第1555例会 五島の山

馬場 よし子

半世紀ぶりの五島例会である。打ち合わせの為リーダー宅に伺った時、当時の「あしあと」を見せていただいた。まるで短編小説を読んでいるような気分だった。
あれから半世紀、時代は変わった。全てが便利になりスピード化され五島も近くなった。だが、幾千年経とうが自然の力は人類はどうすることも出来ない。
 「天気」今回これに翻ろうさせられた。
台風15号が沖縄地方に停滞して不安定な天気が続いていた。長崎では雨でも五島は快晴。お日様が顔を出したと喜んでも数時間後には曇り。
リーダーと連絡取り合っても互いに「うーん」。行かなかった事を後悔したくない。かつて雨の中を歩いた例会でも来た事を後悔したことはない。ついに、リーダーより「決行」の声がかかった。
 しかし、当日明け方からどしゃぶりである。とりあえずターミナルに集合して最終結論を出すことになった。問題はただ一つ、宿のキャンセルが可か否か。
予約等でこの民宿に電話を何回かかけた時感じていたのだが、ここのおばさんは怖い。山岳会入会したての頃諸先輩を怖いと思っていたのだけれど、レベルが違う。
電話を入れ「あの・・・てん」と言い終わらないうちに「雨は降ってません」と言い放たれてしまった。これで、決まった。行動開始。さぁ、前置きが長くなりましたが、ついにフェリーに乗りましたよ。
 新船「万葉」は快適に私達を五島に運んでくれた。小雨の五島、濃い潮の香りが体を包む。
 五島うどんを昼食にとり、微笑んでいるようなデザインの電気自動車四台を借り山は明日にしてとりあえず堂崎天主堂に行くことになった。
静かな海辺の天主堂、宵待ち草が咲く頃はあたり一面黄色になる。私が一番好きな五島の場所なんだけれど、今回は何か違う。ノリノリになれない。
山に来たのに観光だからか・・・そう思っていた時「七岳登ります」の声が聞こえた。いざ、七岳登山口へ。
 山内さん、中島ダーリンは大瀬崎灯台に行き他13名さっそく歩き始める。案外急登である。だが雨に濡れた後がなく歩きやすい。
やがてよじ登るところが二箇所あると聞いていた通り岩場が現れた。足置き場を指導してもらいながらクリアした。二箇所目を頑張っているとき先頭を歩いていたリーダーの「あらぁ?」「あらぁ?」の声が聞こえてきた。
 この「あらぁ」に危機感は無い。少々間が抜けている「あらぁ」である。
道を間違えた?と後方隊が思っていたら前から「頂上に着いたとって!」と声が聞こえて来た。登山開始から一時間弱であった。
 景色は何も見えず、記念撮影してすぐに下山。
 この時私はあの岩場の下りは怖いよぉと心の中でドキドキしていた。しかし、後ろを振り向くと放屁も元気、笑い声も元気な東さんがいる。頼もしい東さん、シュリンゲを繋いで難所を降りやすくしてくれた。
二箇所目はシュリンゲ無し。前から川口さんの「アッチ、こっち、そっち、コッチ」と足場の指導の声が聞こえてくる。
 私には無理と又繋いでもらった。懸垂下降、怖いけれど面白い。
この安定感素晴らしいとそのままの姿勢で2秒ほど酔いしれていたら後ろから「早く前ば向かんね」と石川さんに言われてしまい、見抜かれたと一人大笑いした。
 次は民宿へ。お風呂場が狭いので半分は岐宿町の温泉へ行く。
 食事の後の宴会は無く全員早々に就寝したがずっと強い風が吹いていた。

▼2日目。強風である。
 船が出なかったら大変な事になると急遽お昼の便で帰ることになった。
急いで仕度して乗馬組と鬼岳組に分かれて宿を出る。
 鬼岳も整備されすぐにてっぺんに着く。地元の人達はわざわざ歩くことの無い尾根歩きを我々はもちろんやる。
風が強く吹き飛ばされながら変わる景色を、野の花を楽しみながら歩いた。
体調が悪い中島ダーリンもゆっくり歩いてきている。お鉢に降りたら、なんと楽しい、楽しい藪こぎが待っていた。
鬼岳に癒され、お昼ごはんを予定していた食事処でお茶を飲み、港に向かった。
 帰りの船は島周りの為時間がかかるが、全員船酔いも無く元気に帰ってきた。

▼五島の山は、山だった。そして、とっても良い山だった。
今回時間の都合で行けなかった、七岳縦走、福江島最高峰の父が岳は「五島に又来なはれな(来んかなより優しい言い方)」ということだったと思っている。
 会費 フェリー代、レンタカー代、民宿代、生ビール一杯、初日のお昼ご飯代 〆て13900円也。
参加者:会員15名