第1485例会 大山

3/20 B隊報告

吹野 洋子


小雨の中を出発
3/20(土)B隊の女性4名は香取から車で入る。林道を走れる所まで進み、雪が出てきた所で車を止めた。9:00出発、霧雨の中歩き始めると、思いの外雪が多かった。
 私は雪面の時のこのコースは4度目だ。
今までは天気がよくて展望もきくので自分のいる位置がつかめたが、今回はガスで視界が悪いので慎重に進んだ。
岩伏別れへの標識がある所から左斜め上方向にいくと、10:00岩伏別れに出た。
そこから石畳道らしきところを(全面雪に覆われている)、水平に上りすぎないように下りすぎないように気をつけながら尾根をまわっていく。
途中、倉嶋さんが雪の中にはまってしまい身動きできなくなった。共同装備を渡し過ぎてしまい、ザックが重かったようだ。程なく脱出できたが、この頃から雨になってきた。
大谷越えは少し野田ヶ山に寄りすぎたようで少し下りぎみに進み、今度は針葉樹が見えてきたので下りすぎたかな?とまた上がりぎみに進んだら、大休峠の景色らしくなってきた。
目を凝らして小屋を探すと目の前にあった! 私は内心ほっとした。
 12:00到着で3時間かかった。雨が降っているので矢筈ヶ山ピストンは中止にして、小屋の中でくつろぎながら昼食をとった。あとはのんびりシュラフに入って温まりながらA隊を待っていると15:00頃晴れてきた。すぐ小屋を出て散策を楽しむ。なかなかいい所にある小屋だ。

親指ピーク

大休小屋
 16:30A隊の4人が体から湯気を出しながら小屋に入ってきた。福岡の4人パーティーも後からやってきた。
夕食は博子さんの食当で散らし寿司、高野豆腐などの煮物、サラダなどあり好評だった。楽しいお酒の時間を過ごしていたが、隣のパーティーが早く寝るので私達も早目に寝ることにした。
20:30小屋の外に出てみたら星がすばらしくきれいで、明日の好天も期待できると思い安心して眠りについた。


3/20 A隊報告(船上山〜大休小屋)

田尻 忍

3月19日の夜遅く転がり込んだ吹野宅を我々4人は、縦走隊の出発地点である船上山登山口へ向かいます。
 登山口に着く頃は天候も悪く、ガスの中、小雨も混ざっています。登山口近くの東屋で雨具を着け登り始めます。
 まだ3月なのに雪は殆んど無く、代わりに濃霧が幻想的なモノクロの樹林帯を浮かびあがらせています。後醍醐天皇の波乱万丈を巡らすには良い雰囲気です。
 ガスの中を黙々登りいつしか尾根道を辿ります。この頃より残雪の格好で点々と雪も現れますが、アイゼンを着けるほどの事はありません。
 いつも良く分からない勝田ヶ山の稜線を過ぎその姿がゴジラの背中に良く似た岩稜、通称ゴジラの背を越えると、甲ヶ山(1338m)です。晴れていれば360°の展望が楽しめる筈ですが、今日は生憎ガスの中、1時半ごろに着き2回目の軽い昼食をとります。

甲ヶ山頂上

矢筈山を目指す

矢筈への稜線

輝く樹氷
 甲ヶ山の下りは逆スラブの岩場でおまけに雨で濡れており、岩に慣れていない花村さんを励ましながら慎重に下ります。ここ位になると雪も不足なく有り登る斜面もべったりです。
 矢筈ヶ山と思ってピークに立つとガスの向こうに本物の矢筈ヶ山。ゲ〜。気を取り直しグッと下って登り返すとやっと頂上です。
 この頃よりガスも切れ陽光に樹氷がキラキラと輝いています。今までの視界の悪さを取り返してもらった様です。槍尾根が突き上げた天狗ヶ峰、剣が峰から縦走路たる白い稜線が見えます。白い山です。

大休小屋で夕食作り
 大休峠避難小屋までの下りは時間的にも夕方4時を回っており斜面下りはズボズボと大壷を掘ってしまいます。
尻セードをするには雪が湿り過ぎており、ひたすらズボ、ズボっと下ります。
 雪と疎林の中にある立派な山小屋にたどり着くとお姉さま方4人が待っています。昼過ぎに着いたとの事。余裕の席とりです。
今晩は豊かな食事と少しのお酒の宴でしょう。

