第1405例会 北アルプス

それぞれに思いの残る赤谷山でした。今回もそれぞれ書きました。

梅雨前線北上せず(2006夏山報告)

三田 徹

 今年の5月の春山合宿で行った毛勝三山の猫又山から南に伸びる長大な稜線を辿ると剣岳に達する。
今回の夏山合宿はその稜線の一部を辿るべく、馬場島からブナクラ谷を遡り、ブナクラ峠〜赤谷山〜大窓〜小窓〜剣岳〜早月尾根〜馬場島という周遊コースの計画となった。
ただ、今年は梅雨明けが遅れており、出発する日もまだ長崎は明けていなかった。それでも、現地に入る頃までには明けることを期待した。
 長崎を出て12時間30分で馬場島着。現地は曇り時々晴れでまあまあの天気。ブナクラ谷からブナクラ峠への登山道は道標もしっかりしており、途中、数回渡渉、靴が濡れないよう裸足になる場面もあった。
標高1300m地点の最後の水場(戸倉谷)で給水し、ここからは急登となる。ブナクラ乗越でしばし休憩。左に行くと猫又山、右に行くと赤谷山だ。猫又山からブナクラ乗越まで下りはかなり急で、積雪期の下りはやばそうだ。
 ブナクラ乗越から赤谷山までがなかなか遠かった。おまけにだんだんガスって来て、風も強くなる。これがピークかなと思ったらガスの中にぼんやり次のピークが見えて気が萎えた。
やっと着いた赤谷山頂はなだらかで、テントを張るにはもってこいの場所だった。この先のルートを偵察するが、登山道はここまでであとは藪、ガスのせいもあってどこを行ったらいいのか全くわからなかった。
積雪期なら稜線伝いに難なく行けるだろう。
 夜12時頃からとうとう雨が降り出す。起床後、メンバー合議により撤退を決め、馬場島へ下ることとする。風雨強し。ブナクラ谷は降った雨が集まり増水し、流れも激しくなっている。
渡渉地点では、念のためザイルを出し通過する。馬場島には正午着。上市市の『アルプスの湯』で汗を流し、晴天がうらめしい長崎に戻った。

行きは普通の渡渉
(行きはヨイヨイ)

ブナクラ乗越その1

濁流を渡渉する
(帰りは怖い)
PS:7月号の報告中、「毛勝」の読みを「けかつ」としていたが、一般的に「けかち」が正解のようなので訂正します。
ただ、「毛勝」の語源は「飢渇」(けかつ)で、北信濃の小谷地方の方言では雪の消えない、恵みをもたらさない不毛の意を表すようです。すなわち毛勝谷は万年雪の不毛の谷なので飢渇谷=毛勝谷と呼ばれている、ということでしょう。(そのせいか、毛勝谷は毛勝山だけでなく剣岳にもあります。)
ということで、「毛勝」を「けかつ」と読んでもあながち間違いではないかもしれません。(以上、勝山さんから贈呈を受けた「富山湾岸からの北アルプス(佐伯邦夫著)」より解釈)


