第1437例会 石鎚山・瓶ガ森

西 靖宏

9月21日(金)19:30集合場所の県庁裏門から田尻車で出発。出島道路から長崎自動車道に入り今村PAで西川車と合流し、2台に分乗する。金立SAで行程を打合せて、21:15西川車がナビゲーターで出発。大分自動車道は走行車が少なく快適なドライブとなり、22:55大型トラックやマイカーで一杯の別府港フェリー乗り場に到着。
 23:55出港、愛媛県の八幡浜まで2時間30分の短い船旅であるが何せ真夜中である。石鎚山登頂を思うと、少しでも寝た方が良いと分かっていても、枕が変わるとなかなか寝つかれないものである。
 
 9月22日(土)2:25八幡浜港に入港。下船後テントでの仮眠を覚悟していたが、車だけ一旦降ろし、人だけはそのまま船室を使用できたのはラッキーだった。
 4:50八幡浜を出発。大洲道路から松山自動車道と走り、6:10いよ小松ICを出て6:40石鎚登山ロープウェイ乗り場の下谷に到着する。
 駐車場脇で各自用意した行動食での朝食を摂る。ロープウェイ乗り場は歩いてすぐ上にあり、7:40多分始発だったと思うが6分でロープウェイ山頂成就駅に着いた。
 舗装された道路脇には数件の旅館が建ち、石鎚神社成就社で石鎚山登頂の成就を祈願して、8:15神門をくぐり登山を開始。雨の降る心配はないようだ。
 9:45樹間の岩峰に「試し鎖」(48m)があり、リーダーが取りつきするすると登って行ったので、私も後に続いたが、湿っぽい露岩で足の置場が滑りやすい。この鎖場を登る人は余りいないようである。登りきると前社森なのか休憩所らしい店があって賑わっている。樹間に石鎚山の荒々しい全容が見えてくると、気分ものってくる。
 10:10夜明かし峠に着き小休止。このさき鎖場を直登するルートと迂回路のルートの二手に分かれることになり、私は躊躇なく鎖場を直登し山頂を目指すことにした。
 10:23夜明かし峠を出発。一の鎖場(33m)を通過、10:40二の鎖小屋は登山者が多い。天狗岳の北壁にクライマーが取りついているのがはっきり見える。
 11:00二の鎖場(65m)と三の鎖場(68m)は、真下からは垂直に見える。鎖は環を数珠つなぎした太い鉄製で、長丁場の鎖場に左手が耐えられるか心配だったが、鎖が上手い具合の太さで握りしめやすく、恐怖心もなく登ることができた。
 11:45弥山頂上(1974m)に到着。多くの登山者がいて、土小屋から登ってきた山内氏と中島氏が出迎えてくれる。天狗岳がガスの中に槍の穂先を見せている。周囲の山名は知らないが、四国の山の深さをつくづく感じる。ここで昼食後、山内氏と中島氏は、土小屋へと下山。12:15弥山からやせ尾根を慎重に通過し、12:27西日本最高峰の天狗岳頂上(1982m)に立った。石鎚山は、NHKテレビの日本の名峰シリーズなど見るにつけ一度は登りたい山であったが、九州の近くにありながらこれまで縁がなかった。石鎚山の魅力は、特異な槍の穂先の天狗岳と鎖場を登る醍醐味ではなかろうか。
石鎚山頂
 登頂の記念写真を撮ってから、目の先の東稜から、鋭く切れ落ちた天狗岳の絶好のカメラポイントがあるというので稜線上に出て、絶壁の下から吹き上がってくるガスが晴れるのを待っていたが、その気配もないので天狗岳に引き返し、12:45弥山に戻った。一方、リーダーと西川氏は天狗岳から東稜の南側を巻いて、土小屋へ向かった。
 12:50弥山からの帰路は、分岐点まで立派な鉄板製の迂回路を下ることになった。
 13:07二の鎖小屋下の分岐点から右に土小屋へ向かう。登山者の動きが一番少ない時間帯であることもあり、花を愛でながらの静かなハイキングといった感じである。広い車道に出ると遥拝殿があり、マイカーが数台駐車している。
 14:38土小屋に到着。四阿風の休憩所でゆっくりと寛ぐ。やがて20分遅れて、リーダーと西川氏が戻ってきた。天狗岳東稜から100メートルほど下降した岩場で行く手をさえぎられ、撤退したとのことである。
 15:15土小屋を出発。ここからシラサ峠へは、舗装した車道の瓶ガ森林道が延びているが、サブリーダーの石川さんが、40年前歩いた思い出の瓶ガ森登山道を走破することになった。山道に入るといきなり背丈ほどの笹の原である。凹地に足をとられ、崖っ縁を歩いているような所もあって、一瞬ヒヤリとする。すぐ下に車道が走り、山道の縦走路は現在、手入れをするでもなく使う人もいないのだろう。車道を横切るポイントの標識は、無残に朽ちて標識の原形すら残していない。そんな中サブリーダーの勘は冴えて、足跡のない笹原をグイグイと引っ張って行った。
 16:22よさこい峠にひょっこりと飛び出た。無人小屋があり、水場もある。
 16:30よさこい峠から笹原を急登する。平原が開けて木立を背景に一瞬霧が流れ、言葉で言い表わせない水墨画の風景が実現した。この情景は自然の最高の贈り物だった。
 17:05伊吹山の山頂は平らで、田畑の中に標識が一本立っているようなものだ。

