第1544例会 四国の山:四国赤石山系縦走

倉嶋 千秋

▼2011年4月29・30・5月1日くもり・雨
4月29日、長崎山岳会の例会山行のため長崎組と広島組は、小谷SAで待ち合わせ四国を目指した。今回は別子銅山観光組に我家のお父さんも参加することになり、どこかそわそわしていたような気がする。この日は、日浦登山口の駐車場でテント泊だ。駐車場を見落とし通過してしまい、引き返してやっと午後4時頃到着。
駐車場には、日帰り登山者の2台の車が止めてあっただけでスペースは十分だった。荷物を降ろし下山口である筏津まで2台の車をデポしに行き、夕食の準備に取り掛かった。
 今日の食当はお料理上手の西川幾恵さんで、八宝菜、玉ねぎのサラダ等々とっても美味しかった。さすが!メンバーとお初のお父さんは、皆さんと意気投合してお酒もすすんでいた。楽しい宴が終わり、ちょっと遅めの21:00頃やっと眠りに着いた。空には満天の星が輝いていた。明日は晴かな?期待が持てる。

 翌日、別子銅山観光組を残し、SLの私が先頭を歩くことになった。今日の宿泊地は赤石山荘。普段は無人小屋なのだが、宿泊者が多数の場合は管理人の方が来られるらしい。夕・朝食の食材や共同装備を分担して7:00出発!
 美味しいダイヤモンド水と名づけられた水場に到着。みんなそれぞれ、ペットボトルに水を詰める。飲むととても美味しかった。
 劇場とか接待館など、上のほうには神社までも祭られていた。いくつかの繁栄していた頃の銅山跡地を通り、快適な登山道を進む。森林地帯を抜けると強風が吹き荒れていて、こんな頑丈な私でも時折、足を
 取られてしまう。岩稜帯を歩くとき大丈夫かなと不安が頭を過る。
途中、強風を避け木の陰で休憩を取りながら8:56 銅山越に到着。
 予定していた西山へは、お目当てのアケボノツツジも咲いてなく、おまけに強風のためパス。今年は遅くまで寒かったため、山の木々もまだまだ硬い蕾状態だった。暫く休んで、西赤石山を目指す。途中、岩場が現れるが何てことはない。10:25西赤石山到着。
 頂上にはたくさんの人がいて賑っていたが、縦走するのはわずかだった。記念撮影をして出発。頂上で出会った今時の山ボーイ達が登山道脇で美味しそうなお弁当を広げていた。その子達に頂上で会った時、さんざんその服装を変だとか似合わないとか陰口を叩いていたのに、その同じ口から「うわー美味しそうねえ、上手ねえ」と褒め言葉が飛び出していた。笑っちゃいます。11:30物住頭に到着。ここで昼食にする。

相変わらず、風は強い。ここでも面白いエピソードが。東さんが持っていた「ハイドレーション」の水筒の値段を聞くと、「20,000円」という。「え゛〜〜〜」と驚くが、どうも様子がおかしく辻褄が合わない。よくよく聞くと、20,000円は着ていたジャケットの値段で、水筒は2,000円だったらしい。「英語の横文字で言われてもわからん」と豪快な声で笑い飛ばされてしまった。
 昼食を終え、東赤石山へ向かう。目の前に前赤石山の岩峰が見える。ここは山肌をトラバースして通過する。ここから連続して岩場が続く。鎖やロープはないので注意が必要。でも、足場がしっかりしているので慎重に行動すれば大丈夫!ミニ北アルプスの岩場を体験できる。意外と楽しかった。
 12:40前赤石山を通過。相変わらず風が強い。岩稜帯への縦走コース分岐に着くが、ここは風が強いので、一先ず山荘を目指す。暫くすると赤石山荘が見えてきた。今日は管理人さんがいた。

