第1490例会 大崩山・五葉岳

田尻 博子

今年のGWは久し振りにアケボノツツジを見に行く計画を立てた。期日は5月の完全連休を避け、往復は高速特別割引が使える4月29日(祝)〜5月2日(土)の4日間。
 4年振りの傾・大崩山系になる。今までと少し違ったコースはないか調べてみると、これまで行った事のない、大崩山南側の宇土内登山口から大崩山に登るコースにもアケボノツツジがあるらしい。距離も短く歩きやすそうだ。近くには鹿川キャンプ場があり、バンガローを借りると雨の心配もしなくて良い。2日目はお約束の山シャクヤクとアケボノツツジが見られる五葉岳に決める。こちらも宿泊は見立の「猪鹿庵」に素泊まりとする。

4/29(祝)
長崎を午前10時、9人のメンバーが2台の車で出発。高速を松橋で下り国道218号をひた走り、日之影を過ぎ、槇峰から鹿川渓谷へ入る。清々しい新緑の中、比叡山の麓を通り鹿川キャンプ場へ到着したのは16時を過ぎていた。設備の整った新しいバンガローで、1棟9000円、大勢で泊まると格安になるのは嬉しい。キャンプ場手前で、偶然にも同じキャンプ場へ行く西川陽さんのお兄さんと出会う。今日は祝子川から大崩山に登り、明日は鉾岳に登る予定だと言われる、とても若々しくスマートなお兄さんだった。勿論、夜の無事到着の宴会にも加わってもらった。

大崩山往復コース

4/30(木)
鹿川キャンプ場6時50分出発、予想通りの悪路を走り宇土内登山口に着く。このコースは時間が短いので、膝痛、腰痛のリーダーには良いが、元気ハツラツ組には物足りないだろうと、大崩山〜鹿納山の縦走を提案し、陽さんにリーダーを引き受けてもらった。そちらのほうは時間がかかるので、先に出発してもらい、7時20分のんびり組はゆっくり歩き出す。林道を15分歩き林の中へ入り暫らく急登が続く。尾根に出ると傾斜も緩くなり、ポツポツとアケボノツツジが顔を見せ始める。お天気は上々、その内花も多くなるだろうと期待しながら歩くが、もう花が終った様子の木や、咲いていても花が小さかったり、まばらだったりとちょっと期待はずれ。今年は裏年か?頂上近くなるとスズタケを掻き分けるような道になり、祝子川からの道と合流し、見晴らしの良い石塚へ着く。

アケボノツツジ

ミツバツツジ
先に大崩山頂に行き記念撮影を済ませ、石塚まで戻って10時40分早めの昼食にする。この時間になると登山者が増えてきて、皆展望の良い石塚で昼食タイム。他の登山者と一緒に傾山、祖母山と山座同定。五葉岳、夏木山となるとちょっと難しい。鹿納山に向かった皆はどのあたりを歩いているだろうか。11時20分石塚を出発。下りに見るアケボノツツジは暖かい太陽に照らされたからか、ピンク色が濃く、華やかになっているような気がする。13時15分駐車場に戻り、縦走組が下って来る鹿納林道を少し歩いてみる。太陽を浴びて輝いている新緑、スケールの大きい岩壁と渓谷はやっぱり素晴らしい。今夜は我々のんびり組が食当だ。日之影温泉で入浴後アルコールを調達し見立の猪鹿庵へ移動する。
大崩山往復コース・メンバー:会員4名


大崩山→鹿納山縦走コース

西川 陽

4/30(木)
縦走組5名は大崩往復組よりも若干早く7:18宇土内谷を出発、第一ピーク・縦走路分岐・石塚を経て約2時間で大崩山頂(1644m)へ到着。

大崩山で縦走組
期待のアケボノツツジは第一ピーク周辺で見られたものの数は少ない。大崩山頂は木立の中で展望が得られないため下山路の石塚でゆっくり休憩し、ワク塚岩峰や鹿納山方面の景観を楽しむ。天候晴で眺望良好。9:53に石塚を出発、15分程で縦走路との分岐点(1541m)に着く。この下りで大崩山頂へ向かう大崩往復組4名と出会う。縦走路分岐点から右(北西方向)に入り鹿納方面へ向かうが、この道は2m超のスズタケに覆われた箇所が多くヤブこぎとアップダウンを繰り返す。幸い路跡はついており道迷いは無かったが、前方に見える特徴ある鹿納山の岩峰(鹿納坊主)には、なかなか届かず疲れがたまる。石塚を出て2時間後の11:53鹿納谷登山口との分岐点に着く。これから先のルートは地図上にも明示されており一安心、ここで昼食とした。昼食・休憩後12:24山頂目指し出発、アップダウンを繰り返しながら約40分、13:05に鹿納山頂(1567m)に到着。山頂は狭い岩峰の上、展望は抜群で大崩のワク塚岩峰群や祝子川源流域の森林、北の五葉岳・傾山等が素晴らしい。山頂には五葉岳ルートからの先客3名が居たが、我々の「大崩からの縦走」に労いの言葉を頂いた。(大崩山頂とは地図上の直線距離では3km強で、3時間以上要したことになる)山頂は狭いため5分程度で下山、約35分で鹿納谷登山口との分岐点に着き、ここから登山口まで約350m程度(約40分)下る。途中、高度1300〜1400m地点にアケボノツツジ群落あり、数は少ないものの上から眺めるアケボノツツジもまた良いものだ。この下りは結構急坂で林道・登山口には14:27到着、ここで一息つく。 後は鹿納谷に沿って林道を歩くのみで「楽勝」と思いきや、歩き始めると台風による倒木・土砂崩れで林道が数箇所決壊・通行不能となっており回り道を余儀なくされた。この光景を目の当たりにして改めて自然災害の怖さを実感。