伊吹山頂
 17:25車道に出るとシラサ峠に建つ山荘しらさに着いた。ロッヂ風というか畳の室内はゆったりしている。昨夜来の寝不足もお陰で解消した。
  9月23日(日)6:00山荘しらさから瓶ガ森登山口まで、山内氏の車で全員をピストン輸送して時間をかせぐ。朝食は適時、各自が行動食で摂ることになる。
 6:31瓶ガ森登山口で山内車と分かれ、男山への稜線に取りつき急登すると、30分で祠のある男山の頂上である。稜線上をさらに登ると、7:18瓶ガ森の最高峰・女山(1896m)の山頂に着いた。石鎚山の眺望が素晴らしく、360度の大パノラマが疲れを吹き飛ばしてくれた。
瓶ケ森山頂
 7:30女山から氷見二千石原に向けて下る。笹原の中に白骨林が点在して、格好の被写体になりきっている。
 7:55白石小屋に立寄り、道の状況を尋ねトイレタイムをとる。
 8:05白石小屋を発ち、小屋の主人が教えてくれた石鎚山の眺めが最高という場所でカメラに一枚収めた。
 8:10瓶壷の水場で、冷水をいただき水筒に補給する。

瓶壷
 8:18水場を横切ってから、林の中は急下降の連続で、9:30鳥越峠を通過、10:07常住である。お堂は無くなっていた。ここで西之川から登ってきた男性の登山者に初めて出会った。
 10:15常住を出て、樹林帯をひたすら下降、11:15杉林の笹原から林道登山口にやっと抜け出た。とにかく笹の多さには閉口した。舗装道路になって民家が見えはじめ、11:50西之川バス停からさらに歩いて、12:00出発地の石鎚ロープウェイ前の駐車場に戻った。隣接の石鎚山温泉で入浴、白濁のいい湯だった。石鎚山の湧水を水筒に入れて帰ることにした。冷蔵庫で冷やすとまた格別に美味しいものである。
 13:00帰路につく。13:40いよ小松ICから松山自動車道に入り、八幡浜市内を抜け、15:55佐田岬半島の先端、三崎港フェリー乗り場に到着。
 16:30三崎港を出港。18:40別府港に入港。西川さん手配の別府市内の店で名物のダンゴ汁を食べ、大分自動車道から一路長崎自動車道へと走り、川登SAに入った。ところが午後10時になり、蛍の光りのテープが流れ店外に閉め出されてしまった。薄暗い灯りの下で、会計の清算をして、10:10現地解散した。お疲れ様でした。
 
参加者:会員10名