第1371例会 立中山
平山
7/16(土)暑い、しかも梅雨時の実にマイナーな山。果たして参加者はいるのだろうか?リーダー&サブ2人だけでも絶対行くぞ〜、そして湯坪の民宿に泊まって豪遊?してやる〜と思っていたら、物好きな(山好きな)人6名が集まった。
今村Pに北部3名と南部3名が集合。九州南部地方に梅雨明け宣言があったばかりだが、灼熱の太陽が暑くて13:20早々に出発する。
だが梅雨最後の豪雨で九重町は大きな被害を受け、九酔渓の道路は土砂崩れで通行止めになっていた。色々と気を揉んだが、現地に問い合わせると四季彩ロードは通行可能、ロッジ予約のキャンプ村も被害はないというので計画実行する。
高速を快適に走り九重ICで降りる。料金所のおじさんにスーパーの場所を聞いて買出しをする。さすが主婦軍団、新鮮な食材を見てアドリブで今日の美味な酒肴がポンポンと決まる。
男性にはビールを頼むが、何やら一升瓶まで買っているではないか!(シマッタ)買物を終えて四季彩ロードへと入り、泉水キャンプ村へと向かう。
16:30着。管理棟で受付を済ませロッジヘ。やはり連休とあって利用客も多く、すでにバーベキューの準備をしている人達で賑わっている。
ロッジで荷を下ろし、まず汗を流してから食事にしようとエヒメアヤメの咲く草地を歩いて場内の大きな露天風呂に行く。時間が早いので貸し切り状態でゆったりと良いお湯に浸かり、さっぱり癒されたところで夕食の準備にかかる。
メインは豊後黒毛和牛のすき焼き、カンパチの特製リュウキュウ(大分風刺身料理。刺身にゴマやネギ、ショウガと醤油を合わせた物)、煮付けた新鮮な海老、あと女性たちが持参したトマトやマリネなど豪華メニューになった。
しかもアルコール飲み放題ではないか!(今日は移動と食べて寝るだけなので、こんな話ばかりですみません)もうひと登りした後のような飲みっぷり。その分明日はたっぷり汗をかいてもらいます。
宴もたけなわ、ベランダで山談義に焼酎ロックでくつろいでいるおじさん達。透き通った夜空には夏の星が煌めいている。
そこへ通りかかった一人のロマンな少年「すみません、天秤座はどこですか?」とたずねる。ウ〜ンやっぱり今時の少年も星座に夢を馳せるなんて可愛い!すかさず、おじさんおばさん達は空を眺めて「ア〜天秤座ね、どこらへんかね?ゴメンネ〜石川のおばちゃんがおったら、すぐわかるとばってんねえ」と口を揃えて答えた。
するとくだんの少年はすまして「ああ、じゃなくてロッジのことです。もっとあっちかな・・・」とさっさと行ってしまった。ちなみに私達のロッジの名前は牡羊座。
7/17(日)4:30起床。昨日のすき焼きの残りでおじやを作り朝食。一升瓶は見事に空になっている。6:15キャンプ場発。長者原6:20着。
水江さんは昨日の夜に体調が悪くなり、膀胱炎らしく管理棟で近くの病院に何ヶ所も電話してもらったが不在、抗生物質も持ち合わせてなかった。水分をドンドン取ってもらい、少しでも良くなるようテルミーも登場した。心配だが何とか持てるようなので下で待機となった。(救急薬品に抗生物質は必需品)
6:35出発。左右の林の中、コンクリート道を歩いて行くと豪雨による左手山斜面からの土砂崩れの跡らしきものが見られた。今は廃道となっている昔の登山道を左手に見て、硫黄山の麓を目指すようなオフロードを歩く。
緑広がる長者原一帯の眺めが良い所で休憩。登山者は後から来るグループ1組だけ。私が昔このコースを歩いたのはキスリング時代の大昔だ。その頃とはコースも様相も変わっているが、硫黄が噴出する殺伐とした風景の硫黄山はそのまま。
スガモリ越との鞍部につながる上方の砂防堤を渡り、ガレ場を通ってスガモリ越8:13着。三俣山を仰ぐ無人の岩小屋には霧にまかれた人に告げる鐘だけは昔のまま残っている。人影のない荒涼とした北千里ヶ浜に下り、法華院に向かう。
猿岩は相変わらず座っているが、北千里ヶ浜は段々と幅が狭くなっているように感じる。
8:50着。登山者で賑わう法華院で休憩後、木道のある雑木林の中を鉾立峠に向かう。沢水から鍋割峠、佐渡窪を経て鉾立峠、白口岳のコースは九重でも私の好きなコースだ。
9:35鉾立峠着。峠を渡る風に吹かれて白口岳に続く急峻な山肌を見上げると心地よい。今までこの対面に立中山という山があるとは露とも知らず通り過ぎていた。峠からは右手に整備された道があり、頂上へと向かう。カヤトの中を泳ぐように進むと、15分程で立中山と書かれた小さな立て札がある草むらに着き、頂上とわかる。9:50着、小憩。
お椀を伏せたような扁平な立中山からの眺望は良く、違った方向からの九重山系を見渡すことができる。豪雨の大きな爪あとが三俣山の山肌を削っている。
長者原で待機の水江さんから電話が入る。豪雨被害で道が荒れているとの注意書きがあり心配しての連絡だった。今の所その影響はまだ受けていない。
小憩後、腰高まであるカヤトとミヤマキリシマ等の潅木で覆われた道をかき分けながら鉢窪へ下る。枯れ沢に出てここから右が鉢窪らしく、そこからアセビの林の中へ入り、大船山裾野のほの暗い雑木林を分岐に向かう。展望は全く利かないが踏み跡はしっかりあり、11:00大船山登山道の分岐に出る。
人がいないコースとは思っていたが、法華院を出て立中山から坊ヶツルに至るまで誰一人会わなかった。
静けさの中、黙々と歩くのも山と語るようで良い。このコースは紅葉とミヤマキリシマの穴場かも知れない。
11:30燦々と太陽が照りつける坊ヶツルはテントが幾張りかあり、ボーイスカウトが賑やかに並んでいる。11:55あまりの暑さに行動食をとり早々に発つ。
上から見た土砂崩れは雨ヶ池に至る道を土砂と共に大きな岩や木々を根こそぎにして寸断していた。雨ヶ池12:45頃着。
これはまだ序の口で、雨ヶ池を過ぎ長者原の自然観察路への下りは大きな土石流が何箇所も流れて様相を変えていた。従来の道はなくなり踏み跡を見つけながら右岸に渡ったり左岸に戻ったりと、いつもは時間が稼げる下りも結構時間がかかってしまった。なるほど長者原の自然観察路の入口には「土砂災害の為登山道が荒れており登山禁止」の立て札があった。
14:00長者原着。しかし私達と離合する坊ヶツルへと向かう登山者もたくさんいた。長者原で水江さんと合流し、なるべく早く帰って治療できるよう温泉なしで帰路に着く。
参加者:会員6名