荒れた鹿納林道
林道下りの途中からは道がほぼ水平となり、頭上の岩峰や岸壁と眼下の鹿納谷の清流・巨岩等この地ならではと思われるスケールの大きい景観を満喫することができた。結局、林道歩きは1時間の予定が75分かかり15:55スタート地点の宇土内谷駐車場へ到着、縦走を終えた。所要時間8時間の計画に対し実績は8.5時間(小生の万歩計では20500歩)。鹿納山頂へのコースは今回我々が下った鹿納谷登山口や五葉岳からのルートが一般的のようで、時間のかかる大崩からの縦走は少ないようだ。それだけに変化に富んだこのコースは価値があるような気がしており「充実した縦走」であったと自己評価している。
大崩山→鹿納山縦走コース・メンバー:会員5名


5/1(金)
昨夜の星空は素晴らしかったようだ。今日の天気も上々、6時50分猪鹿庵を出発。中村橋を渡った所には、「路面荒廃の為5/2の五葉・トッキン岳山開き中止」のたて看板がある。2年前の台風被害で道路が寸断され、4月末までには改修が終ると聞いていたが、間に合わなかったようだ。道路が封鎖されているわけではないのでそのまま通行する。確かに至る所で土砂崩れの跡と、改修された様子の道路を目にする。昨日の縦走組の話といい相当の被害があったことがわかる。7時30分登山口手前の大吹谷墓地の看板辺りで通行止めになっており、そこにはすでに2台の車が止まっている。ただ改修工事のため、道路は以前よりデコボコが少なく走りやすくなっていた。
 7時55分通行止めの地点より10分程でお化粧山への登山道に入る。谷沿いに高度を上げて行き、9時ヤマシャクヤクが咲く斜面に着くが、蕾が殆どで数株がちょっとだけ開きかかっている状態。以前より数も減っているようだ。それでも純白の姿は気高くとても美しい。

お化粧山山頂

夏木山アケボノツツジ
尾根に上がりブナの三叉路で休憩、昨日より近くなった傾山〜祖母山を望む。お姫山から五葉岳への尾根の多くの木が、台風の影響か倒れたり立ち枯れたりしている。12時五葉岳の頂上で昼食を取り、トッキン岳へ向かうが、山の斜面をピンク色に染めているはずのアケボノツツジも、わずかしか咲いていない。4年前の華やかな光景を思い出し、胸が痛くなる。トッキン岳に近づくと夏木山方面にはピンクの山肌、岩峰が見える。
五葉岳で会った登山者が夏木山はアケボノツツジが綺麗だったと話していた。登山道の所々に綺麗なアケボノツツジも見られるようになり、シャクナゲは鮮やかなピンクの蕾を沢山付けている。
13時30分トッキン岳から少し戻り、大吹鉱山跡への下りにかかる。途中には秋に咲くトリカブトの若葉があちらこちらに見られる。その時期は紫色に染まるのだろう。

ヤマシャクヤク
林道に出た所には期待通り多くのヤマシャクヤクが、お化粧山のそれより大きな花を咲かせている。皆で一斉に撮影タイム。丁度見頃の美しさだ。最後に大満足して14時40分鉱山跡に到着。林道を40分程歩き車に戻る。悪路を中村橋まで出て日之影温泉へ、入浴後又長いドライブをして18時30分見立の猪鹿庵へ戻る。最後の夜は宴会も盛り上がる。お天気に恵まれ、毎日山の汗を日之影温泉で流し、食当のおかげで美味しい夕食を食べ大満足。ただ、アケボノツツジの衰えが何時回復するのか、それが気になる。

5/2(土)
5月の5連休の始まりの日、渋滞を恐れまっすぐ長崎へ帰る事にする。7時30分出発、途中事故渋滞があったが14時30分には長崎着。やはり宮崎は遠い。運転手の皆さんお疲れ様でした。

参加者:会員9名