石川 純子
「金泉寺が新しゅうなったとげな」というニュースに、長崎の岳人としてはやはり一見すべし、おりからの新緑にもたっぷり浸り、ついでに温泉にも浸かっての例会となった。
▼5月16日(日)心配していた天気も曇ってはいるが雨の心配はなさそう。
8:15栗崎車に効率よく6人が乗り込み田尻家を出発。8:55先発した川口夫妻と黒木八丁谷の車止めゲートそばの駐車場で合流。駐車場はほぼ満杯で登山者はそこそこ多いようだ。
9:15金泉寺を目指して歩き始める。オウギカズラの紫の花がかわいい。いつもの沢で一休み。
シジュウカラが木の洞(うろ)からちょこっとのぞいたりひっこんだり喜ばせてくれる。マルバウツギの白い花も満開だ。西野越へと登る斜面にはそろそろ枯れてきたオオキツネノカミソリの葉が広がっている。
地下には今年もたくさんの蕾が準備されているだろうか。
10:55「オーツ! すご〜い!!」杉木立と若葉の中に、まさにその名にふさわしく銅板葺きの輝くばかりの立派なお堂が建つ金泉寺に着いた。以前の面影はかけらもない。7,000万ちかいお金がかかっているとか。
平安の昔から真言密教の修験者が修行したとかで、高野山真言宗多良嶽山金泉寺とあった。
小屋や広場で休む人、行き交う人と結構多い。我々もしばらく休憩した後多良岳に向かう。
石段を少し上った所の役行者も真新しい屋根をもらっている。
杉の大木や瑞々しい若葉につつまれた古い石段を登り岩場の道を行く。ほとんど花の終ったミツバツツジや、白いかわいらしい花をつけた潅木が何本もありオトコヨウゾメの名札がついている。
国見岳とのコルから右にまもなく石祠のある多良岳権現峰(996m)着(11:32)。ここで30分程ランチタイムを取り、足の調子がよくない中島さんを残して多良岳(982.7m本多良とか前岳ともよばれている)まで往復する。
岩尾根にはまだミツバツツジの花が残っていて楽しませてくれ、匂い立つような緑が何とも清々しい。
中島さんの足もよくなり、13:15金泉寺に帰って記念撮影し中山越へ。西岳経由のルートを歩く。
ギンリョウソウがあちらこちらと落葉を持ち上げ、ヤブツバキの赤が暗い林内を照らすように落ちている。レスキューP17の標識でメインルートと合流し14:25中山越着。おやつを食べて一息つき、黒木まで一気に下り解散(15:40)。
川口夫妻はそのまま帰り、6名は平谷温泉で汗を流して17:50田尻家着。金泉寺と新緑を訪ねての例会は無事終了した。
▼追記
若葉の中に見たオトコヨメゾウ、いえオトコヨウゾメが気になったので調べてみた。
スイカズラ科ガマズミ属の2mぐらいになる落葉低木。別名コネソ。
中部地方でガマズミのことをヨウゾメといい、秋には赤い宝石の集まりのような実をつけ、霜の降りる頃には甘くなって食べられる。オトコヨウゾメも秋にはやはり少し大きめの赤い実をつけるが、苦くて食べられないのでオトコがついたとの説。つまりはオトコヨウナシ?いえいえオトコヨウゾメ、花はかわいらしくひっそりと草食系のイケメンといえなくもない。どんな漢字をあてるのか興味があったがわからなかった。
参加者:会員8名