳥上滝コース〜船通山〜亀石コースを歩き登山口に戻るコース。
 比婆山と違って、ここはもう新緑が美しい。谷筋の道には、イカリソウ、ボタンネコノメソウ、サンインシロカネソウ、ハシリドコロなどの花が現われ、良く整備された道を歩く。
途中の鳥上滝、古事記ではヤマタノオロチが根城にしていたというが、それにしては小さい、大昔は大きかった?
そして期待のカタクリ。山頂近くになるとポツポツ見え出したかと思うと、そこからは、カタクリロード。登山道の左右、そして山頂(1,142m)には大群落。お天気は最高、カタクリも最盛期、ということで登山者も大勢。
 カタクリ撮影タイムが終わり、11時には昼食。山頂からの展望も雄大だが、九州の山とは違い、山の名前が今一つ。
他の登山者を引率して来たガイドさんに説明してもらい、昨日歩いた比婆連山と、遠く山頂にはまだ雪がある大山はよく分かった。
 カタクリを堪能して下山。亀石コースも歩きやすい道で、しかも途中では、キクザキイチゲの花に出会い感激。中国山地まで来ると、九州ではなかなか見られない花に会えて嬉しい。
この日は日本三大美肌の湯といわれる「非乃上温泉」で入浴。つるつるの温泉だった。
 途中のストアで買い物をし、キャンプ場に戻る。今晩は、野菜タップリのスープと吹野さんのために、「長崎サラダ」が登場。
▼5/6(月)8時、3泊お世話になったキャンプ場を出発。
3日前に来た時とすると、キャンプ場付近も新緑が濃くなった気がする。途中、柔らかな緑と水を張った田圃の里山風景が美しい。
帰りは渋滞にも会わず、順調に走る。朝炊いたご飯に残ったおかずを入れ、お昼の為におにぎりにして、途中のPAで食べる。
時間もお金も節約の山行。会費は3泊4日で12,500円也。連休の高速半額はやはり有り難い。
コースタイム
*キャンプ場〜出雲峠〜烏帽子山〜御陵〜池の段〜立烏帽子山〜キャンプ場(6時間半)
*船通山鳥上滝コース〜山頂〜亀石コース周回(5時間半)

参加者
CL田尻H、SL中島Y、田尻S、中島H、西川A、西川I、石川S、栗崎、内山、吹野  計10名