第1583例会多良山系(小川内谷右俣)

窪田 紀幸

 やっぱり夏といえば沢。童心に帰ってのシャワークライムは時間を忘れさせてくれる。
 黒木キャンプ場を通ってすぐに沢に入れ取り付きはお気軽。沢の水はとても澄んで滑らかな岩の上を流れていく。砂防ダムを2つ高巻くと沢登りらしくなってくる。
淵や滝壺を泳ぎ上流に向かっていくとなぜだか澄んだ水が黄色く濁り始める。豪雨の影響?とも思ったが、上流で檜伐採のため林道工事が進められていたことを思い出し、その影響ではないかと疑う。
2段15mの滝に取り付くが、せっかくの渓流が黄色に濁り、黄河を登っているかのようなシャワークライムになる。「ひどいね何だこりゃ」とワイワイ言いながらしばらく遡上するとガンガン重機の響きがする。沢を横切る林道に着くと濁りの正体が判る。
ノミを付けたユンボが林道わきの沢を躊躇なくガンガン切り崩している最中だった。沢の濁り具合からすると工事を始めたばかりのようだ。現場の人に聞くと砂防ダムを造るらしい。せっかくの沢が無残にも破壊とも思ったが、こちらは遊びであちらは仕事…仕方がないことなのだろう。
 現場を横切らせてもらって音が聞えない所まで行くと、ちょうど昼になったので小さな滝のそばで昼ごはんとする。工事の音も止んだのでたぶんあちらも昼食タイムになったのだろう。下界の暑さもどこへやら、天然クーラーの風も爽やかで食が進む。
 後半は再び清流の沢登りとなる。8mの滝を登りしばらく行くとクライマックスの15mの滝になる。これまではリードで登って来たが、この15mの滝はリードでは厳しい。ボルトも滝の中にはなさそう。滝左側の岩場にボルトが打ってあるので下さんが先に登り、上からビレイすることにした。
「左に足を置け!!手を伸ばせ!!」ワーワー言い合いながら全員(ビデオ撮影にいそしむ下さん除く)満足の完登。これより上部には大きな滝はなく、林道に上がって遡行を終えた。
 土曜日の例会は翌日も休みなのでゆっくりできて良い。多良山系を再発見した沢登りになった。また来年も行きたい。
参加者:CL三田(徹)、下松八重、橋口、大塚、窪田 計5名


8m滝

クライマックス15m滝