1373例会 初めての沢登り体験 洗谷に挑戦して

久保博義

 佐賀県と福岡県の県境にある脊振山系。その一つである井原山に、今回の沢登りの目的地である洗谷がある。ここ洗谷は、私のような沢登り初心者でも、十分楽しめると聞いたので、チャレンジしてみることにした。また、経験のある同伴者が多いということも後押しした。
 今回は、金曜の晩に移動することになった。そして、私は、昭和寮でピックアップしてもらうことになった。
当時、大波止から香焼まで通勤船で行き来していたので、普通に帰っても、19時を過ぎる。それなのに、当日、朝晩の食料や行動食の買出しをしたので、危うく、待ち合わせ時間の20時半に遅れそうになった。改めて、事前の準備は大切だと痛感した。
 今晩の宿泊地に着くやいなや、宴会が始まった。各自持参した酒のつまみを持ち寄って、話に花を咲かせた。それにしても、皆さんそろって、缶ビール専用の小さなクーラボックスを持参していたのには、驚いた。
私も、今度、ぜひ購入したいと思う。皆さんとこうして語り合うのは初めてだったが、非常に楽しい一時を過ごすことが出来た。
 今晩は、テントで、ご就寝。テントで寝たのは、大学生以来、実に5年振りである。寝られるかどうか心配だったが、ぐっすり休むことが出来た。
 翌朝、いよいよ、沢登りのスタートである。今回の沢登りの為に新しく買ったフェルト張りの地下足袋に履き替えて、川に入っていった。しかし、いかんせん、地下足袋以外は、普通の山用具なので、水が浸透してきて、気持ちが悪かった。
 しばらく、道なりを行くと、まず、第一の難関。左右を岩壁に囲まれた登りである。安全を確保するために、ロープで捕縛した。そして、先に熟練者が登って、上から安全を確保してもらった。
その様は、まるで、猿回しのようである。安心感もあってか、両壁を上手く使って、難なくクリア出来た。今年は、昨年と比べて、流量が少なく、登りやすいと言う。
 次は、第二の難関。前より急な登りで、長かった。今回は、顔面からモロに水をかぶって、沢登りの洗礼を受けた。それでも、何とか登りきった。
 いよいよ、最後の難関。それは、まるで前面にそそりたつ壁であった。
直登すれば、オーバーハングになっている箇所にぶつかってしまう。最初は、避けて登ろうと思ったが、上から確保してもらっているので、挑戦することにした。
途中まで順調だったが、例のオーバーハング部で、手が滑って、落ちてしまった。その際、あごを強打し、気持ちが萎えてしまったので、あきらめて、避けて登ろうと思った。しかし、皆さんの励ましもあって、再チャレンジしたところ、今度は登れた。
 こうして、初めての沢登り体験は無事終了した。今回の沢登りは、これからの長い山登り人生にとって、良い経験となり、また、自信にも繋がった。
今後も、学生時代に味わえなかったことに挑戦していきたい。