 暫く休んで荷物を必要最低限持って八巻山へ向かう。山荘からの八巻山への上りは急登で岩場だ。ここも注意が必要。13:54八巻山へ到着。眺めはいいが、強風が吹き荒れている。
 八巻山を経て東赤石山までも険しい岩場。14:27東赤石山へ到着。(表紙写真)でも、三角点はこれより50m先にあるので、そこを目指し目指して雪が残る登山道を行く。
 14:35ちょっと標高が低い三角点に到着。今日、同じく赤石山荘へ泊まられる西宮からのグループに記念写真を撮ってもらい15:13山荘着。山荘の周りに見つけたこの日初の花ショウジョウバカマが小屋の周りに群生していた。山荘の部屋で夕食の準備。
 この日の食当は私。今夜はきのこカレー・海草サラダ・広島名物そうでがんすのがんす。この日の宿泊者は、先程、東赤石山頂上でお会いした西宮の5人パーティーと単独行の男性と我々9人パーティーだけだった。夕食を終え、シュラフにもぐった頃から、外は台風みたいな風雨に小屋が吹き飛ぶんじゃないだろうかと心配で、なかなか寝付けなかった。登山口にテントを張っている山内さん達が心配だった。車に避難しているだろうか…。

▼2011年5月1日(日) 雨のち晴
コース:赤石山荘−筏津登山口
昨夜からの風は少し収まっていたが、雨が降っていた。朝食のハム・チーズ・レタスのサンドウィッチとグレープフルーツ・コーンスープ・コーヒーを飲み、朝食を終えると雨具を付けて、7:00小屋の前で集合写真を撮ってもらい、管理人さんに挨拶を済ませ雨の中出発。
登山道は小川になっていた。滑らないように気をつけながら歩く。杉木立の中へ入ると雨も一段落。
下山道にはいくつかの木の橋があり、ちょっと緊張した。橋は苦手なのだ。おまけに濡れている。他のメンバーは難なくすいすい渡る。私は恐々渡る。CLの石川さんが渡るコツを教えてくれた。その石川さん、写真の橋をぴょんぴょん跳ねながら渡って見せた。私には到底まね出来ない。素晴らしい!雨の後の増水した川の渡渉も何度かあった。やがて雨は小雨となり、景色が明るくなった。今までは気を引き締めて歩いたせいもあって、周りの景色も見ていない。ふと、登山道の脇を見てみると、たくさんの花を見つけることが出来た。昨日は、花がなかったのに・・・。当然、みんなの足が止まる。駐車場で待っている山内さん達のことも忘れ、花に夢中になる。予定よりちょっと遅くなったが、10:20無事に筏津登山口へ下山した。さっそく、前日に回しておいた車に乗り込み日浦登山口駐車場へ向かった。山内さんとお父さんは大丈夫かなと心配しながら駐車場へ着くと、意外と大丈夫だった。昨夜の風雨は駐車場でも吹き荒れて凄かったらしく、夜中12時頃に山内さんのテントのポールが折れて、急いで二人で車へ避難したそうだ。二人とも無事で良かった!
 二人のその日の行動は、午前中、神社跡まで登り、降りてきて車で移動し別子銅山資料館やトロッコに乗って有意義に過ごしたそうだ。今回の四国赤石山系縦走は、天気には余り恵まれなかったが、思った以上に変化に富んだとても良いコース、良い山だった。満足!満足!帰りはマイントピア別子でお風呂に入り、お昼を食べて解散した。私達はこの後、吹野さんを広島バスセンターまで送り、その後は熊本に向かった。

参加者
CL石川(純)、SL倉嶋(千)、田尻(博)、吹野、平山、東(俊)、山内、西川(陽)、西川(幾)、倉嶋(愛)
会員10名、会員外1名、合計11名

〜長崎山岳会の皆様へ〜

GWの四国例会に飛び入り参加させていただき、ありがとうございました。かえってご迷惑をお掛けしたのではないかと、今でも赤面の至りです。
 とはいえ、とても楽しい山旅でした。山の楽しみ方は、様々にあるのですね。
寒々とした駐車場が、瞬く間に温かなお茶の間に変わっていくのは、驚きでした。
湯気の立つ料理と、みなさまの和気が醸し出した空間なのでしょう。
 テントを叩く風雨も、山内様とご一緒でしたので、楽しく乗り切ることができました。
 長崎山岳会の益々のご発展を祈りつつ、お礼の言葉とさせていただきます。
“いにしえの 銅山しのぶ 杉木立”

倉嶋さんの旦那さんより