第1438例会 岩屋山頂観月会Vol.U

平山 裕子

9/29(土)15時、油木の交通公園に7名集合。山内&東さんは先行しており、田尻会長は今年もテントや炊事道具の荷揚げで何度もピストン。アッちゃんは夕方岩屋神社から、橋口君も勤務を終えて登ってくる。早速小江原へ車で移動し、最短の岩屋山登山口へ。食糧を分担する為に大きいザックをオーダーしていたにも関わらず、なぜか数が少ない?何とか入れ込んで頂上へ発つ。途中、東さんから山内流派しつらえ竹製の花入れ用に花の所望がある。銀のススキや薄紅の萩など秋の花を摘みながら、頂上へ歩荷終了。
 今年は山内好み花台まであり、花を活けて饅頭を供え、何故か横に狸(山内さんではないよ)がおり、その前にはワインや日本酒の瓶が並ぶ。男性はテント設営、女性は料理に取りかかるが、先行登山の人達はお酒の方も立派に先行!!ながら族の私達も麦酒で乾杯して美味しい月見の膳を用意する。冷しゃぶ、春雨スープ、釣り鯵の刺身、長崎サラダ、ナスのバジル焼き等々の他に、差入れの生姜味噌漬け、穂紫蘇の佃煮、栗の渋皮煮、柿のケーキとテンコ盛り。月見酒も多種揃う。月は?と言うと、俄かに雲が湧き上がり、お隠れしている。
 何故「中秋の名月」というか?旧暦では3ヶ月毎に季節が変わり、1〜3月は春、4〜6月は夏、7〜9月は秋、10〜12月は冬と分ける。そしてそれぞれの季節の属する月は「初、中(仲)、晩」の文字で細分化される。ゆえに旧暦の8月は秋の真中で「中秋」となるそう。旧暦は月齢によく対応するので十五夜は大体満月だが、少しズレがあり今年の実際の満月は27日。日中はまだ夏だが、夕闇せまる頃は秋風が心地良い。岩屋山は長崎市民にとって馴染み深い山。思えば昔から歩荷と言えば岩屋山でザックに土や石を詰め込み、アイゼントレーニングも堤の急坂でと身近なトレーニング場だった。昨今は1日に何回も登る人や、毎日のように通う常連もおり、岩屋山の秘密の花園を足繁く訪れる人もいるとか。頂上へは放射線状に幾つものルートがあり、一般ルートにはない面白さも。
 そんなこんなの岩屋山中、宵闇せまり宴たけなわ、飲んで食べて歌って語って…そして山内千家野点。今年は注文の茶漉しもあり、ダマもできない。一萩、ニ楽、三唐津の萩の茶碗でいただく。喧騒に圧されてか雲も流れ、月も煌煌と輝き出し、眼下のすり鉢のキラキラした彩色も美しい。21時過ぎに下さんが合流するとまた賑やかさも蘇えり、さらに秋月夜は更けて行く。年に一度の宴会登山(しょっちゅう宴会している気もするが)、今年も賑々しく、また風流に月夜を味わう。
 
♪「秋の夜の月の光はきよけれど 人の心の隈は照らさず」♪(後撰集より)

 翌朝は食事して撤収する頃に雨となり、早々に下山する。

参加者:会員13名