第1485例会 大山(後半)

田尻 博子

3月21日 [大休小屋~野田ヶ山~ユートピア小屋~上宝珠~元谷]
 朝5時起きの予定が皆寝過ごし、リーダーの「もう50分ばい」という声で、5時50分の起床となる。同室だった福岡の4人組も同じ時間に起きだす。起きない我々に遠慮していたのか?…
 朝食は、昨夜作っておいたアルファー米を、おじやにするだけなので早い。そのうち、そこ此処で「○○がない」「△△はどこ」という合唱が始まるが、それも、そのうちに納まり出発の準備が整う。小屋の外に出ると、気持ちよく晴れて爽やか。周りの冬木立の間から青空
が見え、今日一日の晴天は約束されているようだ。
 今日は8人全員で元谷まで歩く予定。準備体操の後7:30出発。昨日の午後グズグズだった雪も朝はしっかり凍っており、アイゼンがきき歩きやすい。出だしは木立の間を緩やかに登ってゆく。野田ヶ山まで来ると、昨夜泊まった大休小屋、男性陣が縦走した甲ヶ山〜矢筈岳の山並みが良く見える。その後は雪が付いていない石の道や、木の根、雪で倒れた枝の道も出てきて、アイゼンがひっかかったり、小枝がはねて顔にあたったりと歩きにくくなる。雪の尾根道は滑らないようにそろそろと、雪の斜面のトラバースは前の人の足跡を必死で辿る。

親指ピークへ

勝間ケルンへ
 私にとって久し振りの雪山、余裕もなく歩いているうちに親指ピークに到着。雪があまり付いていないので、ザイルは出さず、固定ロープや木の根にアイゼンを引っ掛けないように慎重に下る。
 振子山まで登り返すと、烏ヶ山、槍尾根、象ヶ鼻、以前5月の例会で下った振子沢等の景色が広がる。又下り、あとは象ヶ鼻までの雪の斜面をただただ一歩一歩登る。12:00丁度に象ヶ鼻着。弥山への縦走路が綺麗に見え、登山者も確認できる。360度のパノラマを楽しみ、ユートピア小屋まで下り昼食。
 吹野さんを除く女性はアイゼンをつけて12時半出発、勝間ケルンではリーダーが焼酎を捧げ冥福を祈る。この辺りは雪が多く、午後になって雪が腐り、足をとられやすい。上宝珠を少し下った所から元谷へ沢を下りることになるが、これがかなり急斜面。

落石の危険地帯

脱出足取り軽く
 ここからは皆アイゼンをつける。最初は潅木につかまりながら、先行した男性が切ってくれたステップを使うが、自分でも笑ってしまうほどのヘッピリ腰。時々大小の石も落ちてくるし、リーダーは急げと言うが、急ぎたくとも急げない。やっと砂すべりとの出会いまで下りてホッとする。緩斜面になると、急に足取りも軽くなり、雪山を楽しみました〜という気分。14:15広々とした元谷に出て、皆で記念撮影。元谷はいつも「お帰り」とやさしい景色で、下山した我々を迎えてくれる。
 車を置いた南光河原の駐車場まで戻り、香取と船上山登山口まで車を回収に行き、「シャトー尾高」でゆっくりお風呂に入る。

 吹野邸では、弦君が今宵の宴会料理を準備していてくれる。ツマや飾りの梅の花まで手作りのお造りに鍋料理等々。鹿児島組差し入れの焼酎。順さんのパワフルトークも変わらず炸裂。何時ものように楽しい時間が過ぎてゆく。

3月22日
吹野家の美味しいご飯と手作り大豆入りキャベツ炒め、味噌汁の朝食を頂き、それぞれ鹿児島、長崎に向けて出発する。
 吹野さんの日々の大山山行あったればこその例会。参加者全員が技量に合った山を楽しめた事に感謝する。今日の大山は雲の中。吹野さんによると昨日は一ヶ月に一度の素晴しい晴天だったとか!!

コースタイム
大休小屋7:30→8:30野田ヶ山→9:30親指ピーク→10:30振子山→11:25振子沢分岐→12:00象ヶ鼻→12:10ユートピア小屋12:30→13:00勝間ケルン→14:15元谷→15:20南光河原駐車場

参加者:会員6名、会員外2名