32年ぶり山の風に吹かれて

田尻 忍


まだまだ遠いな〜
32年ぶり夏の北アルプス 剣方面に行ってきました。
 例会参加の形ですが、此れが曲者 無謀にも剣岳北方稜線の山行に行ってしまったのです。
 ネットで山行の記録を見ていたのだが、32年ぶりのボケか、事の重大さに気がつかず、リーダーの情け容赦の無い20kgボッカにも気合だけで受けてしまい後から泣きを見る目に。
 久しぶりの北アルプスで装備も半分以上は最新の物、ピッケルを除く格好は今山を始めた中高年そのもの、しかも下着類は濡れても冷たくなく直ぐ乾く優れ物、但しパンツまで考え及ばず綿のため何時までもジメジメし気持ち悪かった、メンバーに話したら即買うべしの合唱。
 7月の末やっと九州・四国は梅雨明けとなるが、富山、新潟の北陸地方はまだ前線のかさの下、20kgボッカも水(4kg)なしの為、さほど堪えずスーハースーハと調子も中くらい。
此れが水を詰め20kgになるブナグラ峠までの4時間登りのきつい事、峠手前のガレ場ではゼイ、ゼイ、ハァ、ハァ、ヨロ、ヨロ、ヘロ、ヘロ体力の無さを痛感する。
しかし事前のトレーニングが皆無とゆうと、ソウでもなくスポーツジムに少し通っていた、但しそれで補っても足りない体力だった、と言う事か。年齢と体力の交わるところでのボッカ力を決めなければ他のメンバーに迷惑かけるだろ。
反面、赤谷山の登り稜線ではかなりの風に吹かれたが、不思議な事にこの風が35年位前の「山の匂い、光、風の音、漲る力」を一瞬よみがえらせ、赤谷山登りの力となった、そして山頂に着くと消えてしまった。
 今からさほどの山行も欲張らないが、出来るだけ充実した山と、自分自身の集大成として幾つかのピークを登ってみたい、そんな事を風に吹かれて考えてみました。

ブナクラ乗越その2


2006夏山 赤谷山(2,258m)

吉村 克伸

7月25日(火)の夕方より出発予定である。先週1週間雨がよく降り、7月23日(日)も雨。7月24日(月)の昼からやっと太陽が夏らしくなる。新潟の週間天気予報は毎日、曇り/晴れになっているし、中国地方から東はまだ梅雨明けしていない。
 車の中で初めて4名そろう。誰か天気の話はしないのかなーと思っていたが誰一人しなかった。
私は梅雨前線から遠くなるように反対に南下し、屋久島はどうだろうと思っていた。来年の休みはまた一日前にくる。今年のように梅雨明けが遅いようであれば、梅雨のない北海道はどうであろうか?
 来年のことを言うと○○が笑う。ワッハハハ。
 ブナクラ乗越(1826m)への最後の1ピッチ。かんたんに登らせてくれない。また赤谷山への長かったこと。
景色が見え、天気がよければきつさもやわらぐが、風は強いし、ガスでは下を見て歩くしかない。山頂に着いたときはホッとした。
今回は水場がないので、アルファ米とスープだけ。アルコールもないので食べたら寝るだけ。
目をさますと0時。トイレに出てシュラフに戻ったとたんにテントを強く雨が打つ。
朝起きるとやはり打っていた。これであきらめがつく。1泊2日の短い夏山だったが思い出に残る赤谷山であった。
追記:盆休みに、南アルプス北岳(3192m)に登ってきました。静かな山でした。
若いカップル、年とったカップル、学生のパーティ、3〜4人のパーティばかりでした。下山の日、白根御池小屋からもっともおそれるオバサンの団体が出てきました。いそいで出発しました。

赤谷山山頂にて


ここはもうヨカバイ

窪田 紀幸

リハビリを兼ねての山と思っていたら、いつの間にかハードな山行になっていた。  3ヶ月のトレーニング不足は、体が老いぼれてキツカッタ。それにしてもああ2006年の梅雨、うらめしや。行けども行けどもピークの見えぬ無雪期の赤谷山に、もはや未練はない。もうヨカバイ、夏ここにはもう二度と行かんバイ、たぶん。
田尻さん、化繊のパンツば買わんばいけんね。
 それにしても奥が深いぜ赤谷山!
でもいつもの打ち上げ楽しいなっ。カンパーイ♪

ずぶぬれの面々、貴重なワンショット

カンパーイ♪
田尻さんまたどっか行こうね!!
コースタイム
7/25 長崎18:30⇒(高速経由)
7/26 7:00馬場島(登山届提出)⇒7:50ブナクラ沢堰堤⇒12:00ブナクラ峠12:20⇒15:35赤谷山、テント泊
7/28 赤谷山6:00頃⇒7:30ブナクラ峠⇒ブナクラ沢堰堤12:00頃

参加者 会員4名